ああ、自衛隊
Vol.2-11.16-672 ああ、自衛隊
2021.11.16
憲法にも明記されず、国民から理解されず、ある時は戦争地域へ派遣され、ある時は大災害の被災地で懸命の救助や復興支援。その仕事ぶりは縦横無尽、ほとんどが命がけの仕事である。
悲しいかな国会議員のバカから、殺人マシン呼ばわりされたこともある。家族の心情を思うといかばかりかと推察する。
日々、日本と日本国民の命を守りながらも、これほどに尊敬の眼差しを受けない防衛組織はない。
どこの国であっても軍隊は尊敬の対称である。なぜなら自分たちを命をかけて守ってくれる存在である。当たり前のことであるが日本だけが違う。
憲法に日本を守る防衛組織としとして確固たる記載がないからである。
今回の衆議院選挙で改憲発議に必要な3分の2を超えた。自民党自身が積極的でないが、やる気のある維新の会の躍進により憲法改正に若干熱が入ればと期待している。
そんな中、京都大学などの研究者によるミリタリー・カルチャー研究会が自衛隊に関するアンケートを実施した。
◆「自衛隊に関心がありますか」
①非常に関心がある・・・10.6%
②ある程度感心がある・・・54%
③あまり関心がない・・・26.7%
④まったく関心がない・・・7.9%
◆関心を持つようになった理由(①と②を対称とした問い)
①自衛隊による災害救助活動に関心がある
②日本の安全保障や防衛政策に関心がある
◆自衛隊そのものを肯定しているか、否定しているか
①肯定している・・・52.3%
②どちらかといえば肯定している・・・28.6%
③どちらともいえない・・・17.2%
④どちらかといえば否定・・・1%
⑤否定・・・0.7%
◆憲法9条について
①憲法9条を変えない・・・21.6%
②憲法9条2項をそのままに、自衛隊の保持その他を書き加える・・・18.3%
③専守防衛に徹する自衛隊を憲法9条に明記する・・・22.3%
④集団的自衛権を行使できる自衛隊を憲法9条に明記する・・・10.5%
⑤憲法9条を削除する・・・3%
⑥わからない・・・23.8%
◆もし、日本が武力紛争にまきこまれた場合、あなたはどう行動すると思うか
①その時になってみないとまったくわからない・・・30.1%
②もっぱら自分自身や家族の安全を考えて行動する・・・25.8%
③政府の指示通りに行動する・・・13.5%
④自衛隊に志願はしないが、自衛隊の作戦を積極的に支援する・・・10.1%
この結果をみて暗澹たる思いになる。
今日のような緊迫した極東情勢は未だかつてなかった。そのことすら実感されてないことが分かる。平和が長く続いたこともあるが、戦後75年、防衛に関し政府の無為・無策は日本国に対する背信行為とさえ思える。
自民党結党来、憲法改正は党是である。その大切なことを時代のせいにして経済だけに集中した。結果的に国民の命を危険に晒す状況を生んでしまった。
戦後、アメリカの占領政策が終了した後、十分改憲の素地もあり、自衛隊を軍隊に改編することもできたはずだ。何故できなかったのか。時の政府が日本人を信じることができなかったのか。再度、軍国主義に戻る恐怖に怯えたのだとしたら、日本人も見くびられたものだ。
4年にも及ぶ激しい戦争。国民は完全に疲弊していた、誰もが2度と戦争はいやだ!と思っていた。平和を希求する中で、最低限国家としての体裁と防衛上における軍隊保持は必要であるとの認識はあったはずだ。
戦争の傷跡がまだ癒えなかった数年は別としても、75年の歳月の放置は怠慢以外の何物でもない。日本人の精神に、国家意識を喪失させ、国防意識をなくし、アンケートを見る限り、国民から「公」という意識すらなくした。
教育において、戦前、戦中時代の日本を「悪」と認識し、日本の歴史の汚点としたことこそ、日本の決定的間違いである。
明治天皇の「教育勅語」の内容を高く評価する外国人は多い。当の日本人が否定する国家が今の日本人である。
アンケートは戦後教育の成果を遺憾なく証明した悲しい日本の現実である。
ここ数年間、極東におけるどんな事態が起きるか想像もできないが、その将来起こり得る衝撃によってしか覚醒できないとすれば甘んじて受けるより仕方ない。
ただ、平和裏に進む歴史であってほしいと願うのみだ。
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