変わる第3次韓流ブーム

世界,日本,雑記

Vol.3-7.4-902   変わる第3次韓流ブーム

2022.07.04

韓流があるなら「中流」も「北流」もあってよさそうなものだが、“ 韓流 ” しかない。

今、第3次韓流ブームだそうだ。

<1次韓流ブーム>の端緒は2003年の『冬のソナタ』で、ドラマ・俳優が中高年に人気になったヨン様だ。

<第2次韓流ブーム>は2010年ごろ、少女時代などのK-POP人気。

<第3次韓流ブーム>はSNSを起爆剤とした商品やアイドルに若年層が飛びついた。 “ ヨン様 ” の時代と背景が相当違う。

10年毎に起る韓流ブーム。日韓関係が戦後最悪の中なぜ?とジイなど古い人間は思ってしまう。

どうも、政治的にトラブルがあると切り離して考えることができない。じゃ若い人は “ それはそれ ” とハッキリ切り離して考えているのだろうか?。

どうもそうではない。関心もなければ知ろうともしないのが現実のようだ。

今回のブーム、今までとはちょっと違う。

第3次韓流ブームでの流行は、K-POPやコスメ。基本、若い人向けで、ジジババをターゲットにしていない。

日本のエンタメ産業はもう若年層の人口が少なく、10代を相手にしても儲からないと切り捨てた。そこに韓流が狙いを定めターゲットにしたのだ。

今、韓流に飛びついている子たちは「2010年以降の韓国」しか見ていない。第1次のブームは、ノスタルジックで、一昔前の “ 古き良き日本 ” を重ねていた。

今のブームは若者が中心、韓国がカラフルに生き生きと見えているらしい。例えば女性だと、色白でスラッとしていて小顔、みたいな……。また、日本で受ける韓国の物がとにかくカラフルだという。

感覚的に言えば、日本のAKBは可愛らしい感じの盆踊り、K-POPはすらっとしたダンスの違い、というところか。

「ジャニーズが好きか、それともEXILE派か」と言うのにも似ている。

さらに言えばAKBは素人っぽいが、韓流アイドルはちょっと近寄りがたいほど、完成されたアイドルイメージだという。

そこが、若者にとって韓国は「カッコいい」となる。

韓流アイドルのコスメも、色味やメリハリがかなりはっきりしていてまさしく “ カラフル ” だという。どうも “ カラフル ” がキーワードのようだ。

一歩引いて見れば、韓国では「外貌」、いわゆるカタチを重要視する文化がある。見た目から行くから、商品がインスタ映えするということ、スマホ時代にはピッタリである。

もう一つ見落とせないのが、日本のテレビ自体のコンテンツ力の劣化という側面だ。

毎日新聞論説委員・澤田氏によれば、日本のテレビなどはコンテンツの力が落ちている。一方で韓国企業はしっかりお金をかけている。日本では2時間番組、しかもバラエティーばかりでお金を掛けていない。

今、下宿している大学生の多くはテレビを持っていない。ネットを見ているので買う必要が無い。テレビや新聞を見ない大学生以下の人たちは、当然テレビなどのターゲットに入ってない。

日本ほど、地上波が強い国はない。テレビに代表されるオールドメディアが日本では中途半端に生き残ったため、若者向けコンテンツを作ろうとしない。

一方、韓国では新聞社など古いメディアが衰退し、アイドルなどが著作権を完全に “ 放棄 ” した。そのお蔭でファンが楽曲を買うとしてもダウンロードで済む。CDを売るビジネスは事実上やめて、ネットで曲が垂れ流されていても、ドームコンサートなどでドーンともうけるという体制に移行したというわけだ。

日本では、CDの「握手券商法」に代表される旧来のビジネスがまだ生き残っている。ジャニーズなどは当たり前だが著作権管理に厳格である。

したがって、日本の中高生にとってもスマホがあれば韓流コンテンツは楽しめてしまう。でも、ジャニーズの方は「買わなくて」はいけない。お金がかかるので、敬遠する、という理屈だ。

なるほど、往年の世代と、スマホ世代、根本的に違う。

いよいよコロナ規制が緩和され、日韓双方で旅行が解禁された。ビザ申請が急増しているそうだ。

韓流ブームもあって、若い人の韓国語講座に希望者が急増、「語学留学」「韓国に住んでみたい」「(韓国での)働き口はないか」などの問い合わせも増えていると言う。“ 反日・反韓 ” とは無縁の世代のなせる業だが、一つ気になるのは両国の若者の質の違いだ。

韓国の若者は日韓関係に関わる歴史をしっかり学んでいて、いざとなれば彼らなりに自己主張する。しかし、日本の若者には興味もなければ関心すらない。両国の教育の違いもあるが、無防備という危うさを感じる。

日本人旅行者、世界でも温厚で正直、誠実のイメージがあるようだが、こと韓国に関しては隣国であり、同じような顔、見分けがつかない。さらに警戒心も薄いとくればトラブルに巻き込まれやすい。

誠実さは危うきを回避する防備のひとつだがこと韓国に関しては似ているが故、注意が必要だ。

テレビを見なくてもネットで海外情報、ニュースは十分入る。この無警戒で正直な人間性は良しとするにせよ、隣国への関心は常識としてもう少し詳しく知った方が良い。

グローバルという視点で物事を見る、判断する機会がさらに高まる時代である。ボーダーレスになればなるほど、日本人を意識する機会が増える。それにはいわずもがな日本を知り、興味ある国の事情を知ることである。

韓流を楽しむのは大いに結構。しかし、日韓関係が戦後最悪と言われているのである。なぜ?という疑問とその理由程度のことを知っても、韓流に悪影響はあるまい。

両国の関係史を知ってさらに関心を抱く、深化したブームであってほしい。

ブログランキング・にほんブログ村へ