アグネス・チョウの闘い

世界,日本,雑記

Vol.1-11.2-317  アグネス・チョウ(周庭)の闘い
2020.11.25

ついに3人が逮捕収監された。

香港の西九竜裁判所は11月23日、デモ扇動罪に問われた民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)(23)と黄之鋒(24)、林朗彦氏(26)の若者3人を逮捕し即日収監した。

量刑は12月2日に言い渡される。

3人の罪は、昨年6月、犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対するため、デモをよびかけるなどして、警察本部を包囲したということだ。

中国共産党にとって罪状は何だってかまわなない。中国共産党のに対する不満分子は徹底的に取り締まり、収監、量刑も思うままである。

自由主義社会のように3権分立があるわけでもない。裁判所が独立した公正な判断をするところでもない。裁判所と言う名を借りた、中国共産党の収監部と考えた方かいい。共産党が思うままに操れる人質監獄である。

場合によっては、交渉のカードにもなり得る。

この3人の収監のニュースを見て、中国の「芙蓉鎮」と言う映画を思い出した。今から34年前の映画だが、主演の「リウ・シャオチン」がアグネス・チョウ氏と、演じた年頃が似ており、映画で起こった悲劇と重なった。

芙蓉鎮は毛沢東の文化大革命下の悲劇である。

表面上は「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」という文化の改革運動だったが、実際は権力闘争。

共産党に対する不満分子の粛清と、資本主義者の抹殺。更には過去の文化をも抹殺し、毛沢東が推し進める社会主義文化の実現である。

映画は「米豆腐店」を営む夫婦に、共産党が敵とする資本主義者のレッテルを貼り、有無を言わせず夫を逮捕し収監してしまう。

繁盛して順風満帆だったが、嫉妬から発した密告であった。ある日突然夫を収監され、一人残された身重の妻が必死で生き抜くという物語だった。

リウ・シャオチン氏とアグネス・チョウの容貌や、凛とした表情がどことなく重なった。

芙蓉鎮は結果的に刑を終え夫婦は再会を果たせる。そこは映画である。しかし豆腐屋を再開し繁盛を取り戻したかに見えるが、笑みの中にある暗い影は何を語るのか。わずかに中国の未来を予知させるエンディングである。

果たして今回のアグネス・チョウ氏と黄之鋒氏、林朗彦氏、若者3人の運命も決して明るいものではない。

アグネス・チョウ氏が収監の前日「人生で初めて監獄に入る。覚悟ができているが、少し怖い」とフェイスブックに綴ったのが気になる。

現実起きている問題は過去の文化大革命よりも、ある意味深刻である。

すでに隣接国家を巻き込んだ人権弾圧が行われている。自由主義陣営の批判をものともせず、軍拡、経済拡大への猛進は宇宙をも視野に入れる力の入れようである。

弱小国には金でものを言い。自由主義陣営には14億の経済規模の甘い汁をちらつかせ、ただただ1000年の夢を実現するために周囲の雑音などモノともしない猪突猛進である。

香港は中国である。その前提において内政問題であって考を変えることなど100%ない。

万が一中国が変わるとすれば、国民の爆発だ。13億の不満分子を熱狂させるカリスマ的英雄の出現を待つしかない。遠い遠い、夢のまた夢のような気がする、、、、。

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