内視鏡検査
Vol.2-2.21 404 内視鏡検査
2021.2.21
胃カメラを約2年ぶりに飲んだ。
高齢になったので、そうだ最後の検査にしようかと思い、市の特定健診制度の「胃癌内視鏡検査」に思い切って申し込んだ。
10年ほど前に大腸の内視鏡検査を受けたことがある。その動機が定かでないが、受けた経験のある方はご存知の通り胃の内視鏡検査と違って、半日仕事になる。
何しろ前処置と言って腸管洗浄剤(下剤)を使って大腸をきれいにする必要があるために飲む2リットルもの腸管洗浄剤。それを飲みながらトイレとの往復作業が大変なのだ。
その繰り返しで、いずれお尻から出るものが透明になる。その透明度を先生に見てもらってOKとなってやっと本検査にはいれるというわけだ。
しかし、よく考えてみれば、何日も出ないご婦人。この2リットルの腸管洗浄剤をいただいて、自分で腸内洗浄もいいのではないかと思うがいかがであろうか。
余談はさておき、
ジイの経験を振り返れば、お尻からだから、寝てればすぐ終わるかな程度に思っていた。それがどっこいそうではなかった。
腸の中を特大のサナダ虫が這いあがっていく感覚である。胃と違って腸は長い、途中から気分が悪くなり吐き気を催したのだ。意外だった。口から何も入れてないのにだ。その経験があって、胃の方が楽、という印象が残った。
それに胃カメラは2回目でもあるし特段心配はなかった。
(1)最初に問診を受ける。
ここで一応血圧を測るのだが、びっくり仰天だ。血圧が160を超えた。未だかつてない高血圧。リラックスのつもりが緊張であろうか。でもまあいいかとGO
(2)胃の中のあぶくを消す【消泡剤】なる液体コップ1杯を飲む。
(3)その後に検査時の苦しさを和らげるため3回ほどスプレーを喉に欠けて【咽頭麻酔】をする。
(4)口にマウスピースをくわえ、いよいよ開始だ。
(5)太さ8mm前後、姿かたちはまるで長さ1m以上もある、黒い回虫のようである。頭は自在に動く。いよいよ口から入った。
まあ、こんな手順で進むのだが、のど元を通り抜け胃に入るまでが少々苦しみほどでないが、若干違和感を覚える。
約10分程度で終わったが、十二指腸までの検査だ。
まるで魔術師のように器用に操作して、胃の中を隈なく見る。画像が映し出されているのがほんの少し目に入るが、残念だ首を動かすことができない。
しかし大した世の中になった。
今から、71年前の昭和24年、東大分院のある医師から「患者の胃のなかを写して見るカメラをつくってほしい」という難題がオリンパス光学工業にもちこまれたのがその後の「胃カメラ」の開発の始まりだという。
言葉では言い尽くせない苦難のなかから生まれた試作機は、本体軟性管の先端に撮影レンズがあり、フィルムは白黒で幅6ミリ、手元の操作で豆ランプをフラッシュさせて撮影し、ワイヤーで引っぱってフィルムを巻き上げるものだったらしい。
写真が撮れるようになったのは、「ファイバースコープ付胃カメラ」が登場した昭和39年。昭和50年頃には、胃カメラの時代は終わり、完全に「ファイバースコープ」に取って代わった。
さらに、今の内視鏡は光を伝送する光ファイバーになった。現在の内視鏡は先端部にCCDと呼ばれる超小型カメラを備え、胃の内部を動的かつリアルタイムで観察・記録ができる。映像は高画質なハイビジョンで再生される。
内視鏡でありながら、管が存在しないカプセル内視鏡も生まれている。これは超小型カメラを内蔵したカプセルを口から飲み込むだけで、内視鏡検査ができるというもので、ビタミン剤を飲む感覚で検査を受けるというのだから驚く。
ところで、先生曰く、ジイの胃は、胃酸過多の状態だという。ただ、毎年内視鏡検査を受けていれば、腫瘍ができても内視鏡検査時に切り取れる可能性が高いから、大事にならなくていい。とおっしゃる。
癌になる前に腫瘍おぼしきを切り取る。毎年受けていれば胃癌にはならないということか、ただなあ~、癌は胃癌だけではない。大腸も、すい臓も、肺も、肝臓も、前立腺もある。
それもそうだし、あまり長生きしてもなあ~とも思う。適当なところでおさらばしないと、後が、つかえて、、、え~お時間がよろしいようでとの具合に、舞台を降りた方がいい潮時と言うのもある。
難しいのは、やはり最後の死に方かと考える、がそう思い通りにいかない。
西行のように
“ 願わくは 花の下にて春しなむ その如月の望月の頃 ”
と行くまいかと、風流に思ったりするが、今が、健康であるが故に言える戯れである。
とりあえずひと安心、、、とはいかない。詳細は1ヶ月後、まだ安心はできない。