香港
Vol.1-15 香港
2020.01.29
香港と聞くと、ブルース・リーを思い出す。
もう45年も前になる。
仕事をさぼって友人と映画を見に行った。「燃えよドラゴン」だ。
強烈な印象を受けたことをいまでも鮮明に覚えている。
その香港。一国二制度が危機的状況にあって、若者を中心に昨年6月以降100万人規模のデモが何度も行われている。
その発端は中国化への圧力が徐々に強まりを見せる中、「逃亡犯条例」が採択されようとしたことで、香港人の不安が爆発した。
※香港人が懸念する逃亡犯条例とは
●中国にとって脅威となる可能性のある人物を犯罪者に仕立て上げ、中国に引き渡すことができるようになる
●中国本土からの政治圧力や批判にさらされ公正を保てなくなる
●香港市民だけでなく滞在中の外国人までもが中国当局の取り締まり対象になる
●香港市民の自由度がどんどんとなくなっていく
ということだ。
150年間もイギリスの植民地であった香港だ、当然のようにほとんどの市民が中国人とは思ってないのが実態だ。
イギリスからは1997年(平成9年)、社会主義政策を将来50年にわたって香港で実施しないことを約束し返還されて22年になる。
従って、中国の中でも「民主主義の独立自治区(一国二制度)」として比較的自由度の高い自治を享受してきた。とはいっても台湾のように市民が直接投票できる選挙までは至っていない。
選挙の方法は有権者のたった6%の選挙委員会のみで決められている。当然だが、中国当局の厳しい監視下で決められる選挙委員は中国当局の息のかかった人間でしかない。
そこで市民による民主的な選挙制度に変えることを提起したのが2014年9月の雨傘運動であった。
雨傘運動を扇動したとして若い2人のリーダーだった黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏と周庭( アグネス・チョウ)氏の2人が逮捕されたことは記憶に新しい。
今回のデモでも主導的役割をはたしたのが「黄之鋒(ウォン・ジーフン)氏」氏と周庭(アグネス・チョウ)氏共に20代の若者だ。顔も隠さず堂々とメディアの取材を受ける2人は危険を承知の上だ。
日本でも連日TV報道やインタビューを受ける画像がながされたので存知の方も多いであろう。
危険を顧みず堂々と取材を受ける姿に自由を勝ち取ることの厳しさや、命を懸けてでも勝ち取ろうとする強い意志を感じる。
庭(アグネス・チョウ)氏は日本語が堪能である。日本アニメが好きで独学で日本語を学んだという。とても流暢な日本語で熱きメッセージ(Twitter)を日本向けに送り続けている。
あの可愛いお嬢さんに明日の命を惜しまない熱い覚悟はどのようにして生まれたのか。
デモや集会は今も続いているのに、メディアの報道が少なくなったのが、気になる。