終わりなき反日

世界,日本,雑記

Vol.2-12.15-701   終わりなき反日
2021.12.15

韓国人の気持ちが全く分からないではない。

日本に併合され、一時的には日本の一部になったのが明治43年から昭和20年の日本敗戦までの35年間。韓国人にとっては屈辱だったかもしれない。

日本側に立てば、欧米の植民地化の恐怖を独立国として防げる力を有していたなら併合の必要がなかったのも事実だ。現に日本は本土以上の予算を韓国につぎ込み、国土強化に力を入れ、欧米の侵略に備えたのも事実である。

キム・ワンソプ氏の「親日派のための弁明」(2002.7草思社)、及び近年の李栄薫氏「反日種族主義」(2019.11文藝春秋)の各書は、韓国人の目で日韓の歴史の真実を解き明かしている。

これらの書にはどちらの立場に偏ることなく、極力過去のデータを駆使しつつ冷静にかつ客観的に歴史を見ようと言う真摯な姿勢に貫かれている。このことには敬意を表したい。

この著者・キム氏は作家、李氏は大学の教授でともに韓国人である。民族主義の強い韓国では真実であっても韓国の主張と相反する著書は有害図書に指定されるのが通例だ。さらに著者の身の安全が保障されないと言う時代が長く続いている。

そんな中、勇気を持って出版した教授たちは、韓国の将来に強い危機意識を抱いたからにほかならない。いつまでも2流国家でいいのか、という危機感である。

日本と同じ自由で民主主義の社会でありながら、日本に対してだけ民族の血が許さないのである。

韓国では今も、こういう図書に対しての攻撃が激しく行われる。過去には一般市民がなかなか手にとれないように「ビニ本」として、「有害図書」に指定し一般人が読めないようにしたこともあった。

来年、3月の大統領選を控え、韓国は今選挙戦たけなわである。
新型コロナウイルスが過去最高の感染者を出すなど混乱、大統領選の混乱、経済の混乱、対日徴用工裁判の迷走と混乱の中にあっても反日だけは健在である。

慰安婦像が設置されて10年になる。この間に設置された像は国外を含め160体に達する。先ほど紹介した2冊の本を読めば、それほどの労力とお金をかけてやる意味をどこにも見い出せない。ポピュリズムを大切にする韓国では国威高揚にはなったかもしれないが、世界に対して韓国の価値が上がったかといえば逆である。

慰安婦国家として定着し、問題国家として評価を落とした方が大きい。アメリカ、ドイツなど韓国人系団体による拡散運動は地域の分断を招くという反発をも受けている。諸外国も眉をひそめこそすれ、ガンバレ!!と拍手を贈るような行為ではない。

韓国の執拗な慰安婦問題と徴用工問題は近年さらに悪化の一途をたどり、今では戦後最悪の関係とまで言われるほどもつれにもつれ、ここ1、2年国家レベルでの意思疎通はない。

韓国司法が日本側被告不在の中で下した日本企業敗訴の決定。資産が差し押さえられ、いずれ売却の手続きがとられる。実行されれば、日本との関係は最悪の事態を招くと日本政府は警告している。

慰安婦像設置10年で右翼団体、左派が集会を開催。「日本政府は謝罪しろ」「反日は病気だ」お互い罵り合いが続いている。

日本政府は過去の反省から「2015年の日韓合意を誠実に実行する」ことにつきるとし、韓国の度重なる事案の蒸し返しに応じる気配は一切ない。

反日運動の中心としてきた「慰安婦像」も10年の節目を迎えた。韓国はこれからも虚構・慰安婦を反日の象徴に据え続けるとすれば、日韓の明日は決して明るいはずはない。韓国が反日にしがみ続ける限り、韓国は日本を凌駕することは不可能であろう。

そこには成長とは逆のベクトルに体力と時間と金がつぎ込まれる。国家成長パワーが反日から生まれるなどあり得ない。永遠に二流国家に甘んじるつもりだろうか。

K-popや映画産業で世界を驚かせているのに、片や国家としてポジティブになれないところに国家としての未成熟さを感じてしまう。

韓国出身の呉善花・拓殖大学教授にいわく、日本人は桜が好きである。韓国の国花は「むくげ」である。桜は華やかで潔く短期間で散る。反面 “ むくげ ” は華やかではないが、長い期間咲き続ける。枝は簡単には折れない。ものすごく粘り強い。だから韓国人は “ むくげ ” が好きだという。

過去の恨みを心に刻んだら最後、めったな事で手放さない。長年苦難の道をあるいたという民族の粘り強さが「恨」の特徴だとし、一度持った「恨」は世代をまたいで引き継がれていく。負のエネルギーが増幅されていく。まさに「恨」には終わりがない。それが韓国人だとWWUK(YouTuber)との対談本の中で語っている。

こんなことを聞くと絶望的になる。

何事も、対日本となると熱狂的敵対意識むき出しになるのは、過去のスポーツ大会をみれば歴然である。

民間では、熱狂的ヨン様ブームが去り、最近は静かな韓流ブームであるようだ。まだまだ、多くの日本人が韓国ドラマに夢中になっている話を聞く。BSも相変わらず韓国ドラマは盛況である。なのに政治的、外交的には犬猿の仲でここしばらく首脳外交は途絶えたままだ。

原理原則を変えては元の木阿弥と、筋を通そうとする日本。今までのように強気を通せば日本は必ず折れると見る韓国。極東の緊張は中国を含めひと波乱起きないと収まらない状況になってきたように思えてならない。

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