日本が心配だ!!

世界,日本,雑記

Vol.3-10.19-1009  日本が心配だ!!

2022.10.19

世界的に人気の高い、韓国の音楽グループ “ BTS ” 。その最年長のメンバーが兵役義務を果たすため入隊をすることになり、グループ活動を一時休止すると発表した。

その最後のステージを見るためにわざわざ日本からも多くのファンが見に行くというから凄い。韓流ブームの先駆け “ ヨン様 ” ブームを思い出す。

この事態、多くの若者は、韓国には兵役義務があるんだ、と再認識した日本の若者も多いのではないか。しかし、それ以上に思考が進まないのが日本である。

高度成長を経て世界第二位の経済大国になった。若者はその恩恵をもろに受けて育った世代である。バブルの頃はオヤジの時代だった。自らの就職のころはデフレの中で育っている。

給料なんてものはそう簡単に上がらないと思う世代。だけど親や祖父はそれなりにお金があり、生活に困らず大学の学費を心配することなく学生生活を謳歌した。

大学を卒業し、安泰な生活、治安の良い日本で、何の心配もなければ特に何になりたいわけでなくそれなりの生活ができれば満足。もう出世よりもその日が楽しければ、それでいいジャン。というような人間が多くなった。勿論、末は社長か大臣かなどと大きな目標を持ちエネルギッシュな若者がいないわけではないが稀である。

この現実を、外からきた人間から見ると、日本の将来への心配となる。

その一人が龍谷大学教授・李相哲氏だ。

李氏は昭和62年、日本のバブルがはじけ始めた頃日本に留学した。
その頃の日本は物価も賃金も土地も、家電もエンターテインメントも最高だった。

当時、中国で日刊紙記者として働いていた時の給料が日本円で3200円。日本では大学生が4時間ほどで稼げる金額だったという。

それが今の中国、サラリーマンの給料は50倍~100倍。経済規模は日本を抜いて世界第二位に躍り出た。お隣韓国では一人あたりのGDPは日本を追い越してしまった。

ところが、李氏の眼には追い越されたから挽回しようという意思は日本人にはないように見える。「その潜在的意識に、日本は永遠に今のように平和で安全、少々努力すれば食うには困ることはない。病気で治療を受けられない心配もない国であり続けるという前提に立っている」からではないかという。

李氏は現実的に
「ロシアのウクライナ侵略が物語るのは、国際社会は今なお弱肉強食のジャングルのような世界だ」と指摘した上で、日本の安全な環境が保障されているとは到底いえない。「現実を直視しない日本が心配だ」とコラム記事を書いている。

その指摘するところだが、

「日本はさまざまな意味で歴史の分岐点に立っている」といい、

1、住み心地させよければいいのか
2、国際的地位は維持しなくていいのか
3、韓国に負け、中国に横暴な扱いを受けても戦争させ回避できればそれで良しとするのか
4、国家の安全保障、安危を大国に委ねるのか、自分で守り抜く実力を備えるのか

このようなことを考える大きな分岐点に差しかかっている。というのだ。

昔、李氏朝鮮末期の啓蒙家たちは日本の明治維新に倣って朝鮮を改革、開花させようと、日本を訪れて福沢諭吉に教えを乞うたという。

福沢は「教育 新聞 軍事」の3つを興せと説いた。今の日本もこの3つにメスをいれるべきではないかというのだ。

李教授は現在大学の教授である。
体感として学生から感じることと見えてくること
① 日本の学生たちは成績をあまり気にしない
② 学生を採用する企業が大学の成績を気にしない
すなわち企業は大学教育に期待していないということだ。

企業は有名大学に入学した時点で潜在能力を判断しているということか。従って入社後に鍛えれば能力を発揮するということなのかもしれない。

李氏の心配は「国民の平均的素養に絶大な影響を及ぼすテレビは、お笑いなど「娯楽」に傾倒、「1億聡白痴化」を加速しているこも一因と思わるるが、韓国の “ BTS ” とは対象に今の日本の若者は国防や国家の安危に責任を感じ、義務を負わなければならないという意識がない。

また、日本の研究者(日本学術会議?)には武器の研究を忌避する風潮がある。
必要なのは現実を直視し、危機感をもって現状を変えるため果敢に挑戦することだ。と指摘した。

李氏の不安は中国人であったが故に見える日本の姿だ。中国も韓国も中身に大いに問題があるが、日本の高度成長期のように活気がある。反面日本はバブル以後成長は止まったが、安定した政治、ある程度の水準を維持できる生活基盤に良好な治安状況がある。この “ 平和なくらし ” 以外に何を求めようというのだ。というところに今の日本は落ち着いているということだろうか。

しかし、ウクライナ、台湾、尖閣諸島周辺、竹島、北方領土周辺をみれば、この先本当に平和は維持できるのかという疑問である。李氏はこれを「現実の直視」だと言った。

ジャーナリスト鳥越は以前、テレビ画面で「どこが攻めてくるというんですか?」「あり得ないでしょう」としたり顔での発言を見たことがある。

実際、尖閣周辺では中国の海警局の船が日本漁船を追尾するため漁業ができない。北海道領域での漁業はロシアの拿捕を警戒しなければならない。日本の海でありながら、ロシアの漁業許可が下りないと漁業ができない。竹島周辺では韓国が勝手に海底調査を行うが紛争を恐れて日本は犬の遠吠えの如く “ やめて~ ” と囁くだけである。沖縄・玉城デニー知事は日本の領海でありながら、「中国を刺激するな」と漁業を控えろと言わんばかりの対応である。中国のまわし者ではないかと疑いたくなる。

これらの状況が、日本人に、日本の若者に十分理解されていない。マスコミも旧統一教会やモリカケ、桜を見る会は何年も情熱?をもって報じるが、周辺諸国の悪行は1回のニュースで終わりだ。

BTSのファイナルコンサートに、新大久保のコリアタウンに大挙押し寄せる若者たち。それを決して悪いとは言わないが、現実に起きている両国の問題を知った上で、“ 良きモノはお互い理解しようね ” という前提での親しみやファンであってほしい。でなければタダの “ アホウ ” か “ バカ ” である。

朝から晩まで能天気な娯楽番組にお笑い。戦後の洗脳が解けないマスメディアが本気になって、日本弱体化番組を作っているとすれば、アメリカは今、中国を敵に回し、大きな間違いを犯したことになる。

福沢諭吉が説いた「教育、新聞、軍事」のすべてにおいて世界から置き去りにされつつある。それでも “ 平和でさえあればいい “ という方もおられよう。しかし、平和は勝ち取り維持していくものだ。日本の平和は与えられ、アメリカの維持装置(日本防衛と軍事基地)が効いて今日に至っている。その現実を理解しなければならない。

ブログランキング・にほんブログ村へ