人を知ること思うこと
Vol.2-1.8-360 人を知ること思うこと
2021.1.8
ラジオというのは実に便利なものである。
最近は仕事の関係で車に乗ることが多くなった。自然ラジオにスイッチが入る。午後、仕事も一段落した帰り道、思わね情報を得た。
現在は「介護コンサルタント」という高橋さんの話だった。
そもそもジイは介護と介助の違いすら認識していなかったが、介助とは字の如く、入浴、排せつなど、、、ああ、大変だ~と想像する。その通りなのであるが、よくよく聞くと、今の介護保険制度からすれば、介助は専門家に、介護は身近な人と介護士さんと協力して、チームワークという考えだ。
このコンサルタントの高橋さん。自分の親を介護した経験から多くのことを学んだという。初めて介護と直面はまるで、知らない国にきた戸惑いから始まったとおっしゃる
介護は突然やってくる。何の知識も、事前準備もないまま暗闇の中へ飛び込むようなものだ。
会社を退職 → 収入減 → 負担増 → とまどい → 抱え込んで悩む。
このパターンで落ち込む人がかなり多い現実を、自分の経験を通して知った高橋さん。何とかしたいと独立、講演や出版を通して介護者の力になりたいと奮闘中である。
会社の福利厚生の一環としての講演もこなす。社員が突然その場面と対峙した時、退職しなくて済む場合もある。ということも事前にいろんな知識を得ることで回避できるチャンスもあるとして講演を行っている。
いくつかの興味ある話は実に参考になった。
先ほどの話ではないが、介護と介助の違いだ。介護保険には専門家による介助が利用できる。そのことを知るだけでも大きなことだ。
あなたは親のことをどれだけ知っていますか?と問われた時、いくつ答えられますか?
・両親の誕生日 ・身長 ・体重 ・血液型 ・飲んでる薬 ・血圧は? ・アレルギー ・暑がり? ・寒がり? ・性格 ・好きな髪型 ・好きな色 ・好きな色 ・好きな歌手 ・好きな歌 ・好きな映画 ・好きな食べ物 ・趣味 ・親しい友人 ・よく話す昔の話 ・旅行の思い出 ・幼いころの話 ・好きな本 ・好きな作家 ・結婚 ・出会い ・学生友達・・・・数えればもっとあるかもしれない。
介護に直面した時、医者や介護士から聞かれるのが最初のいくつかだ。
私たちはその時、ハタと気が付く。知ってるようで知らなかったことの多いことを。
元気な人でも、落ち込んだ時、楽しかった時のことを思い出したり、好きな音楽を聴いたり、好きなものを食べたり、親しい友人と話したりすれば気が晴れることがある。
認知症や介護が必要になった年寄りに最も効果があるのが、好きな物への回帰である。
「今日はちょっと調子悪いようです」と介護士に言われた時。好きな果物や食事が出てくればちょっと元気になる。ことはある。
或いは好きな音楽を流して上げる。・・・・その情報を介護士さんに共有してもらう。これが家族の介護の大きな役割だという。自分だけで介護を抱え込むのではなく、介護スタッフと一緒にケアするという姿勢。でちょっとは楽になる。
そのために、多くの情報を介護士さんに伝えることが重要だと、そのためには誰でも見られるようにノートに書いて置いておくとを高橋さんは進めている。
介護を考えるとは、その人のことを知るにつながる。
お雑煮が好きといわれて普通にお雑煮をだすのではなく、その人が好きだった“ 我が家のレシピ ”で作ったお雑煮でなければ本当に喜んでもらえない。シンプルに薄味に小松菜と鰹節だけ、とか。いつも食べている雑煮が、入居している介護施設で出てきたとしたら、、、と思うとその喜びようが目に浮かぶではないか。
今日お伺いしたお家。89歳のご主人が、ぽつりともらした一言を聞き流してしまった。
「家のやつが、昨年入院して、今コロナでまったく会えないんだな、、、最近ちょっと悪いんで、、、」と心配そうに話された。
その時は、「ご心配ですね」と軽く聞き流してしまったが、帰りにこの話を聞いて、何か力になれないかと考えた。次お伺いするまでお元気であればいいが、と思った次第である。