夢を見ているみたい

スポーツ,日本,雑記

Vol.2-6.9-512   夢を見ているみたい
2021.6.9

“ 夢を見ているみたい ”
全米女子オープンで優勝した笹生優花選手の言葉ではない。

6月6日、サンフランシスコで行われたメジャー大会、全米女子オープン最終日、最終ホールを同スコアで並び、プレーオフを畑岡奈沙選手と笹生優花選手という日本勢同士の闘いとなった。

アメリカツアーで賞金女王に輝いたこともある岡本綾子氏はアメリカツアーの厳しさを知りつくしている。その岡本氏が女子最高峰と言われる全米女子オープンで日本勢同士がプレーオフで戦うという現実を見て『ありえないです、夢を見ているみたい』と、解説そっちのけで発した言葉である。

プロスポーツの世界は厳しい。松山英樹選手の時もそうだった。アメリカメジャーに挑戦して10年。勝てずに終わるとすればそれなりの選手だ。でかいことをやりとげた時、永遠に名前が刻まれ、過酷だった日々も一瞬で報われる。

この度の笹生優花選手も全米女子オープン優勝のニュースも世界を驚かせた。まだ、19歳である。

彼女のサクセス・ストーリーも一気に表舞台に出てきた。
日本人の父とフィリピンの母を持つ。ゴルフ好きの父親の影響で8歳からゴルフを始める。2019年日本ツアーのプロテスト合格。2020年にいきなり2勝。日本語はもちろんだが、英語とタガログ語を話す。19歳の可憐な女性である。

しかし、華麗で力強いプレーにはファンが知る由もない過酷な日々の積み重ねがある。

優勝後の特集でほんの少しトレーニングが紹介されていたが、さすがプロを目指す人間の集中力は凄い。

• 両足に250gのおもりをつけてのランニングと自転車
• 80kgのバーベルを持ってスクワット
• ラウンド中も500gのおもりをつけてプレー
• 毎日1時間の素振り

これはほんの一部であろうが、8歳から10年以上続けているという。継続は力なりではあるが、高い目標をもってやりぬく。どんなプロもそれなりに厳しいメニューで鍛えていることは間違いないが、その苦労が必ず実を結ぶとは限らない。

年間シード権が取れなければ自費で現地に飛び、予選から勝ち抜くことを毎回やらなければならない。シード権をとれるのは賞金ランク上位50位まで。

かなり厳しい世界だ。因みに2018年度50位の賞金が2200万円。税金、コーチ料、練習経費など必要経費を引けば50位と言えど決して楽な賞金額ではない。余裕でやれるのは上位30位以内ではないか。

2021年度の女子プロは約1200名。まあまあ楽に生活できるのは4%の世界だ。

好きなゴルフでメシを食うには、ゴルフ場や、練習場でレッスンプロなどをやりながらツア―での勝利を目指さなくてはならない過酷な職業だ。

特にスポーツのように結果がすべての世界は生易しいものではない、

笹生選手もゴルファーになりたいと言った時、父から「厳しいよ」と言われ、それでもやりたいとこの世界に入った。見た目にはカッコいいが上位30人が生きる世界でもある。

プレーオフで惜しくも敗れた畑岡選手にスポットライトが当たることはない。終わった瞬間にその場から静かに消えなければならない。このスポーツという分かりやすいジャッジが明朗であるからこそその一瞬に人は熱狂するのであろう。

メジャーとはまぎれもなく世界の頂点。そこでの優勝である。

礼儀正しいと評される笹生選手、優勝インタビューで涙ながらに
『家族にありがとうといいたい。彼らがいなければ私はここにはいなかった』と感謝を口にした。

まさしく二人三脚で歩いたお父さんは
『こんなに早く勝てて・・・。よかった』と声をつまらせ涙が止まらなかった。

本当におめでとう。

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