大相撲9月場所

スポーツ,日本,雑記

Vol.1-10.2-262    大相撲9月場所
2020.10.2

大相撲9月場所が終わった。

両横綱が休場の寂しい土俵になるかと思いきや、本命の力不足が目立った場所ではあったが、最後まで誰が優勝するのかわからない波乱含みの展開で、終盤にかけ大いに盛り上がった。

順当に白星を重ねるかと思った朝乃山がまさかの初日からの3連敗。まさに予想された波乱の始まりだった。

横綱不在場所と言うのは不思議とスターが誕生するものだ。今場所は何といっても「翔猿」である。相撲内容も「姿」「形」もまるで猿のように機敏で元気の塊のような力士である。話す言葉も歯切れよく土俵上の表情もとびっきりいい。

その翔猿、13日目にして11勝2敗。大関・貴景勝、関脇・正代と堂々と並ぶ活躍。前頭14枚目にして大関・貴景勝と、千秋楽では関脇・正代と優勝争いを演じたのである。その相撲振りは元気ハツラツ、元気いっぱいの相撲は関脇・正代を土俵際まで追い詰めるという拍手喝采の相撲であった。立派の一言だ。
惜しくも敗れたが、この一場所で全国区に躍り出た。

初場所、幕尻で涙の優勝を果たした徳勝龍と違って歳のわりに若さがみなぎっている。来場所の活躍が期待される。

波乱の場所を制したのが正代である。
初場所で優勝を徳勝龍にさらわれた悔しさがあった。熊本・宇土は大変な盛り上がりである。

14日目の大関・朝乃山を破った相撲はどちらが大関かを疑うほどの力強い相撲だった。この一番で場所後の大関昇進が決定的になったと思われる。両大関を破った正代、やっと初場所の悔しさを晴らしたのだ。

優勝を決めて花道を下がったところで、兄弟子の井筒親方の姿を見ると一気に涙があふれた。この1年の凝縮された悔しさ、嬉しさのすべてを物語っているようで感動的だった。

11月場所、本来は九州に行く予定がコロナの関係で両国国技館になってしまった。九州での開催であれば大いに盛り上がったであろうに残念である。

日本相撲協会は30日、番付編成会議と臨時会を開き、正代の大関昇進を全会一致で決めた。

伝達式で正代は『大関の名に恥じぬよう、至誠一貫の精神で相撲道に邁進してまいります』と口上を述べた。

控えめで飾らない正代の理想は「至誠一貫」である。「相撲道に対して、誠実に最後まで貫き通す」という気持ちが込められている。

来場所以降がいよいよ楽しみだ。
両横綱はもうそろそろ限界に近づいている。正代、朝乃山、翔猿の時代だ。

両大関は切磋琢磨し、早期に横綱を目指し、若・貴時代を凌ぐ令和の大相撲黄金期築いてくれることを期待したい。

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