大阪都構想の行方

日本,雑記

Vol.1-10.14-273    大阪都構想の行方
2020.10.14

大阪都構想の是非を問う住民投票が10月12日告示され、2020年11月1日の投票日に向けて、2度目の選挙戦がスタートした。

5年前の平成27年5月の住民投票では反対多数となり、当時の橋下徹大阪市長が政界を引退した。今回も否決された場合、大阪維新の会代表の松井一郎市長は23年4月の任期満了後に政治家を引退する意向を示している。

ただ、今回は、大阪府議会と大阪市議会の主要政党のうち、大阪維新の会に加え、前回は反対した公明党が賛成に回っている。維新の会にとって以前よりは好転。一方、自民党と共産党は前回に続いて反対。と言う構図だ。

ところで
<維新の会が大阪都構想にこだわる理由>
(1)大阪府と大阪市の「二重行政のムダ」を解消する
(2)都構想が実現すれば都市発展のビジョン策定やインフラ整備などの広域事業は大阪府、私立幼稚園や飲食店の認可などは特別区が行い、行政を一元化し効率化が図れる
(3)仲が悪い大阪府と大阪市の関係が解消する

<大阪都構想の反対派の主張>
(1)庁舎の整備コストが莫大
(2)住所変更が煩雑
(3)大阪府は貧乏、大阪市は裕福、大阪府に吸い取られてしまう
(4)特別区が増え、公務員の手当ができず、行政サービスが低下する
(5)市の設備が削減される計画がある(プール・スポーツ施設など)

実際のところまだよくわからない。

市民にとってのメリット・デメリットへの理解が十分に浸透していない。地方の14、5万人の市の変更ではない。大阪府は880万人以上の大都市。東京都と並び立つ大阪の雄である。内、大阪市の人口は275万人。スケールの大きさからも具体的施策がなかなか市民に伝わらず、イメージできない。

賛成も反対も当然ある。しかし市民が本当に理解するには30年程度のロードマップを示した上に、実施される計画項目とそれによって発生する行政側の対応、市民への影響、当年のメリットデメリットを並列し、経過年を辿って、最終的に10~20年後の大阪都のあるべき姿を示さなくてはならない。

すべてが最初から最後までメリットで終わることなどあり得ない。市民に行政サービスの低下、あるいは協力を得なければならないことを率直に開示し、理解を得た上でその後の大阪の未来が素晴らしいものとして見えるなら。将来の大阪をみんなでつくろうと言うことになるだろう。

デメリットを乗り越えるに足る夢を持つ事は、働く意欲につながる。そんな夢と苦労が重なりあったわかりやすい夢のロードマップをつくっていただければ、大阪市民も賛成するのではないか。

<ロードマップの例>
①2021→(手をつける具体的項目)・・・(実際の動き)・・・(市民への影響等)
②2022→(手をつける具体的項目)・・・(実際の動き)・・・(市民への影響等)

③2030→
項目はどうなるのか不明であるが、市民と行政との足並みが揃ってこそ、「大阪ビッグチャレンジ」を完成させる喜びも沸いて来るというものだ。

大阪市民の結論はどう出るかわからないが、投票日まで健全な議論が行われ、極力市民に理解できるまでの徹底した説明義務を果たしてほしいと切に願う。

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Posted by 秀木石