連立は “ 是か非か ”
Vol.3-6.6-874 連立は “ 是か非か ”
2022.06.06
いよいよ参議院選挙が間近にせまった。
自民幹事長が、6月22日公示、7月10日投開票と明言し実質的に選挙は始まった。日本の未来を懸ける選挙になる。
コロナ終息の兆しはあるがまだ尾を引く。そこにウクライナ戦争が加わった。どちらも命にかかわるが、戦争は自らの生き方にある。
自ずと、経済安全保障と防衛を主にした国家安全保障が大きな争点になるであろう。
立民の選挙ポスターは「生活安全保障」だ、共産党と共闘する手前なかなか国家防衛に鋭く切り込む戦法は取れない。自然に「物価対策」「教育の無償化」等、国民受けする問題に落ち着く。防衛や憲法はあたり障りのない玉虫色の表現でお茶を濁すだけ。
政権担当を前面に出すには、有事に対する国のあり方を国民にアピールする必要がある。しかし、立憲民主党は防衛費も控えめ、憲法改正も反対。到底政権を担える政策は出せない。それどころか、共産党との連立の不安定さから「迷走立憲消滅か?」の声さえ聞こえる。
共産党に抱きつかれた立憲。2日の記者会見で共産党の小池晃書記局長は、参議院選挙をめぐり32の改選1人区のうち11選挙区で独自候補を擁立せず、立権民主党が推す候補を支援する意向を示した。
それ以外の1人区では独自候補を擁立するとし、立民が独自候補を擁立していない各選挙区に関しては立民に支援を要請している。
共闘は大きく後退した。
政策の不一致を内包し、選挙目当てだけの共闘が如何に脆弱なものかを露呈した。
ギクシャクは立民・共産だけではない。
連立を組む自民・公明もギクシャクしている。22年間もよく続いたものだと思うが今回は国家の命運がかかる。
連立の軸の一つに選挙協力がある。公明は昨年、5選挙区で自民に推薦を求めた。しかし、自民がなかなか応じず自民候補の推薦を見送った。今回は自民が公明に選挙協力を求めたが難航している。
ここに不協和音がささやかれているのである。
岸田政権と公明がきしむ原因は他にもある。
①令和2年、コロナ対策として岸田氏が苦労してまとめた30万円給付。これを公明党山口氏の一声で一律10万円給付に変更された。
②令和3年、岸田首相のお膝元で、実刑が確定した「河井克行元法相」の地盤に公明が独自候補を擁立した。
③ウクライナ侵略を契機に、岸田首相は防衛費の相当な増額を決断したが、公明は慎重論。
④同じく、中国対応も公明とは天と地ほど違う。
国家安全保障は待ったなしの環境である。公明に足を引っ張られていては国民の命は守れない。連立にしがみついてる場合ではない。幸い、国民民主が政策協力に熱心である。
世界をゆり動かすウクライナ戦争、日本の政治体制をも大きく変える可能性が出てきた。
自民にとって自国の安全保障はもちろんであるが、世界の中の日本の役割も重要性が増した。国連改革、自由で開かれたインド太平洋、アジアの盟主としてその先頭に立つ役割が期待されている。
連立で身動きがとれないとすれば、日本国にとって大きなマイナスである。国民はこの大事な時期に参議院選挙を迎えた。
今までになく慎重かつ賢明な判断を迫られた選挙と言っていい。
ウクライナを脳裏に、日本を真剣に考える時だ。
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