中国市場と日本経済

世界,日本,雑記

Vol.1-9.11-241   中国市場と日本経済
2020.09.11

中国14億市場???ホンマかいな。確かに人口は14億いる。

ただ日本でいう文化的生活ができる人は何人いるのだろう。人口比1割の人は字が読めないという。6億の農村人口は年収100万以下という話を聞くと、北朝鮮じゃないが、軍拡やミサイル開発、宇宙開発に金を使い、さらにはウイグル、チベットをいじめている場合か!と言いたくもなる。

新宿会計士による月刊誌に掲載された論文『中国を当てにしなくても日本経済は全然OK』なるものを読むと、中国との貿易に支障がでたとしても、影響がないとは言えないが、致命的ではないということが書かれている。

今回の武漢・新型コロナ発生で中国の国交制限は、サプライチェーンの分断で多くの商品が滞ったことは周知の事実だ。経済は中国中心に回っているのではと思った国民も多かったのでなないかと推測する。

心配することなかれだ。もし中国との貿易がなくなったら大打撃を受けることは間違いない。しかし、よく中国は世界の工場と言わるるように本質はアッセンブルメーカー(組立工場)なのである。日本は「中国にモノをつくるための材料を輸出」し「完成品を輸入する」という関係だ。

従って、部品はすべて日本にある。日本でつくるものを安い人件費にたより中国で製品にしている。中国がダメならアセアン地域に分散すればいいだけの話となる。

確かに、急になくなれば対応できず大変だが、致命的打撃を受けるわけではないとうわけだ。

ただ、自動車産業だけは別だ。いずれにしても困るのは日本より中国ということになる。

<論文を要約すると>
1990年~2000年代、某経済新聞や自称有識者が中国進出の必要性を訴えた。
① これからは米国に代わって中国が世界の覇権を握る。今のうちに勝ち馬に乗るべきだ。
②日中両国は古代から連綿と続く交流の歴史があり、日中友好は重要だ。
③日本は日中戦争で多大な被害を与えた加害国だ。と感情論で中国進出を煽った。

その通りに中国との貿易は拡大した。しかし、世界第二と第三の経済大国が繋がったにしては大した貿易量にはなっていない。

④2019年日本に入国した中国人959万人(訪日外国人の30%)
⑤2017年日本人の訪中者推定268万人(出国者の15%)
⑥日本に滞在する中国人・・・76万人
⑦中国に滞在する日本人・・・12万人(外国に滞在する日本人の9%)
⑧日本の対中与信額・・・879億ドル(日本の対外与信の2%)
⑨日本の対中投資・・・1303億ドル(日本企業の対外投資の7%)

このような数字をみていくと、日本よりも中国が積極的に日本に関わろうとしているのが見えるという。

材料のほとんどを中国に輸出し、完成品である「パソコン、タブレット、スマートフォン、衣類、雑貨」などを輸入しているのである。

そういえばもう何年も前から、衣類、雑貨、おもちゃ類についている表示を見るとほとんどが「Made in China」である。

明らかに最終消費地日本。「中国が日本にとってのお得様」ではなく「日本が中国にとってのお得意様」という方が適切である。

中国の人件費は上昇を続けるだろうし、技術が高いわけでもない。中国の優位性は徐々に失われていく。日本企業が中国へ進出する理由は確かに薄れている。

さらに、「中国は日本を含めた西側諸国と基本的価値を共有する国ではありません。いまだに中国共産党の一党独裁が続き、ウイグルやチベット、香港などでの人権弾圧がおこなわれていて、尖閣諸島への領海侵入を常態化させている。そのような国とそれなりの深い関係を構築してしまったことが正しかったのか」
と疑問を呈している。

確かにご指摘の通り数年前から、生産拠点の分散化は言われており、最近は生産地にベトナムやアフリカも見るようになった。

果たしていつまでも14億と言われる中国の巨大市場に目を奪われていいのか。
例えば、車を買える中国人は何人いるのかということだ。

中国の所得格差はすさまじい。
14億の人口の内6億人が年収100万円以下
7.5億人が年収250万円以下と思われる。
約1%の人間15百万人が中国の所得の大部分を占めている。

所得の低い人間も昨今の地価高騰により年収2百万でも資産5000万という人はざらにいるそうだ。しかし、売却して現金資産になるが、住んでいる限りは低所得のままだ。

中国共産党員が9000万人というから、まあその人たちが何とか生活ができるレベルと考えた方がよい。中国は国民14億人の国ではない。何故なら、「中国人民解放軍」は共産党のためにあって、国民のためにあるのではない。したがって中国を考える時9000万人の人口の国として考えないと間違う。

13億の人間は中国という大地に仮に住んでいる中国人で、共産党員になった時に初めて中国人になれる仮想中国人なのである。

人を人とも思わない中国共産党だからこそ、この凄まじい所得格差、いつ爆発してもおかしくない中国を抑えている。共産党一党独裁で軍事力を誇示し、強権政治を敷かない限り国そのものが持たないということだ。

どこを見ても中国の魅力など見えてこない。ただただ14億の人口という幻想に惑わされることなかれだ。

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