中国考3
Vol.3-21-67 中国考3
2020.03.21
「異形の大国・中国」という櫻井よし子氏の著書があるが、まさにその異形を再認識したのが今回のウイルス事件である。
今回の新型コロナウイルスは2019年11月に発生していたと思われる。さらに12月には人から人への感染もすでに進行していた可能性が高い。
昨年12月、武漢の眼科医李文亮医師は率先して原因不明の肺炎が発生していることを周囲に注意喚起したが、そのSNSのスクリーンショットが拡散されたことが発端で世間に知られるようになった。
武漢では現地の医師による注意喚起が早くから行われていたという。だが当局は“デマを流布したとして8名を処分した。李文亮医師自身も当局から、デマを拡散した張本人として警察からの連絡で派出所に出向き「訓戒書」に署名をさせられている。
ネットに拡散されてから李文亮医師に注目が集まる中、実名で財新編集部から取材を受けている。
李文亮医師の取材コメントの一部である。
「・・・人々が真相を知ることこそが大切で、自分の汚名を返上することはそれほど重要なことではありません。正義は人々の心の中にあると思います。それから私の医師ライセンスが取り消されたのではないかとも囁かれていますが、事実ではありません。そこははっきりとさせておきたいです!・・・
健全な社会に必要なのは様々な声です。公権力を利用して過度に干渉されるのには同意できません。」
この取材発言からも察せらるように、非常に温厚な医師で、国家に対する革命的意志は見られない。
李文亮医師は治療中自らもコロナウイルスに感染し、2月7日に亡くなっている。34歳の若い医師が突然なくなるという不可解な死であった。
今思えば、11月、又は12月初旬に対策をとっていればこれほどの拡大は防げたのではないかということだ。
閉鎖された社会、重要な情報さえ国家へ知らせることをためらう社会の恐さである。
時すでに遅しだ、1月20日以降、新型コロナウイルスの急速な感染拡大に伴い
3月11日、WHOはあまりにも遅い世界的大流行を指すパンデミック宣言を出すに至る。
その宣言の数日後である。
3月12日、1日で1万3436人の感染者が発生した中国湖北省。中国国家衛生健康委員会は19日、武漢を含む湖北省で感染者はもとより感染が疑われる人の数が18日に「ゼロ」になったと発表した。
現地中国人ですら信用しないことを世界に向けて堂々と発表する度胸というか見え見えの嘘を臆することなく言う。中国の場合、国家の為なら嘘は肯定されるのである。もちろん中国100年の夢実現のためには気にもしないということでもあろう。
2月5日に1万人以上収容できる臨時病院を10日足らずで建設し治療を行ってきたが、3月10日全員が退院したとして閉鎖した。
何百人にも及ぶ看護婦が飛行機に乗ってコロナウイルスを退治したとアピールする映像を流すという中国特有のパフォーマンス。世界に先駆けてコロナウイルスを抑え込んだという国家的PRだが、常識外の映像に全体主義国家中国が浮かび上がる。。
更に、手のすいた医師を欧州への支援をするという異常とも思える中国ウイルス鎮静化の世界発信は、中国の異形を際立たせるものでしかない。
ここに来て「中国ウイルス」あるいは「武漢ウイルス」という呼び名に反発する中国。挙句の果て発生源はアメリカだと開き直る態度には呆れてものも言えない。
我々国民はここで改めて認識しておかなくていけないことは、ウイルスという非生物。自己増殖することがない極微小な感染性の構造体は他生物の細胞を利用して自己を複製させるという恐ろしい性質を持っている。
1980年天然痘が撲滅されが、その後もこのウイルスは日本を除く主要国で培養され研究されているようだ。
そこで、ある研究者の興味ある見解に我々は耳を傾ける必要があるのではないかと思う。
それは、このウイルスの発生原因について話した内容だ。
当初、新型ウイルスは武漢・漢口の市場で売られていた動物が発生源とされたが、「生物研究所のヘビ毒を現場の人間が使用済みの実験動物を焼却せず、換金目的で市場に横流しするなどの行為はあり得る」という。
そのことを含めて、「武漢近郊の研究所で新型ウイルスは実験、研究の途中で、何らかの不手際が発生し、研究所内から外部に漏れたのではないか」と衝撃的な私見を話した。
まあ、中国ならあり得る話だ。
また、米国のCDCの専門家派遣を中国側が拒否した等々、鉄のカーテンは相当重そうだ。
世界では我々の知らない別世界が動いている。平和ボケを脱し現実を見なければならない。
取り分け最も近くにある中国が異形であることを認識しておくべきであろう。