円安も悲しからずや

世界,日本,雑記

Vol.3-10.21-1011  円安も悲しからずや

2022.10.21

円安、円安と聞いてもうずい分になる。一向に元に戻る気配がない。

「19日のニューヨーク外国為替市場で円安ドル高が進み、一時1ドル=149円91銭を付けた。バブル景気終盤の1990年8月以来32年ぶりの安値を更新し、節目の150円に迫った。米長期金利の上昇で、資産運用に不利な円を売ってドルを買う動きが優勢となった。」とニュースは伝えた。

そもそも何でドル高で、円安になったのか?その原因だ。

1、最も大きな原因とされているのが「需要と供給のバランス崩壊」だという。
アメリカの高インフレ状態は需要と供給のバランスが崩れて物やサービスの価格が吊り上がった。

アメリカでは「コロナ明け」の需要が高まった一方で、商品やサービスを提供する供給が追い付いない。「需要側」であるアメリカ国民は、政府による現金給付も受け取ったものの、外出規制による支出機会の減少が続き、消費行動がパンデミック前の姿に戻ったというわけだ。

しかし「供給側」はパンデミック以前から続いていた人手不足があった。
工場、倉庫、物流、小売店などのあらゆるサプライチェーンがこれまでのように稼働できない。その結果、需要と供給のバランスが崩れたのだ。

つまり、需要と供給のバランスが崩れたことによって、様々な商品やサービスの価格が吊り上がり、高インフレ状態になったという訳だ。

2、もう一つの理由がロシアのウクライナに侵攻だ。
これまで両国から輸出されていた小麦や金属などが流通なくなり、アメリカで高インフレを招いた

とくに
① 小麦の価格上昇が顕著で47.2%も値上がり
② 鶏肉41.8%増
③ 大麦33%増
④ 油脂29.8%増
⑤ 大豆20%増

食料品だけではない。肥料や金属、鉱物などの原材料も輸出が止まっており、農業や建設業にも影響を及ぼしている。なかでも肥料の価格は2022年内に69%上昇すると予想されており、2023年以降に世界中の農業で収穫が減り、食料品価格の高値が長期化する原因になると言われている。

ここまでくると、悪霊プーチンは世界の極悪人となる。

このインフレはいつまで続くか?

  • 人手不足の解消まで
  • ロシアのウクライナ侵攻が収束するまで

この2つが解消、どっちもかなり難しそうだ。

  • 何しろアメリカ人労働者、今はめっちゃ強気。高賃金を提示しても、より好条件の職が見つかる可能性が高いため簡単には働かない

困ったもんだ。

  • ロシアがウクライナに侵攻して以降、解決するための具体的な案が一向に出てこない。トルコのエルドアン大統領、フランスのマクロン大領などが仲介するがなかなかプーチンを説得できない。
  • アメリカをはじめとするヨーロッパ諸国は武器や資金の援助を続けているが、解決の糸口がみつからない。
  • たとえ、すぐに停戦しても国際社会が正常復帰するには時間がかかる。

そこでだ、アメリカのインフレはどうなる。

アメリカの中央銀行にあたるFRB、2022年内に政策金利を3.4%まで段階的に引き上げることを決定した。金利を上げ、借り入れコストを上げ、経済を冷え込ませ、インフレを押さえようという。

ほんとにうまくいくのか、風に聞いてくれ状態だ。

一方日本、日銀黒田総裁がゼロ金利政策を打ち出して10年。何とか2%の物価を目指して金融をゆるゆるにしたが、一向にあがらない。やっと2%上がったかと思いきや、今回のアメリカの金利引き上げとロシア侵攻とは何とも皮肉なことだ。

黒田総裁も任期切れでついにバトンタッチの段階に入った。

日本ジタバタすることなかれだ。

確かに8月の貿易赤字は単月で2.8兆円規模に達した。原油、LNG、石炭が前年比2~3倍に膨れ上がっているからだ。当然赤字が増え、また円売りドル買いが進む。

双日総合研究所の吉崎達彦氏は
輸出を伸ばすことだという。円安のおかげで月間8兆円と好調。そこで、再生エヌルギーと原発の再稼働でLNGを減らす。(高いLNGの輸入を減らすということだ)
② コロナ水際規制の緩和と円安効果が相まってインバウンドが期待できる。円安メリットは外国人にとって日本滞在はバーゲンセールのようなもの。(確かに外国人旅行者増えてきた)

この2つをしっかりやればゼンゼン大丈夫、悲しむことなかれだ。4月まで何とか頑張れば、物価が上がった分、企業売り上げも増え、その流れで給料も上がるとなれば最高。

黒田総裁には申し訳ないが、引退後に2%の物価目標達成となる。すべて黒田総裁の我慢の金融政策のお蔭で失業率も押さえ、就職難も解消、企業は安い金利でしのぎ、内部留保もたっぷり、個人ローン金利も安く高額マンションの売り上げも好調でした。不動産価格も少しずつ上昇軌道。円安は輸出産業にとっては追い風、国内産業も輸入品の高騰で国産ワインなどはわりやすになり万々歳だ。

日本から発した円安ではない。ロシア侵略や米国からもたらされたものだ。

円安!もう少しの辛抱だ。春になれば日本は必ずや “ 日出ずる国 ” となりて復活する。

当面は外国人と原発に望みをかけたい。

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