進歩的政治家の危険臭
Vol.1-12.14-335 進歩的政治家の危険臭
2020.12.14
一般的に、革新的考え方の文化人を進歩的文化人と呼ぶようだ。自民党・野田聖子氏の「選択的夫婦別姓」推進論を読むと、まさに進歩的文化人という範疇に入るのではないかと思う。
野田氏は「選択的夫婦別姓」導入に積極的に賛成を表明する政治家の一人であるが、過去の政治人生を見てみるともともと保守系でなく革新的考えの持ち主である。
ご自分の手記でも公表されているように、福島瑞穂・社民党党首と同じ事実婚をし、出産後に正式に結婚をされている。入籍を機に野田姓としたと言うことだが、その理由を過去の記事では「跡取り娘で名字を維持するため」といっているが、2020.12.13日付けの新聞では「有権者に浸透した姓を変えることは難しく夫に対して心苦しい」と釈明している。
そんな過去からも「選択的夫婦別姓」導入に積極的だということが理解できる。
ご自分の生きてきた人生がこの問題を身近にしている言うことだと思うが、野田氏の選択的夫婦別姓導入賛成の理由をみてみると、
(1)結婚後も仕事を続ける女性が増え、提言から四半世紀を経て姓を変えることによる不便さや、抵抗感が顕在化したように思う。
※「顕在化したように思う」というように、思っているだけで「顕在化しいる」と断定しないのは何故か、顕在化するほど困っている人がいないということだ。
(2)姓を変えたくない理由から事実婚で暮らす夫婦もいるが、法律婚にはない不利益も多い。
※自分の経験から「事実婚」は不利益が多いから変えてほしい、という個人の経験からの発想だが、そうであれば同じような人が世の中にどれほどいるか、調査し実態を解明するほどの意欲を示したらいい。自分が思うようにいかなかったから他の人も多くいるだろうといういい加減な発想で、極めて重大な法律改正を目論むなどとんでもない。
(3)夫婦別姓にすると「家族の絆が壊れる」と危惧するが、個人の人権を尊重する先進国の発想ではない。
※「家族の絆など壊れない」というならその実証反論もせず、「個人の人権を尊重する先進国の発想ではない」という意味不明な発言には驚くばかりだ。「先進国の発想?」とは、個人の人権がすべてにおいて優先するということか、その説明も聞きたいものだ。
(4)旧姓の通称使用の拡充を求める意見もあるが、問題のすり替えであり、夫婦別姓を認める国際社会では通用しない。
※国際社会で活躍する、高倉健、真田広之、菊地凛子、浅野忠信氏等はすべて通称(芸名)である。彼らから不便で仕方ないと言う話は寡聞にして聞かない。
夫である参議院議員・鶴保庸介氏もご経歴を拝見するとなかなか進歩的な人生を歩んでおられるようだ。まさに野田夫妻は理想のご夫婦と言えそうだ。
政治家・野田卯一(自民党)という立派な祖父をお持ちだからと言って自民党にとどまる必要など何もないのではないか。野田聖子氏の考えはどちらかといえば、社民党か立憲民主党に近いような気がする。
進歩的・革新的思想をお持ちのようだから革新野党で思う存分に羽ばたかれた方がいい。
女性重視もいいが、保守政党が保守思想にぐらついているようでは心もとない。若い政治家の何かと言えば「国際化」や「グローバル」などといういかにも進んだ考えのような言動に、浮き足立つことのないようにしなければならない。
安倍総理の退陣後、菅総理の改革、改革の音頭に紛れるように火をつけたのが、「選択的夫婦別姓」と皇室典範改正につながる「皇位継承問題」である。
危険な兆候である。