環境が命じた 歴史的転換

日本,雑記

Vol.3-12.18-1069  “ 環境が命じた 歴史的転換 ”

2022.12.18

反撃能力保有 歴史的転換
安保3文書 閣議決定  中国は「最大の挑戦」明記

産経新聞は第一面で歴史的転換となった画期的事実を伝えた。

政府は16日、国家安全保障戦略など新たな「安保3文書」を閣議決定した。敵ミサイル拠点などへの打撃力を持つことで攻撃を躊躇させる「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有を明記。複数の長射程ミサイルを令和8年度から順次配備する。

来年度から5年間の防衛力整備経費を約43兆円と定め、インフラ整備など防衛力を補完する予算を含め、令和9年度に対GDP比2%を達することを目指すとした。

軍備増強を進める中国の動向を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と記した。

文書は、日本が「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」との認識を示した上で、中国や北朝鮮を念頭に「力による一方的な現状変更の圧力が高まっている」と指摘した。

反撃能力保有をはじめとする防衛力強化の重要性を訴え、一連の施策が「安全保障政策を実践面から大きく転換する」と強調した。

防衛力強化にあたっては「相手の能力と戦い方に着目した防衛力」を目指すと説明。
宇宙・サイバー・電磁波などの新たな領域と陸海空を有機的に融合する「多次元統合防衛力」を構築する方針を維持し、さらに強化するとした。

今後5年は現有装備の稼働率向上などに集中し、10年後までに「より早期かつ遠方で侵攻を阻止・排除」できる防衛力を目指す。(以上産経新聞)

岸田総理は記者会見でも
「戦後の安全保障政策を大きく転換するものだ。国家・国民を守り抜く首相としての使命を断固として果たす」と、今までになく強い決意を語った。

立派である。首相は1兆円強の増税方針の決定プロセスについても「問題あったとは思っていない」とハッキリ述べ「将来国民に(増税の)負担をいただくことが明らかなのに、それを今年示さないのは説明責任を果たしたことにならない」と強調。普段、一見消極的に見える岸田総理の今回の決意は並々ならないものを感じた。

この、岸田首相の強い決意がどれほど国民に伝わったであろうか。野党は、「増税」や「反撃能力」だけを取り上げ安易に “ 増税 ” という言葉だけにフォーカスし国民の不満を煽るべきではない。よくも “ 増税 ” という国民受けの悪い選択を決意したことに岸田総理の本気度が示された。

“ 反撃能力保有 ” についても、『専守防衛を逸脱する』などという安易な指摘より、専守防衛という難しい環境の中で、どのように反撃能力を高めるのか、具体的議論に高めてもらいたい。

政府の危機感と国民の危機感は大きくズレがある。そのズレをいかに縮めるのかも国会の大きな役割である。

今年の中国共産党大会後の習近平総書記の独裁権力を手にした後の動きは、例のデモで若干出足をくじかれたものの、中東を手始めに周到に覇権に向け動き出している。本気になって防衛力を高めないととんでもないことになる。その危機感を国民にどう共有してもらうか。難しい課題である。

ウクライナ戦争の先行きが不透明の中、ロシア・プーチンの核への不安。お隣北朝鮮の異常なるミサイルに “ またか ” と慣れてしまうことが恐い。それなりの能力を持ってきていることを甘く見てはならない。悪の枢軸たちが一か八かの企みで、タッグを組むことも否定できない。

岸田総理がこれほどまでに決断した “ 歴史的転換 ” の意味を政治家をはじめあらゆるマスメディアはシビアに分析し、国民にも伝える義務を持たなければ本当に日本は危ない。

明日の “ ウクライナ ” になるやも知れぬ、また、 “ 台湾有事 ” に狙いを定めた北朝鮮との同時侵攻も視野に現実的な防衛装備と意識が必要である。

岸田総理の並々ならぬ決意。国民一人一人が真剣にこの危機意識を共有する時である。

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Posted by 秀木石