刺青とタトゥー

スポーツ,日本,雑記

Vol.2-1.11-363     刺青とタトゥー
2021.1.11

2020年大晦日、史上最高の日本人対決!!『4階級王者 井岡一翔 vs 3階級王者 田中恒成WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ』が行わるれのを楽しみにカレンダーに予定を入れた。

格闘技にはK1、キックボクシング、プロレスなどいろいろあるが、ジイはボクシングが一番好きだ。かといって最近は井上尚弥しか見ないが。

ただ、井岡については童顔にしてシャープな動きで相手を仕留めるイメージが残っていて、期待を込めその成長を楽しみにしていた。

しかし大きくなるにつけ大人として成長するかと思いきや、若者特有の意気がる部分が強く出て「スマートで強い」という、今までのボクサーになかったスタイルが崩れてきたのを感じ、失望しつつあった。

それは、前回のタイトル戦から少し感じていたが、年末の世界スーパーフライ級タイトルマッチで失望となった。

頭といい、入れ墨といい、一人の人間とし成長する段階で何かを勘違いしているのでは、と思えた。プロスポーツである、勝てばいいという考えもあろうが、人間性を含めてファンは納得して勝利に酔いたいものだ。

ファンが自分にどんなチャンピオンになって欲しいのか、あるいはどんなチャンピオンを目指すべきなのか、そんな考えすらなくただ自分流だけを貫いたということだろう。

試合前に、実力差の部分を問われ、「本質的にすべて。レベル、格が違う」と言い放ち。8回1分35秒、TKO勝ちで、プライドを示した。

日本人の世界戦最多勝利を17に伸ばし強さを見せ、日本人2人目の4階級制覇。
試合後も「男として結果で証明できた。有言実行できてよかった」と胸を張った。勝負の世界でその気持ちは大切だし立派ではある。

入れ墨の歴史は古い。個体識別から刑罰、犯罪者の識別、ファッション、美容、医療。江戸時代になると博徒や火消、肌を露出する職業人。明治には一時禁止されたが、昭和に入りGHQの占領政策の一環で合法化、復活した。

特にヤクザ映画には入れ墨が多く使用され、ヤクザ=入れ墨が定着したと言われる。
現代でもその影響が強いのか、ヤクザや、意気がる人間が入れ墨を入れるケースが多く、入れ墨=悪い人間が定着した。

昨今ではタトゥーといってファション化されたが、まだまだイメージは良いとは言えない。確かに入れ墨をしている人間で、優しさにあふれた人間に巡り会ったことはない。

外国とは入れ墨の歴史が違うことを認識する必要がある。変えたいのであれば外国を理由にせず、自分の意思で変える努力をしろと言いたい。

 国内のプロボクシングを統括する日本ボクシングコミッションは「入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者」は「試合に出場することができない」というルールを定めている。

ただ、これは入れ墨をしている人間が試合をできないという意味ではなく、入れ墨をしている選手はファンデーションなどを使って入れ墨を “ 消して ” リングに上がるべし― という意味も込めてあって曖昧である。

とはいえ時代は変わり、入れ墨=反社会勢力という式が必ずしも成り立たない時代になりつつある。入れ墨はいまやタトゥーと呼ばれる1つのファッションという考えも確かにあるが、まだまだ日本では定着していない。

昔、入れ墨をした元WBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太氏の話である。

「ルールがあいまいな部分もあるんですけど、入れ墨を入れている選手もJBCのルールに気を遣えば変な話にならないと思う。分からないけど井岡くんとしては『海外では当たり前じゃないか』という感覚があると思うんです。オレもそう思いますけど、ここ日本ですからね。みんなJBCにいろいろサポートしてもらってボクシングができているわけですからJBCも立てなくちゃいけない。自分はそう考えてます」

至極、妥当な意見だ。

しかし新庄剛志氏のような意見もある。

「井岡君のタトゥ-がルール違反??熱い戦いをしてる時、ファンが感動して観てる時にタトゥの事が気になりますか?タトゥ-には興味はないけど、なんだこの日本の古臭い考え〜 考え方をアップデートして行こうぜ」と扇動しつつ、自身の経験を踏まえて「僕も昔 茶髪にして球団、監督から黒にして来いと言われ 髪の色で野球するんですか⁇ って反発していたのを思い出す」とつづっているが、いつも若干ピントがずれるとこが新庄らしい。

同じような意見に京口紘人氏
:見た目だけで判断するのはどうかと 刺青が入ってるけど良い人いっぱい知ってる 人間性を否定してる人は一体なんなのか、、、という意見だが、若干説得力に欠ける。

さすが井上尚弥氏
「タトゥー 刺青が「良い悪い」ではなくJBCのルールに従って試合をするのが今の日本で試合をする上での決まり事。このルールがある以上守らなければね。タトゥー 刺青を入れて試合がしたいのならルール改正に声をあげていくべき。まずはそこから」

顔面刺青の〝元アウトローのカリスマ〟瓜田純士の〝タトゥー問題〟の言及には納得した。

瓜田は「俺が言うのもおこがましいけど、すべてのことには決まりごとがあって、スポーツだったらルール、学校だったら校則、ヤクザだったらしきたり、国だったら憲法や法律がある」

続けて「ルールがあることをわかってやってたら確信犯だし、そんな汗で落ちるようなファンデーションじゃ当然ダメだし、落ちてすみませんでしたって言うならまだしも、俺はこういう思いでタトゥー入れたんだっていうのは何の意味もない」「意味があるのならグローブやシューズで表現できるのにそれをタトゥーにするってのは単純にかっこつけてる」と苦言を呈した。

終始井岡に批判的な姿勢をとった瓜田だったが、最後は「井岡選手、応援してるんで。頑張ってください。それと年末の試合の髪型は似合ってない。童顔だから黒髪短髪が一番いいよ」と、あの顔面からは想像できないような正当なご意見にはびっくりした。

ジイも「そのとお~り」と幼児が泣き止むと噂のコマーシャルそのままをお届けしたい。

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