終戦宣言に命をかける男

世界,日本,雑記

Vol.1-10.12-272    終戦宣言に命をかける男
2020.10.12

昭和25年(1950)6月25日未明、戦車が38度線を越えて北朝鮮から南の韓国になだれ込んできて朝鮮戦争が勃発した。

しかし、もとはと言えば第二次世界大戦終了間際、どさくさに紛れたソ連の不法な侵攻により、朝鮮半島が南北に分断されたことが遠因である。同時に日本は北方4島をソ連に占拠されたのである。

その後、社会主義陣営を後ろ盾にした北朝鮮は、南朝鮮を支援するアメリカを軽視し38度線を越え南朝鮮へ攻め入った。しかし、さにあらんアメリカにとって朝鮮半島の赤化は避けなければならない。初戦の不利を挽回、本腰を入れて反撃に転じたのだ。

北は中国軍の支援を受け戦争は3年に及んだが決着がつかず、アメリカ、中国、北朝鮮の間で休戦協定が結ばれた。以後今日まで70年休戦中である。

文在寅大統領は、特にこの休戦協定を「終戦宣言」することによって「朝鮮半島の恒久的な平和体制」につながると固く信じている。

大統領就任以来、どんなに北朝鮮に袖にされようが一途な愛は熱を帯びる一方である。

<国連での文在寅大統領の演説である>
◆2018国連演説:非核化に向けた果敢な措置が終戦宣言につながることを期待する。
◆2019国連演説:南北軍事境界線沿いの非武装地帯を「国際平和地帯」化する構想を発表。
◆2020国連演説:「終戦宣言こそが朝鮮戦争の非核化とともに恒久的な平和体制への道」だとし、非核化に先立って終戦宣言を追求した。

どこまでもまず「終戦宣言」ありきにこだわる。

1953年10月休戦後、「米韓相互防衛条約」が結ばれ米軍が駐留した。終戦宣言により、平和体制が構築されれば、思い通り在韓米軍の撤退が視野に入る。それによって晴れて入籍、熱愛の相手との結婚が成就できるとの思いである。

これほどに思われる愛人「金正恩様」だが、対応はあまりにも冷たい。

2020.6月:韓国の脱北者団体による対北宣伝ビラの散布に反対し、開城の南北共同連絡事務所を爆破、南北間の通信網も一方的に遮断。

2020.7月:文在寅大統領は親北及び、終戦宣言に積極的な人間に人事を一新した。

どこまでも偏愛である。ところが、

2020.9月:海上の南北軍事境界線である北方限界線付近で、韓国の漁業指導船から行方不明になった船員が北朝鮮軍に射殺され、遺体を焼却される事件発生。

2020.9.25:船員殺害の件で、金正恩氏が謝罪したと韓国大統領府が発表。

一連の流れをみても、すべてにちぐはぐ、文在寅大統領の思惑通りに進まないのが南北間だ。努力が一方通行でかみ合っていない。さらに、南北休戦協定の当事者(米国・中国)が「終戦宣言」に全く関与していない事実をみても文在寅大統領の一人芝居が際立つ。

本気で「南北統一」に命を賭けているのであれば、それこそ己の命をかけて、
(1)非核化実現をアメリカと真剣に話し合いアメリカの信用を得て、北と対峙する。
(2)更には非核化後のロードマップを中国と米国との間に入り、双方の合意をとる。
(3)北朝鮮に安心されるような体制維持を含めた現実的道を示す。
・・・その後である。
(4)将来の結婚の話もいいかもしれない。仲人は米国と中国だ。

上記案件を本気で提案したい。

あなたの片思いの金正恩様は、アメリカと中国の本心に確信を持ちたいだけ。そろそろ気が付いたほうが良い。
熱愛を通り越した偏愛もいいが、張本人からも信用されないようでは何を考えているの?とバカにされるだけである。

しかし、並みの覚悟でできる仕事ではない。大統領を辞したら刑務所へ行く運命を変えるためにやる仕事としては、十分過ぎる仕事だと思うが。

「ええから、本気でやってみなはれ!」誰かの言葉を贈りたい。

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