終りなき朝鮮戦争
Vol.2-9.25-620 終りなき朝鮮戦争
2021.9.25
お隣の国、韓国と北朝鮮がまだ戦争中であると誰が信じよう。
韓国の文大統領は22日、国連総会の一般討論演説で、「朝鮮戦争の当事者が集まって宣言を実現すれば、非核化の不可逆的な進展とともに完全な平和が始まると信じる」と訴え、南北と米国の3カ国、または中国を加えた4カ国で終戦を宣言するよう提案した。
文大統領の北朝鮮統一の夢は相当強いものがある。気持ちはわかるが2国間で決められない戦争なのだ。北朝鮮外務省のイ・テソン副相は談話で「諸般の事実はまだ終戦を宣言する時ではないということを立証している」とし「われわれを取り巻く政治的環境が変わらず、米国の敵対視政策が変わらない限り、終戦を数百回宣言しても何一つ変わらない」と強調した。
韓国、北朝鮮はもとより、中国、ロシア、アメリカの複雑な思惑の中に “ 朝鮮戦争 ” はある。
もっと早い段階というか、北朝鮮が核爆弾を持つ前であればまだ方法があったかもしれないが、核を持った以上、終戦には核廃絶が条件にならざるを得ない。
韓国と北朝鮮は、もともとひとつの国。1910年からは「韓国併合」により日本の統治下となったが、1945年の第二次世界大戦で日本が敗戦し、韓国から撤退した。その後、朝鮮半島の統治に乗り出したのが、連合国側であったソ連とアメリカ。北緯38度線を境に、北側をソ連が、南側をアメリカが占領することになる。それまでひとつの国だった朝鮮民族が、この時、分断されてしまったのだ。
韓国に政治能力があれば独立もできたのであろうが、日本が併合せざるを得ないほどだから、国家としての統治能力に欠けていたということだろう。
その後もアメリカとソ連の対立が続き、その狭間で両国が統一されることなく時間が過ぎていった。
1948年8月15日、初代大統領・李承晩が宣言を行い、38度線より南側に大韓民国が成立。それに対抗するように同年9月9日、ソ連の後ろ盾を得た金日成が北朝鮮の成立を宣言。
これを機に本格的な分断へと至った。
その後、1950年6月25日、北朝鮮が突如北緯38度線を越えて南下を開始したのが朝鮮戦争が始まりだ。
国連の安全保障理事会の停戦要請に応じず、韓国にはアメリカがつき、反対に北朝鮮には中国から大量の戦闘員が流れ込み、戦闘が続いた。
韓国のアメリカ資本主義 VS 北朝鮮のソ連・中国社会主義の代理戦争のようなものでさらにその対立を激化させたということだ。
死者は南北合わせて500万人にものぼるといわれている。街は荒廃し、多くの戦争孤児が出るなど、朝鮮半島は大混乱となった。
約3年にわたって泥沼化した。昭和28年(1953)7月27日に、南北の代表とソ連およびアメリカの代表が会合をおこない、休戦協定が成立。しかし実質的な終戦にはならず現在に至る。
その後、日本がまだアメリカの占領下にあった時代の昭和27年(1952)年1月とんでもないことが起った。
李承晩韓国大統領が突然、国際法に反して一方的に「李承晩ライン」なるものを海の上に引き、同ラインの内側の広大な水域への漁業管轄権を主張したのだ。この時、ライン内に竹島を取り込んだのが竹島問題の始まりだ。
中国が南シナ海上に勝手に引いた九段線と同じである。
この「李承晩ライン」は国際法上認められていないので、竹島は当然日本の島だが、占領時の日本の軍は力を持たず、結局強硬な手段もとれず、さらには島の管理に十分な注意を怠ったこともあり、いつの間にか韓国の上陸を許す結果になってしまった。
ところで “ 朝鮮戦争 ”、中国、ロシアにとってアメリカに取り込まれることになる戦争終結は都合が悪いのだろう。朝鮮半島を自由民主主義の国にしたいアメリカ。トランプ氏も頑張ったが上手くいかなかった。
世界は常に背景として自由民主主義 VS 共産・社会主義の構図にある。朝鮮半島はその縮図である。
戦争が終結し、統一がなされたとすれば、その後の政治体制が世界の大勢となろう。
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