ラジオ
Vol.4-3-80 ラジオ
2020.04.3
浮浪者になって4ヶ月。
当初はすぐ就職は決まると安心していたが、さすが70を過ぎると厳しいということが最近になってようやく分かった。なんとのんきなジジイだ。と外野の声が聞こえる。
最近になってちょっと早く目が覚める日が多い。
ジイは目が覚めると、枕元の携帯ラジオのスイッチを必ず入れる。目覚めは大体がNHK第一放送。ニュース・天気予報が主だが、朝早くは視聴者からのメッセージや健康情報、生き物の話、野菜の話、などなど曜日によって色とりどりでなかなか参考になることも多い。
日が高くなると、FM放送に切り替える。
4か月前までは一応会社員をやっていたので、日中聞くことは少なかったが、土曜日の午前中だけはNHKfmを愛聴している。
午前7:20~9:00 ウィークエンドサンシャイン(海外ロック・ポップス・ジャズetc)
ピーター・バラカン
ジャンルは広いし、何と言ってもピーター・バラカン氏の音楽知識の豊富さと真摯な語り口が心地よい。
バラカン氏が終わると、
午前9:00~11:00 ゴンチチの世界の快適音楽セレクションだ。
快適音楽を求めるギターデュオのゴンチチによる、ノンジャンル・ミュージック番組
二人の掛け合いが面白い。肩の凝らない話題で、漫才の突っ込みと受けのような絶妙で愉快な進行に和む。
この番組から多くの音楽を知った。
もう一つ面白い番組がある。
音楽ではない。音の風景というものだ。
30年以上も続く5分間の音とナレーションのもの紀行番組である。
ある日の放送である。
~上野駅~
先ずナレーションでスタートする。
~ブルートレインの愛称で多くの人に親しまれた寝台特急はやぶさ、ふじなど一日20本以上の列車が全国を駆け巡っていました。とナレーション。・・・列車が蒸気を吐き出す音、駅のザワザワした音とともに・・・運転席の点検作業などの実際の声などが入る。車輪の音、車内放送の実際。・・・まるで自分が運転席の隣に座っている感じだ。
誰かがマイクに向かって話しかけているわけはない。自然に奏でる人の話が、たまたま通りかかった時に聞こえるようにその情景が浮かぶ。
高倉健が好きだった¨生業¨という言葉にふさわしい人間の働く姿や人の息遣いが、現場の姿が生々しく伝わる。・・・・・ガタンゴトン、ガタン、ゴトンと列車が遠のいて行く、放送は静かな余韻を残し終わる。
たった5分の音の風景がジイは好きだ。
そう言えば、昭和初期からラジオだけはどの家庭にもあったような気がする。
断片的に思い出すのは、必ず朝起きるとラジオがついていたことだ。「歌のない歌謡曲」で目が覚めたような気がする。
ニュースではよく「アイゼンハワー大統領、李承晩ライン、池田首相」という単語をよく耳にしたのを断片的に思い出す。
今は手に隠れるほどの小型ラジオ、手軽でどこにも持ち運べ災害時の必須アイテムだ。
最近はネット配信されパソコンで聴くことも、聞き逃しても1週間ほどはパソコンで聴くこともできる便利な世の中になった。
ああ、ラジオよ!出しゃばらず、意気がらずいつどこでも、24時間365に日良く頑張っているなあと思う。
朝早い時間帯では特に視聴者の声が数多く紹介される、ラジオで繋がっている人が実に多いと実感する。
いつの世も愛すべきラジオである。