恐怖のロシア脱出の動き

世界,日本,雑記

Vol.3-4.3-810   恐怖のロシア脱出の動き

2022.04.03

 

今から20ほど前。

・「日本人より国連の方が信用できる」(元民主党・財務大臣)

・「自衛隊を全部国連に預けるべきだ。国内には、ほんの応戦部隊と訓練部隊でいい」(小沢一郎)

このように国連至上主義がまかり通っていたのだから驚く。

産経抄は当時の国連信仰を皮肉交じりに書いていた。特に小沢一郎氏の国連主義はジジイの頭にもしっかり残っている。

その国連の常任理事国であるロシアが国際法を破り、ウクライナに侵略とは世も末、今世紀最悪の国家犯罪だろう。世界の制御装置が機能不全に陥った。

そのロシア国内に恐怖の統制が敷かれた。体制維持の締め付けは戒厳令下並、異論は命と引き換えである。

先月、ニュース番組の生放送中、テレビ局の関係者が「戦争反対」のプラカードを掲げた女性がいたが、今回はロシアの高校で教鞭をとっていたマナフリー教師がSNSに「政府のプロパガンダを映す鏡になりたくない。私には私なりの意見がある。他の先生だって同じだ。必ずしも政府の意見と同じではない」と自身のインスタグラムに投稿したことがプーチンの逆鱗に触れた。

この投稿の前に学校からは

「公務員として政府の立場を逸脱するような指導はしないように」との指導があったばかりだった。

発見するや校長は「すぐに削除しなさい。そうでなければ辞職するように」と厳命。

教師は熟慮の末、退職の覚悟を決め主張を覆すことはなかった。

翌日、辞表を提出に学校を訪れるが、校内に入ることさえ許されなかったという。それどころか別れを惜しむ生徒や恩師が集まっただけで違法な集会だとして警察に通報され、「辞職」が「解雇処分」になってしまったとは当局の弾圧の強さを物語るものだ。

いかなる場合も異論は許さないという、徹底した厳戒態勢を敷いている。マナフリー氏のような異論が国内に広まることをプーチンは極端に恐れている。このような恐怖国家が国連の常任理事国に2カ国も入っているのだ。

小沢先生どうしてますか?、国連に自衛隊を全部預けなくて良かったですね。

テレビで戦争反対を訴えたマリナ・オフシャニコワ氏にしろ、今回の教師マナフリー氏にしても、身の危険を承知の上である。

昨日、テレビでたまたまミャンマーの取材番組を見た。今も軍政と戦う若い女性戦士が笑顔でインタビューに応じていた。後ろで銃声がなる中、日本人記者の「危ないから逃げてください」の言葉に悠然と、「弾にあたれば運命」と答え、自由を守ることを前に、命を惜しむ気配など寸時も感じさせなかった。

記者の「逃げてください」が日本人の感覚。彼女は自分が戦わなければ、子供たちが苦しむ。彼らにとって平和という言葉は自由を勝ち取った先の話だ。何度も言うが、平和がすべての日本人、ロシアが北海道に上陸しても「戦争はしません。お好きなようにどうぞ」と白旗を上げる日本人とは根本的に平和と自由の比重が違う。

ロシア教師のいる校長は「あらゆる手を使って彼を投獄に追い込む」という。どこまでもプーチンに忠誠を誓う。でなければ己の身が危ない。

教師は「場所は言えないが、安全な場所にいる」と言うが、家族はロシアである。家族が心配である。

彼の勇気ある態度に日本人は何を感じるか。

彼のように大胆な反対表明をしなくても、多くの批判的な有識者や女優、記者、プリマなどの著名人も少なからずいる。彼らは反対の表明と引き換えに祖国脱出を試みている。これからはさらに言論弾圧が強化され国境が封鎖される懸念さえある。その前に脱出しようということだろう。

そんな動きとは別に、無法に奪い取ったクリミア半島の併合記念式典に、ロシア国民の熱狂する姿もある。まるで北朝鮮の出来合いのパフォーマンスと真理は同じである。

誰も反論できないプーチンの独裁。すでに自らも “ 裸の王様 ” 状態であることにうすうす気づいているのではないかとさえ感じる。あれだけの群衆の熱狂を受けながら満面の笑みを浮かべることはなかった。

しかし、驚くことなかれ、プーチン大統領の支持率がおよそ4年ぶりに80%を超えたと独立系の世論調査機関が発表した。いかに、政府の情報統制が緻密に行われているかという証だ。

これだけの高支持率を誇りながらも、最も身の危険を感じているのは独裁者・プーチンではないか。

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