偽善者たちへ

日本,,雑記

Vol.1-6.20-158  偽善者たちへ
2020.06.20

「偽善者たちへ」著者:百田尚樹(新潮新書)である。

ご存知のように百田尚樹氏は平成18年に『永遠の0』で100万部を超えるベストセラーを出し、小説家としてデビュー。平成25年には『海賊とよばれた男』で本屋大賞を
受賞するなど、短期間のうちにベストセラー作家となった人物だ。

作家デビュー以前は放送作家として25年のベテランだが、失礼ながら聞いたこともない名前だった。
「永遠の0」が話題になってからかその発言に注目するようになった。
言葉に衣着せぬストレートな言い方が時には物議をかもすこともたびたびあり、百田発言は多くの話題を提供してきた。

発言内容は保守的で、民主党は「息を吐くように嘘をつく」とか、
「日教組は何十年間も、純粋無垢な子どもたちに贖罪意識を教え込んでいる。まず『日本は素晴らしい』ということを教えなければいけない」「日本人でいることが恥ずかしいと教え込まれた子どもたちは立派な大人になれない」などと批判したことなどが注目された。

その発言の一つ一つがジイの思いと一致しさらに親近感を覚えるようなった。
保守陣営としては、突然現れた月光仮面のような存在に見えたのではないか。
「永遠の0」以後、テレビ、ネット、雑誌など縦横無尽の活躍だが、その百田氏が個人有料サイト『百田尚樹チャンネル』の会員向けに配信しているメールマガジンを文章にして出版されたのが、この「偽善者たちへ」という本である。

言わば軽いノリの「政治的要素の強いエッセー」のようなものだ。

5章に分かれている。
第1章・・・薄っぺらい正義(17話)
第2章・・・人権はという病(37話)
第3章・・・平和という麻酔(17話)
第4章・・・韓国と中国(29話)
第5章・・・野党の愚(9話)

その一部を紹介したい。

第一章
※TBSの偏向
つい先日拉致被害者の横田滋さんが87歳の生涯を閉じられましたが、その拉致被害者救出のシンボルが「ブルーリボン」でした。

拉致被害者が必死になってブルーリボンを日本中に広め救出の力にしようとしている時、よりによってその「ブルーリボン」をTBSドラマは悪徳政治家につけさせるという演出をしたのだ。

当然ながら家族会からTBSへ抗議した。ところが民主党・有田芳正は「言論に対する圧力」として、TBSに対して圧力に屈するなと応援したのです。

このどうしようもない国会議員を批判しているのですが、この一事をもってしても国家として拉致被害者を救えるとは到底思えない。

北朝鮮は日本の足元を見ているのだ。こんな議員がいることが悲しい。いたたまれない気持ちだ。

※ 大阪市長の英断
「朝日新聞が社説で、アメリカサンフランシスコ市との姉妹都市提携を解消する意向を示した大阪市の吉村市長を批判した。・・・・・・

吉村市長はサンフランシスコ市に地元の市民団体が設置した慰安婦像が寄贈される情報をキャッチ、そんな日本人を貶めるようなものを韓国人団体と一緒になって認めることはやめていただきたいと要請した、しかしサンフランシスコ市議会は慰安婦像設置を受け入れることを決議したことに対して抗議を示したのである。・・・・・

これに対し、朝日新聞はせっかく育んできた市民交流を市長の一存で断ち切ることは許されない。とした。」
これに対し、百田氏は、「まともな日本人なら世界中に慰安婦像をバラまこうとしている韓国団体に強い嫌悪感を抱いているわけで、吉村市長に拍手ことすれ、文句を言う人はいないはずだ。」と朝日新聞を非難したのだ。

第二章 人権派という病
※ 前科と人権は
「事件が発生して人権が語られるとき、往々にして被害者のそれではなく加害者のそれが中心となります。他人の人権を尊重しない者の人権をなぜ守らなければいけないのでしょうか。普通の人間なら犯罪はいけないことだとわかっています。だからそれを犯さないように注意したり、場合によっては我慢したりします。

他人の人権を脅かす者、犯罪者は社会に存在しては困るのです。人権派はすべての人に更生の機会をと言いますが、更生する者は一度で更生します。もっと言えば最初から犯罪など起しません。その意味で再犯で捕まった者は更生の意思なしと判断していいと思います。」

などなど、一話がたったの1、2ページ。保守思想のお持ちの方であれば、ほとんどが納得のエッセーかと思われます。

日頃テレビを見ながら「何言ってんだ!!」と憤慨の諸氏にはストレス解消の1冊になることは間違いない。

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