香港が香港でなくなる日

世界 日本 雑記

Vol.2-1.5-357    香港が香港でなくなる日
2021.1.5

2020年6月30日に施行された「香港国家安全維持法」によって香港の自由は完全に奪われた。

一気呵成とはまさにこのこと、有無を言わせず反対勢力を潰した。

最初に標的にされたのは若者のグループだった。
若者の運動を牽引してきた民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)・黄之鋒(ジョシュア・ウォン)・林朗彦(アイヴァン・ラム)の三氏に課したのは禁固刑であった。罪状はデモ扇動罪である。執行猶予の付かない実刑判決であった。

それぞれ1年前後の禁固刑で、一見軽いように見えるがそうではない。まさに75年前の東京裁判さながらの裁判である。彼らの罪状となったデモ扇動罪は、「香港国家安全維持法」が施行される前の事件である。当時なかった法律をにわか仕立てで作り裁くという、まさに事後法で裁いた悪名高い東京裁判の二の前を演じたのである。

事後法で裁けるのであれば、時の政権は気に入らない人間がいれば、その人間をしょっ引くための法律を作って、過去の罪を今できた法律で裁いて刑務所に入れるということが出来る。ということだ。

とんでもないことを、事も無げにやってしまう国。地球上では東京裁判でのアメリカと現在の中国でしかない。

その意味において若者に適用された罪状は重罪に匹敵する。

黄之鋒氏ら男二人は冷静に「後悔はしていない」「もう頑張って耐えて行く」と冷静に語ったが、やはり女性である、周庭氏は涙が止まらなかった。

次に標的にされたのが、メディアである。
香港のメディア企業「ネクスト・デジタル」の創業者、ジミー・ライ氏だ。「リンゴ日報」と呼ばれる新聞で一貫して中国を批判してきた。

罪状は、理解し難い罪で逮捕起訴。これからどんな判決が出されるか注目されるとことだが、メディア界への「見せしめ」を十分意識したものとなるであろう。
すでにジミー氏の逮捕を我が身に置きかえ、自主規制への動きがでているという。効果てきめんである。

残る標的は議会だ。香港の民主派議員を一掃してしまうことである。
すでに香港の国会にあたる立法会で、訴訟を経ずに立法会議員の資格を剥奪できる決議を採択し、突然民主派議員の資格を剥奪したのである。有無を言わせないやり方で民主派は集団辞職に追いやられた。

何でもありの中国・香港。立法会は親中派で占められることになった

昨年、2020年に行う立法会の選挙が突然2021年に延期された。当時は民主派の勢いが強く、万が一民主派が過半数を占めることを懸念した中国はコロナを理由に選挙を延期したのである。

アメリカ大統領選挙の最中、トランプ大統領が動けない内にやれることはやったという感じであろうか。

2021年立法会選挙で親中派で議会が占めることになれば、規模が小さいだけで中国本土の「全人代」と全く変わらない国会が香港に生まれることとなる。香港の自由が完全に消滅する日である。

中国は今、民主派が息を吹き返さないように、「中華民族の偉大なる復興」を旗印に国威高揚を図っている。韓国が反日で盛り上がる様に、戦意高揚のための目的を置くのである。

そのために
1、鄧小平氏は一国二制度を主導した弱腰外交と批判。強い外交が必要。
2、米中貿易戦争で米国にやられている、頑張って勝たなければならない
3、モンゴル語教育を中止させ中国語の教育で中国化をさらにすすめ国土強化を図る

尖閣諸島奪還も国威高揚には大きな材料である。オーストラリアとの対立も国威高揚に利用される。何事も国家意識を盛り上げるものであれば何でも利用するということだ。

しかし、水面下に追いやられた不満のマグマはそれなりに大きさを増している。爆発する可能性は無きにしもあらずだ。

バイデンアメリカ大統領の出方次第だが、香港の生死を占う、緊張の2021年が始まった。