台湾考-3

雑記

Vol.1-09 台湾考-3
2020.01.23

台湾と言えば決して忘れてはいけないことがある。

あの東日本大震災である。
世界で最も多くの義捐金を送ってくれた台湾のことは忘れることができない。

九州ほどの小国で、人口23百万人、経済規模は日本の1/8である。平均年収は日本の約半分という。

公式な外交関係を持たない台湾が差し出してくれた義捐金総額は250億円。破格である。国民一人あたりで換算すれば1000万を超える。
お金の額で善意をはかることはできないが、親日、愛日を超えた誠実で熱い思いを感じる。

ありがとうの一言ですませることはできない。

その台湾に対し、大震災1周年追悼式典で台湾代表を外国政府代表として遇さず、献花すら一般参加者と同じ扱いとしたのにはジジイもトサカに血が上った。当時は民主党政権・野田首相だったが、世界の中にこんな国があるのか?と信じられなかった。我が国ながら「こんな国つぶれろ!」と思った。非礼にも程がある。

台湾の国民が血の出るような思いで出した義捐金がまるで紙屑でももらったような扱いに、ジジイは悔しくて、悔しくて、悲しくてどうしようもなかった。
ああ、思い出しても腹が立つ。

しかし、そんな破格の義捐金をどうして台湾がと思う日本国民も多いのではないだろうか。

日清戦争後、日本は50年近く台湾を統治した。
その統治の一端を記した「台湾人と日本精神」(著者:蔡焜燦-小学館文庫)という文庫本がある。

著者の蔡さんは実業家であるが、司馬遼太郎氏の「台湾紀行」執筆につき案内役を務めた人物である。
親日家と言われるが本人は愛日家だと言っておられたそうである。

蔡さんは戦時中、日本の「岐阜陸軍航空整備学校」に在籍されていたこともあり愛日家として日本と台湾の懸け橋になって来られた方である。残念ながら平成27年に90歳で亡くなられた。

その本には、日本統治時代が詳しく書かれている。
台湾に命を埋めた後藤新平、水利技師として台湾に命を捧げた八田與一らの甚大なる功績も記されている。
特に第2章「台湾近代化の礎を築いた日本統治時代」に詳しいが、涙なしには読めない。

立派だった先人達の功績がもっと語られていい、未だ戦時の日本を悪く言う人がいる。自分の国の悪口はもういい。
戦後の偏向教育のせいであろう。
アメリカ統治7年間に行われた徹底した¨日本悪者洗脳¨未だその洗脳は続いている。しかし今はアメリカへの怒りよりも、独立後も日本の日本人のあるべき姿に戻そうとしなかった日本人が悲しい。

当時の軍人は、この本に書かれているように規律正しく、情熱と誠実に満ちた人物が日本軍人の本当の姿だったと思う。フィリピン・ルバング島で30年ぶりに救出された小野田寛郎元少尉を見れば明らかだ。その言動、立ち振る舞いは誠実、規律、愛国心を具現化したような立派な軍人だった。

台湾のために、台湾人のために命を捧げた軍人との50年でなければ、台湾を見捨てた日本に台湾人と台湾人の血税から出された莫大な義捐金の説明ができない。

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Posted by 秀木石