鬼の目にも涙

Vol.1-10.26-286   鬼の目にも涙
2020.10.26

嘘のような本当の話なのだ。

北朝鮮の金正運恩朝鮮労働党委員長が、党創建75周年の式典で涙を流しながら演説をしたというのだ。本当か?と誰もが疑うようなことをやったのである。

決して自然に高ぶる気持ちを抑えきれず涙したとは思えない。用意周到に準備した涙であろう。そうしなければ、住民暴発が押さえきれない緊迫した国内事情があったのだ。独裁政権でも押さえきれないと認識した金正恩のある意味、強気男が弱音を吐いた男の醜態である。

<その言葉である>
『私はまだ努力と真心が足りず、わが人民は生活上の困難を脱することができずにいる』

『天のようで海のようなわが人民のあまりにも厚い信頼を受けるだけで、ただの一度も満足に応えることができず、本当に面目ない』

気に食わなければ、その場で粛清することなど平気で実行する独裁者が、上記のような言葉を発して涙するなど尋常ではない。思案を重ねた結果のやむえない演出だと思う。

コロナ感染情報の詳細はなかなか伝わらないが、かなり深刻であると思われる。さらに、相次いだ台風被害だ、夏に来た2つの大型台風は偏西風や気圧の関係もありめずらしく、朝鮮半島をまともに縦断した。

その被害は何十キロにも及ぶ道路の寸断、50以上に及ぶ橋の崩落。痩せた土地でまともに生産できず、慢性的に物資不足に苦しんでいる農民を襲った台風被害、限界を超えたのである。配給すら奪い合いが起こるまでになった。ここまで深刻化した住民の貧困は狂暴化への導火線になりかねない。

過去にない事態。経済制裁がボディブローのように効き、災害が追い打ちをかけた。強権・独裁でどうにかできる問題でなない。自らの命の危機を察知した金正恩委員長のある意味、命乞いのような言葉であろう。

党創建75周年の軍事パレードである。毎年後ろ盾である中国はひな壇に並ぶはずであるが、今回は祝電だけである。瀕死の状態にある北朝鮮は頼るとすれば、中国しかない。それを十分わかった上で、息の根が止まる寸前までは、応援の言葉だけにして、内乱一歩手前、もしくは内乱の兆しが出る寸前まで弱体化させ、最後の最後、死に体となった北朝鮮をスプーンですくうように飲み込む算段であろう。

その証拠に、中国は朝鮮戦争70周年を機に、「抗米援朝」というスローガンを大々的に宣伝しているのである。あなた(北朝鮮)を応援していますよ、と援護の姿勢を示し、北朝鮮の気持ちが切れないように繋ぎ止め、北朝鮮が内部崩壊した時点で軍事介入し、乗っ取ろうとしているのではないかとさえ思える。

中国はあなたを捨てませんよというメッセージは、米国との交渉を阻み、日本の援助の受け入れを断念させる効果を生んでいる。拉致被害者を返すだけで日本は莫大な援助ができるのに北朝鮮はバカである。

ただ、一方的に愛されている韓国にだけは、援助が欲しいというメッセージをこめてすり寄った発言をしている。

そんな中にあっても巨大なICBMなどで派手な演出だけは怠らない。中身は空ではないかという疑いもあるが一応軍事パレードの面目だけは保った。

北朝鮮、どこまでも中国、ロシア大国の狭間で利用されるはかない運命でしかない。

何故、気がつかないのだろう。
日本と真から友好につき合えば本当の楽園があるのに、「餓鬼」はどこまでも「餓鬼道」を望むようだ。

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Posted by 秀木石