日本人の秩序に感銘
Vol.2-3.14-425 日本人の秩序に感銘・東日本大震災10年
2021.3.14
2012年3月2日、東日本大震災1年後の新聞記事である
副題<トモダチ作戦 米兵離日 「再生復興信じる」>
とした記事には日本人の秩序正しい行動に、エリック・ベイ曹長は感動の言葉を残した。
その時の記事である。
『東日本大震災で在日米軍が展開した救援活動「オペレーション・トモダチ」。
投入された約2万4500人隊員らの多くはすでに日本を離れ、本国や世界の駐留地に赴いた。救援任務に当たり、この1年を日本ですごした空軍兵士は「日本人ならまた再生し、復興できると信じている」と語った。
震災直後に孤立した地域や離島をヘリコプターで回り、救援活動を行った米軍嘉手納基地第31救難中隊のエリック・ボー曹長は、今も被災者の礼儀正しい姿が忘れられないという。
「SOS」。上空から見えた文字を頼りに学校の校庭に着陸すると、駆け寄った被災者が頭を下げて出迎えた。離島に取り残された漁師3人を救助したときも同じだった。「大変な思いをしていたはずなのに」。言葉が通じない兵士に感謝の気持ちを伝えようとする姿に心を動かされた。
ボー曹長はパラシュート降下と医療資格を持つ「パラレスキュー」になって16年のエリート隊員。米南部で2千人近い死者・行方不明者を出した2005年の大型ハリケーン「カトリーナ」の被災地にも赴いた。
約100万人が住み慣れた町を離れることになった米国史上最大級の自然災害。「どちらも被災者は同じような状況だったと思うが、日本人は冷静で礼儀正しく、秩序だって行動していた」2つの大災害を比較し、こう振り返った。
未曽有の災害に直面しながら、避難所ではゴミが分別され、被災者自らが周囲を清掃する姿に「協力し合って復興に向けて動き出す日本の姿をみた」。
米兵に温かいスープを差し入れる被災者の姿には「どんな境遇でも他人を思いやる余裕のある日本人に感銘を受けた」とも話した。
在日米軍司令部などによると、日本に駐留する隊員の任期は1~4年。トモダチ作戦に参加した隊員の多くは日本を離れ、第31救難中隊でも、被災地に派遣された20人のうち日本に残るのはボー曹長ら3人だけになった。
日本の復興を信じるボー曹長は力を込めた。
「作戦に参加でき、光栄だ。日本を去っていった仲間もみんな同じ気持ちだ」。』
記事はこう締めくくられている。
この未曽有の大震災に遭った最中ですら「礼儀と秩序ある行動」をとった日本人を世界は賞賛したのである。
これ以上の誇りがあるだろうか。
被災者の方々の示してくれたこの行動こそ決して忘れてはいけない。