流行語大賞

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Vol.1-12.3-324   流行語大賞
2020.12.3

今年の流行語大賞が “ 3密 ” に決まった。

大賞といっても民間の会社がやっていることなので、どうってことないのだが、その年の世相を表していることは間違いない。

まさしく、新型コロナの年とすれば、その関連語が選ばれるのは当然の結果として至極妥当である。

ジイのようなへそ曲がりはちょっと昔、変な流行語がノミネートされていて、「ちょっとおかしいんじゃないか?」と首をかしげたことがあった。その時に初めて調べてみたら、選考委員をみてなるほどと納得した。

姜尚中(東京大学名誉教授)、鳥越俊太郎氏(ジャーナリスト)、俵万智(歌人)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる(漫画家)等等リベラル人が揃っていた。

その決定方法は、自由国民社の編集部によって選出された30語から50語が候補としてノミネートされ、その中から新語・流行語大賞選考委員会(選考委員7名)によってトップテンと年間大賞が選定される。
としている。一般投票としないのは何か理由があるのだろう。

まあ、民間の雑誌社がやるのだからそう厳格にやる必要もないのだが、15年まで選考委員を務めたジャーナリストの鳥越俊太郎氏が選考基準を暴露してたのは面白かった。

表彰式で発表される「トップ10」のうち「年間大賞」受賞者は式への出席が必須で、出席できない場合は大賞から「外れる」というのだ。15年の「年間大賞」には「トリプルスリー」などが選ばれたが、実は五郎丸歩氏が用事があって来られないので急きょ五郎丸は大賞から外れ、四苦八苦して『トリプルスリー』になったと曝露していた。

因みにここ10年の流行語大賞一覧だが、
• 2019年「ONE TEAM」
• 2018年「そだねー」
• 2017年「インスタ映え」
• 2016年「神ってる」
• 2015年「爆買い」 「トリプルスリー」
• 2014年「ダメよ~ダメダメ」 「集団的自衛権」
• 2013年「今でしょ!」 「お・も・て・な・し」
• 2012年「ワイルドだろぉ」
• 2011年「なでしこジャパン」

「なでしこジャパン」、この快挙は凄かった。これまで一度も勝利していなかった優勝候補のドイツやアメリカを破り、男女、年齢別代表を通じ、日本代表としては初のFIFA主催の世界大会優勝というのだからダントツ1位は文句なしだ。

• 2010年「ゲゲゲの~」
この年、不思議な流行語がベストテンに入っていたのが「無縁社会」だ。
むかし、核家族と言う言葉がはやり、昭和38年(1963)には流行語になった。結婚を機に親から離れて生活する形態が増えとことも一因だが、大家族から個々の生活への転換であった。

それでは現代の無縁社会とは、若者の意識の変化、地縁血縁社会の崩壊、個人情報保護法によるプライバシー保護の厳格化、家族や社会とのコミュニケーションが希薄化し社会と孤立していくという恐ろしい社会を言っている。流行語に入るほど深刻さを世間は共有していたと思えないが、選考委員が意識的に問題提起したのではないかと推測する。

• 2009年「政権交代」
• 2008「アラフォー」

2008年、最もこの選考委員ならではと感じたのは、共産党員作家・小林多喜二の「蟹工船」がベストテンに入ったことである。
プロレタリア文学の代表作とされる小林多喜二の小説である。蟹工船にて酷使される貧しい労働者達が群像として描かれている点が特徴的である。

戦前の無権利な職場で酷使されながら、負けずにたたかう労働者群像が、最近の格差・ワーキングプアなどの現代日本の社会問題と重なり、ブームとなったことを受賞理由としているが、この流行語こそ、選考委員の強い意志を感じる。
 
まあ、流行語だ、世相を反映する言葉だと思って肩ひじを張らず過去の大賞をみていくとその当時を思い出して懐かしい。ただ、全くわからない、流行語?って思うものもある。

ちょっと懐かしくさかのぼると、
◆2007「どげんかせんといかん」◆2006:「イナバウアー」「品格」◆2005「小泉劇場」「想定内」◆2004「チョー気持ちいい」「気合いだー!」「サプライズ」「自己責任」「新規参入」「セカチュー」「中二階」「残念!」「負け犬」「冬ソナ」◆2003「毒まんじゅう」「なんでだろう~」「マニフェスト」◆2002「タマちゃん」「W杯」◆2001「米百俵」「聖域なき改革」「恐れず怯まず捉われず」「骨太の方針」「ワイドショー内閣」「改革の痛み」◆2000「おっはー」「IT革命」◆1999「雑草魂」「ブッチホン」「リベンジ」◆1998「ハマの大魔神」「凡人・軍人・変人」「だっちゅーの」◆1997「失楽園」◆1996「自分で自分をほめたい」◆1994「すったもんだがありました」「同情するならカネをくれ」◆1993「Jリーグ」◆1992「きんさん・ぎんさん」◆1991「・・・じゃあ~りませんか」◆1990ファジィ◆1989セクシャル・ハラスメント◆1988ペレストロイカ◆1987マルサ

そっか~、「セクハラ」という言葉が世間で使われるようになったのは昭和が終わった年。世の中、そのあたりから個人情報だなんだかんだギスギスしてきたように思う。

個人の権利が過度に保護され、災害ですら被災者の氏名が公表されなかったり、病院に見舞いのために問い合わせても入院の事実さえ確認できない始末となった。

ただ、今となっては皮肉にも国内問題ではなく隣国中国が世界の個人情報を収集、思うままに動かそうとする動きから、個人情報保護が必要になってしまった。

ところで今年のベストテン、<愛の不時着・あつ森・アベノマスク・アマビエ・オンライン・鬼滅の刃・Go to キャンペーン・ソロキャンプ・フワちゃん>だ。

姜尚中様、毎日ニュースで流れる「武漢ウイルス」が何故入らなかったのですか?せめて「COVID-19」をあるいは「人権弾圧」をベストテンに入れる勇気があってもよかったのではござんせんか。

ジイには「愛の不時着・あつ森・アマビエ・オンライン・ソロキャンプ・フワちゃん」など全くわからない。

最低限「ニュースとなった」程度の基準を設けてはいかがでしょうか。

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