保守精神の衰退

日本,雑記

Vol.2-6.8-511   保守精神の衰退
2021.6.8

櫻井よしこ氏の「自民左傾化 危うい兆候」(産経新聞)というコラムを読んで、少々疑問に思っていたことのいくつかが氷解した。

しかし、“ 自民左傾化 ” というが、真の保守精神を有るする自民党議員はいるのかどうかという疑問は残る。

女性重視で、女性に光が当たる機会が増えたが、保守政治家といえる女性議員は山谷 えり子氏と高市早苗氏あたりしか頭に浮かばない。

野田聖子氏は当初から国家観の希薄さと、発する言葉が浮遊しているような軽さを感じたが、それは今も変わらない。ただ、稲田朋美議員はそれなりに評価し期待していたが、弁護士らしからぬ歯切れの悪さ、確固たる信念に欠ける答弁に若干の不安を感じていた。

最近の、夫婦別姓やLGBTに対する考え方などをから、ちょっとおかしな方向に進んでいるなと感じていたが、コラム記事は確信に変えてくれ、不安は的中してしまった。

先ほど言ったように、野田聖子氏は最初から確固たる保守精神のかけらさえ感じなかったので、そのうち本性を現すのではないかと心配していたが、案の定、夫婦別姓やLGBT法案をあらぬ方向に牽引する役目を果たしている。

今回のLGBT法案だが、もともと自民党案として「性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法案」があった。
ところが、稲田朋美氏が党の「性的指向・性自認に関する特命委員会」の委員長に就任したころから内容が徐々に変わってきたと櫻井氏は指摘した。

例えば、
・『性同一性』 → 「性自認」に代わった。
それ以外に野党との合意案として自民党案の
・「性的指向および性同一の多様性を受け入れる精神の涵養」「寛容な社会の実現」が
・「性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」と変更された。

わかったようなわからない話だが、「性自認」とは本人が自分で意識することで、第三者の検証が及ばない事柄である。被害者が「差別」されたと感ずれば差別は認定され、「許されない」ということになって、法律違反となる。

これによって言論弾圧、報道の自由への抑圧につなげようという魂胆がみえる。

櫻井氏は、稲田氏の変節を解く鍵として著書「実子誘拐ビジネスの闇」の中の、「極左の運動家が首相官邸や保守政治家に深く食い込んでいる」との指摘に注目している。

稲田氏は左翼の影響を受けているのほぼ間違いない。

その中には同志として接近を試みる例として森雅子前法相や野田聖子氏の名前があるという。

もう一つの懸念は、左翼運動家と深くつながる国連NGOの存在だ。

この国連NGOはオブザーバーとして国連の種々な委員会に出席し、問題提起することができるそうだ。

国連NGOが問題提起すると、委員会がそれを受けて「勧告」として日本に突きつけるという流れになるのだが、件数が多いため内容を検証されることなく、ほぼそのまま国連NGOの意見が重視されてしまう。

その結果、悪評高い「クマラスワミ報告書」が作成され、慰安婦の実態からかけ離れた「性奴隷」などの表現がそのまま使われ、日本は不本意な勧告を受けることになった。

「国会議員に助成枠を」という稲田氏の主張も、国連勧告に通底するという。

国連勧告と聞けば、正当な権威あるものと思いがちだが、左派勢力が作り上げた、日本おとしめるための入念な作戦の成果である。それを見抜けぬ稲田氏、その程度の人間であるということだ。

櫻井氏は、自民党左傾化の背後に公明党や立憲民主党、国連NGO、日弁連などの強い影響が見てとれると警鐘をならす。

ジイが常々不思議に思うことは、アメリカ民主党などはリベラルであるが反米ではない。日本の左派は世界でも例をみない反日という特異な性質を有する。

国連NGOなどをも浸食する極左の凄さは、気が付かれないように組織に侵入し、根本から変えようとする、まるで癌細胞のような強さとしつこさである。日本転覆を狙う革命スパイといってもいい存在である。

反日色が強い日本共産党と社民党、共産党を水で薄めたような立憲民主党がその中枢にあるが、心配は保守であるべき自民党、特に次世代を担う若手議員、小泉進次郎氏や河野太郎氏から、確固たる国家観がみえないことである。

最大の議員を有す自民党議員から保守精神が消えつつある。日本最大の危機と言えるのではないか。

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Posted by 秀木石