白色恐怖

世界,日本,雑記

Vol.1-7.3-171  白色恐怖
2020.07.03

「白色恐怖」、、、聞きなれない言葉だ。

白色テロのことだという。
『白色テロ(英: White Terror)とは、為政者や権力者、反革命側(君主国家の為政者あるいは保守派)によって政治的敵対勢力に対して行われる暴力的な直接行動のことである。 国家組織及び権力を是認して行われる不当逮捕や言論統制などがある。』とあった。

日本の国会にあたる中国の全国人民代表大会(全人代)が5月28日、「香港国家安全法」を採択し、「賛成2878票、反対1票」で成立した。反対票の「1」には笑ってしまうが公正を期したと言う数字表明なのだろうか。

日本では考えられないような超スピード決裁だ。日本では国会で半年も議論しても成立しない案件が何件もある。
今国会では、公務員の定年をたった2年延ばそうという法律さえネットの反対で成立に至らなかった。
憲法改正に至ってはもう何年も野党の反対で経費の無駄遣いだけは進んでいるが、議論は一向に進まない。

中国は全人代開催でたった3日の議論で、国際的に批判を浴びている法案、更には国際条約違反でもある法律を有無を言わせず成立させてしまう独裁は、世界広しと言えど中国共産党とロシアあたりしか見当たらない。

実際に7月1日「香港国家安全維持法」が施行された。早速デモ隊に対し強硬手段にでた警察によって180人を超す逮捕者が出た。

「香港独立」という旗をバッグに入れていただけで逮捕だ。外国人も容赦しない。
正に暗黒時代の始まりである。

日本でなじみの周庭(アグネス・チョウ)氏も民主化団体を解散した。今逮捕されたら何もできない。生きてさえいればチャンスは必ずある。という信念だ。ほぼ同じ境遇を危惧する台湾は積極的に手を差しのべている。

日本の姿勢は情けなくなるほど慎重である。自らは傷つきたくない。批判はするが火の粉を浴びる勇気はない。

あの、東日本大震災に、決して裕福でない台湾が全人口の一人ひとりが1万円以上に相当する金額を支援してくれた。世界一の250億円という高額であった。
我が身に痛みを感じる支援金である。これこそが誰かを助けるために示した心からの意思表示ではないか。
痛みさえ感じない支援も支援に違いないが、この台湾の痛みを知った日本人がどれほどいたでろうか。

今回の香港の危機に台湾は、学生の受け入れ、移民の受け入れ態勢を整えている。
彼らにとって生きるとは死と背中合わせなのだ。
何かあれば、平和、平和、平和しか唱えない日本人には飽き飽きする。
ジイも何もできない老人だが、少なくとも「平和を唱えるだけの人間」だけにはなりたくない。

のんきに過ごす日本の学生たちよ。学生たちが何か出来ないのか。と言いたい。
全国から署名を集め、腰の重い政府に香港支援を要請するとか、何かできないのか。

かの昔、方向性は決していいとは思わなかったが、学生運動が盛んだったころの日本の学生は何かやろうとする気概があった。
今はどうだ、ゲームにいそしむだけか。香港に行って事実を見てみろ。命の危険を感じながら戦う学生たちに直に触れてみろと言いたい。

香港ガンバレ!!というのも今は空しい。
チョウ氏のいうように、生きていれば必ずチャンスはくる。
その時をじっと待ちながらも心を燃やし続けるのもたやすいことではない。

「白い恐怖」も間近に迫っている「蘋果日報(ひんかにっぽう)」。
民主派支援の新聞だが、編集局長・羅偉光氏は、広告を載せれば、広告主がやられるので、広告が載せられない。あくまで発行部数だけが頼りだと、決して楽観できないが報道スタンスは変えないという。

最近、同社ビルに前に車が長時間止まるようになった。監視である。白色テロがすでに始まっている。
反政府・反中記事を書いた、記者・編集者が「国家分裂」「政府転覆」の罪に問われかねない。言論の自由も・報道の自由も崩壊の危機にある。

「蘋果日報」は創業以来、『自由と民主を支持する』という読者との約束を守ってきた。これからも香港人のために声を上げていこう。委縮するな」とハッパをかけている。

平和な日本は素晴らしい。
しかし、少なくとも同じ極東の地で命の危険を感じながら戦い続けている人間がいることに注視ししつづけなければならない。

アメリカは上院で「香港自治法案」を可決し、¨ 悪徳中国当局者 ¨に制裁を課そうとしている。

我々も、どんな形になるのかわからない。しかし、支援のチャンスがあれば躊躇なく支援の手を差し出す気構えが必要だ。

平和な日本、決して「平和ウイルス」で心を腐らせてはいけない。

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