米・バイデン新大統領誕生

世界,日本,雑記

Vol.2-1.22 374    米・バイデン新大統領誕生
2021.1.22

おめでとう!バイデン新大統領誕生に祝意を表したい。

長い1年間の闘いを終え、晴れて、、、とは言い難いが取り合えず新大統領が決まってほっとした。

残念なのはトランプ元大統領が就任式に欠席したことだ。不満はあろうが、最後は潔く新大統領を祝福してほしかった。

しかし、不満となった選挙への疑惑。ことごとく司法で証拠不明で退けられたが、多くの市民には大手マスコミや、政府機関は不当にもほとんど取り上げられないと感じたのが不満の根底にある。

九州大学・施光恒教授の指摘である。
『不正選挙の主張は「陰謀論」にすぎない。と嘲ってしまえば、民主主義は成り立たない。不正があったと考える国民が多数に上る事実をみつめ、国民融和を果たすには超党派的な調査委員会を作り、マスコミも否定するだけでなく、調査報道を行うべきだ。』と指摘しているが的をついている。

確かに「陰謀論」と断定し切り捨てて、疑惑を政府、マスコミが葬り去ったところにアメリカを分断に導いた原因がある。本来はこの病巣を取り除くことこそ融和への糸口である。

ところで、4年前、政治経験のないトランプ氏が大統領に就任した時は大丈夫かと思った。
先ず、就任早々打ち出したのが、
1、TPP離脱
2、4月ににはシリア軍基地攻撃
3、ロシア疑惑でコミーFBI長官を解任
4、地球温暖化対策の「パリ協定」からの離脱
5、エルサレムをイスラエルの首都に認定
6、国防上、中国を「戦略的競争相手」と位置付けた

翌年には
1、対中国に対し、制裁関税を2度発動
2、シリア攻撃
3、イラン核合意から離脱
4、北朝鮮と首脳会談
5、メキシコ国境に壁建設を発表
など、アメリカファーストを旗印に矢継ぎ早に政策を実行してきた。
その決断は剛腕ビジネスマンを彷彿させた。

その内容の良し悪しは別として強いアメリカを印象付けたことは間違いない。幸い、元安倍首相とウマが合ったことが日本には口で言うほど影響はなかった。それよりも安倍首相との親密さが世界を安心もさせ、日本株が上がった功績はあったのではないか。

特に「自由で開かれたインド太平洋構想」を高く評価し、国際基準までに引き上げたことは特筆されていい。

果たして、、、
1月8日アメリカの第46代大統領に民主党のジョー・バイデン氏が就任した。バイデン新大統領は就任演説で「民主主義が勝利した。分断は深く現実のものだが、国民の結束に全霊をささげる」と訴えた。

さらに「共和と民主、地方と都市、保守とリベラルという無意味な争いをやめなければならない。私はすべての国民の大統領になると誓う」と強調した。

またバイデン新大統領は「同盟を修復し、再び世界に関与する」と述べ、国際協調を重視する姿勢も示した。
早速、
1、「パリ協定」に復帰
2、WHO=世界保健機関からの脱退の撤回
3、新型コロナウイルス対策として連邦政府の施設でマスクの着用を義務
4、イスラム教徒が多い国からの入国制限措置を大統領の権限で撤回
を命じる大統領令などに署名した。
その他、メキシコとの国境の壁建設も中止予定のようだ。

心配なのは、中国、ロシア対応である。
中国に対する姿勢は当初から国際規範を守らせる一方で、国際社会の一員として迎え入れるという方針のようだが、「国際規範」とは何を基準とするのか不明である。

ウイグル、チベット、モンゴルなどの人権弾圧はどのような国際規範で対応するのか。あるいは、香港に対する一国二制度の破棄、国際司法裁判所判決の無視も国際規範に反することであろう。

どうも、中国に対してはアメリカ独自ではなく、日本を含めたアジア諸国連帯での対応を視野に入れているようだ。トランプ大統領のように「アメリカはこうする」という明確な路線がない分、世界のリーダーシップを期待するのは難しいかもしれない。

ドイツ・メルケル首相も今年退任を明確にした。世界のリーダーは誰がとるのか、バイデン大統領の協調路線でいくとすれば、中国・ロシアを相手に伍していくのは並大抵ではない。

これからの4年。特に中国は金と軍事力で無法を貫いて来るだろう。あのトランプ氏の時ですら、国際司法裁判所の判決を紙切れとして破り捨てたのだ。

今回、新疆ウイグル自治区でウイグル族ら少数民族に対し、民族虐殺があったとして「ジェノサイド」と認定した。しかし、中国は「認定はただの紙くず」と切り捨てた。

こんな国に、国際規範もあったものではない。温厚なバイデン路線でこの無法者を国際社会の一員に入れることなどできるはずもない。

日本も、呑気にお手並み拝見と、ただ傍観しているわけにはいかない。すでに、尖閣諸島の領海侵犯、日本人を意味不明で拘束、無法裁判で理由なく有罪。カルロスゴーンのように体制批判し「遠吠え」で済ませることはできない。

国際社会は乱世に入ったのではないか。アメリカとの防衛協力は基軸としつつも、日本はアメリカ頼りにできない現実が目前であるとみて間違いない。

いよいよ今年は、本気で、「独立国・日本」としての独自の防衛、経済を考えて行かなくてはならない。その意味で、安倍首相が提唱した「自由で開かれたインド・太平洋構想」は日本が進む路線として大きな礎となった。

この路線を、あらゆる機会を捉え「世界の共通認識」として定着させることが世界を自由民主主義に導く「道しるべ」になるのではないか。その意味で、アメリカのリーダーシップを補完できるのが唯一日本である。そう認識すべきである。

ブログランキング・にほんブログ村へ