混迷の米大統領選

世界,日本,雑記

Vol.1-11.6-297   混迷の米大統領選
2020.11.6

米大統領選が11月3日に投票は終わった。

残るは結果である。しかし、どうも数ヶ月かかるような雲行きである。原因は、郵便投票の開票と期日前投票合わせて約1億の票の開票作業の遅れである。

アメリカらしいと思うのは、この時点において既に両候補はお互いに勝利宣言をしている。

トランプ氏は完全なる勝利を宣言している。さらに、郵便投票の不正を匂わせ法廷闘争に持ち込もうとしている、さらには一部の地域の開票の再集計も目論む。

一方、バイデン候補は勝利を確実にしたとは言うものの、すべての票の開票を待つ姿勢を示し、トランプ氏に比べれば冷静な対応ではある。

民主主義が行き渡った国でどうしてこんな混乱に陥るのか、日本の整然とした選挙システムからするとなかなか理解に苦しむところである。

一つには州政府の権限が強い事であろう。郵便投票にしてもすべてが州毎に法律が違う。ITの先端を行くアメリカが、こと選挙においては意外であるがデジタル化が進まない。

それにはお祭りというイメージからきているのではないか。オリンピックと同じ、まるで4年に一度、「大統領選祭り」のような騒ぎがなければアメリカがアメリカたる所以をなくすかのように、アメリカ人が最も熱くなれる1年なのである。こればかりはデジタルになじまない。

さて、世界を巻き込んだ大統領選、アメリカはどうなる!!世界は戦々恐々としている。

果たして各国は
<ロシア>
ロシアとの関係は冷え切っている。どちらが勝とうが直ちに関係改善は見込めないと静観状態。

<欧州>
ヨーロッパにとってアメリカは重要な国である。どちらになっても歩調をある程度合わせなくてはならない相手だ。ただ、混乱が長く続くことに警戒感があるが、その混乱にも備えなければならないという難しい立場にある。

<中国>
どちらになっても対中強硬姿勢は変わらないと見ている。
ただ、トランプ氏の国際組織を重要視しない姿勢は中国にとって付け込みやすい相手だ。一方バイデン氏の欧州同盟国との連携強化は脅威だ。ただし、構えとしてはロシアと同じ静観だ。

<台湾>
台湾はどっちの候補がいいという態度はとれない。中国との対峙に米国なしでは考えられないからである。武器供与、経済の紐帯強化共に深化させなければならない重要国だ。

<韓国>
北朝鮮との融和推進を目論む文在寅大統領にとって、トランプ氏のトップダウン方式の方が金正恩委員長に合っているという見方だ。
バイデン氏のようにボトムアップ方式に金正恩氏は拒否感があるという。バイデン氏になれば1年半の任期中に何らかの結論を出すには難しくなるだろう。

<中東>
サウジ=トランプ、イラン=バイデンという見方がある。
バイデン氏になれば逆転の可能性がある。ただ、中東情勢は複雑である。どっちに転んでも中東情勢が沈静化することはない。との見方が妥当か。

<日本>
アメリカは同盟国である。防衛、経済、あらゆる面でアメリカとの紐帯強化によって、自由民主主義、法の支配、価値観の共有の中で、前総理の安倍氏同様世界のリーダーシップをとる立場を堅持しなくてはならない。

いずれにしてもどのような不快なドラマ展開されようと、最後はアメリカが世界のトップリーダーとして団結した力強い姿を見せなくてはならない。

でなければ世界はカオス状態に陥る。
アメリカの民主主義を信じるしかない。

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