モンスターの証明

スポーツ,世界,日本,雑記

Vol.1-11.3-294    モンスターの証明
2020.11.3

さすがモンスター、本場ラスベガスで、正しくモンスターを証明した。

米国ラスベガスのMGMグランドの特別施設「ザ・バブル」。
WBO同級1位のジェイソン・マロニー(豪州)と無観客試合で対戦、7回2分59秒、KO勝利で両タイトルの防衛に成功した。

海外メディアも井上のラスベガス衝撃デビューを大絶賛した。

本場ラスベガスで、メインイベントを軽量級のボクサーが務めるというのはまれである。それほど井上への期待が大きかったこともあり正直ホッとした。

無観客の中でやる試合というものはどんな感じであろうか。鍛え抜かれた男がこぶしで殴り合うのである。雑音ともいえる怒号と歓声という麻酔を吸い、恐怖と殺気を興奮という麻薬で消し、尋常でない自分に変えてこそ闘えるのではないかと思うのだが。

かなりの音響効果で観客の雑音を演出しボクサーのファイトをサポートしていたようだがやはりリアルな興奮を再現することは不可能だ。

しかし、2人のボクサーにとってファイト環境は五分五分である。どちらが、高揚させた精神を維持し試合に集中できるかも今回のボクシングの見どころでもあったのではないか。

しかし、そんな不安は第1ラウンドで吹っ飛んだ。井上尚弥は強かった。間違いなくモンスターに恥じない試合をした。本場のファンも納得したのではないか。

対戦相手はジェーソン・モロニー(オーストラリア)、23戦21勝(18KO)2敗。KO負けがなかった挑戦者を右カウンターでマットに沈めたのだ。

元選手のティモシーブラットリー(米国)は自身が対戦したスター選手パッキャオを彷彿させると改めてそのパワーを絶賛した。

<海外の反応である>
◆アラムCEO:
「ザ・モンスターはスペシャルなファイター。長い間、あのような若いファイターを目にすることはなかった」。

◆ラスベガス・レビュージャーナル紙:
「マロニーは痛い思いをして学んだ。バンタム級統一王者の井上は評判通りに素晴らしかった。もしくはそれよりさらに良かった」

「27歳の井上はアグレッシブさ、獲物を追うスタイル、残忍でノックアウトを奪うパワーで『ザ・モンスター』の異名を持つ。なぜ、そう呼ばれるのか、を(マロニー戦で)容易に見て取ることができた」。

◆CBSスポーツ :
「井上がマロニーをラスベガスで7回に高速ノックアウト」。
「『ザ・モンスター』がマロニーを簡単に扱い、なぜ彼がパウンド・フォー・パウンドのトップ選手の1人なのかを示した」。

◆マロニーの地元、豪州のオンラインメディア :
「劣勢の豪州選手が『モンスター級の』ワンパンチによるノックアウトで破壊される」。

「世界で最高のパウンド・フォー・パウンド選手の1人である井上が、魅惑のスピードとパワーでマロニーをバラバラにした」

「マロニーはプレスをかけられ次々にパンチを決めるチャンピオンを相手に何ら答えを見つけ出すことができなかった」と、歴然とした力の差があったことを伝えた。

今回、海外メディアの報道にネガティブなものは一切ない。称賛の嵐といってもいい。井上のラスベガスデビューは大成功だった。

次の井上の試合は4月に新型コロナの感染拡大の影響で流れたWBO世界同級王者のジョンリエル・カシメロとの3団体統一戦となる可能性が高い。井上と同じく今月世界戦を闘い、3回TKOで勝利している強敵である。

ジジイは今回の試合中、前回の試合で痛めた目が気になっていたが、なんの影響もなかったのであろうか、ちょっと気になっていた。

さあ、来年4月だ。本物のモンスターになる決定的試合になる。万全な体調で迎えてほしい。

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