セーラー服とブルマ―
Vol.3-3.3-779 セーラー服とブルマ―
2022.03.03
昨年末に「セーラー服の誕生(刑部芳則:法政大学出版局)」という本が出版された。
「セーラー服とブルマ―」なんて言うといかにも “ エロオヤジ ” 何を血迷ったかと言われそうだ。
まあ若干?え~あの~その~パピプぺ・・・ではないが、一応 男としてのいやらしさは持ち合わせているが、、、。それはさておき、
月刊WILL4月号に、「失われたセーラー服の誇り ブルマ―の神聖」と題した対談記事があった。
本の著者は日本大学准教授・刑部芳則氏、対談の相手は精神科医・中島聡氏だ。
どちらも立派な先生、それぞれに多数の本を上梓されている。決してジイのようなエロオヤジではない。
ジイはこのWILLのタイトルに惹かれたのは事実である。
以前から、中学・高校生あたりまではセーラー服が一番似合う年代だと思っている。超ミニスカートやルーズソックスが一時期流行ったことがあったが、性犯罪を誘発しそうであまり好きではなかった。
たまにセーラー服で膝あたりまでのスカートをはいた学生を見ると “ 学生 ” っていう感じがした。
「学生時代」という歌ではないが、♭~讃美歌を歌いながら 清い死を夢見た~・・・という純粋に物事に向き合う世代だ。幼さとひたむきさ、未知なる世界への憧れと恐れを知らない、まさに青春時代を彷彿させるのがセーラー服だ。
ブルマ―には、60年近く前の東京オリンピックを思い出す。鬼の大松監督率いるバレーボールで金メダルをとった女性たちの姿だ。彼女たちのブルマ―姿が今もハッキリと目に浮かぶ。
最近は、短パンのようになってジイから見れば味気なく感じる。かといって、卓球女子のように、短パンの上に巻きスカートのような超短いスカートも男目線として気になる。卓球は余裕のある短パンで飾りや色を工夫すれば十分美しいと思うが。
バレーボールはやはりブルマ―姿の方が似合う。健全な色気とスポーツらしいすっきり感があってとても感じがいいと思うのだが、まあ、それはジイが思うことであって世間は違うのであろう。
ところで、セーラー服はいつ頃からということだが、当初は幕末の頃、海軍水兵の制服として導入されたのが始まり。その後、女子生徒の制服になったのは、大正10年(1921)だそうだ。
当時の文部省が中心になって服装改善運動が起り、それまで制服だった着物や袴から、洋式制服へ移行が推奨された。
名古屋の金城学院がはじめてセーラー服を取り入れると、その姿に多くの女子生徒が一目ぼれ状態、一気に広がったようだ。
その当時は女子生徒自らが制服をつくっていたというのには驚いた。
最近はセーラー服からブレザーに変わっているようだが、残念でならない。たまにセーラー服姿をみると “ 学生 ” という感じがして、ペギー葉山の「学生時代」という歌を思い出す。
ところで、精神科医の中島先生は “ ブルマ― ” に心をときめかせる青春を送ったそうだ。ブルマ―が廃止されたことでポッカリ穴が開き、それに対する自己治療のために、2007に『ブルマ―はなぜ消えたのか』を出版したというのだから筋金入りの “ ブルマ― ” である。
ブルマ―は1851年にアメリカのブルマ―夫人が発明したものを、アメリカに留学していた「井口阿くり」が導入したとある。
このブルマ―も社会の変化によって消えて行く運命になる。
1980年代、セクハラが社会問題になり、朝日・毎日新聞がブルマ―を恥ずかしがる女子生徒の投書を掲載したことで、ブルマ―廃止運動に火が付き2000年頃には完全に廃止への道を辿ったという。
さらに「自由・人権」という価値観の尊重と、生徒の意見が重視され、学校側と生徒の力関係が逆転するという見逃せない社会変化も背景にある。
最近ではジェンダー平等がうたわれるようになり、文科省や教育委員会ではスラックスを推奨しているという。
精神科医の中嶋先生は、「ジェンダー平等やポリコレという概念には違和感を覚えます。生の現実から遊離したイデオロギーを人類の進歩であるかのように強制し、それ以外のものを排除しようとする。
男と女とでは、子どもの頃から色の好みや遊びの仕方が違い、大人になっても習性や生き方は違う。これは生物学的に定められた現実です。そういった現実にたいする暴力に思えます。」との意見にジイも同感である。
一つの方向へミスリードしようとする勢力が行政にはびこっている。
真剣に日本のことを考えると、内なる敵の存在が最も難敵であると気づく。一見平和そのものであるからこそ、多くの国民は疑うことを嫌悪し、多様性や今風の考えをこともなく受け入れてしまう。多様性を認め合うことは決して悪いことではない。
しかし、その多様性に脚色しあらぬ方向に導こうとする力があることも知らなくてはならない。
ともかく、セーラー服よ!永遠であれ!!と願うばかりだ。
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