Tシャツ1枚で戦うゼレンスキー

世界,雑記

Vol.3-12.22-1073  Tシャツ1枚で戦うゼレンスキー

2022.12.22

ロシアプーチンはクリスマス停戦など頭の隅にもないようだ。戦闘続行で決してウクライナをひと時も休ませないという魂胆である。

寒さは一段と厳しくなっている。極寒の冬に、電力施設の破壊、インフラの破壊を狙ってウクライナを凍えさせようと集中的にミサイルを撃ち込んでいる。

ロシアは打ち過ぎてミサイルが枯渇したのか、イランから自爆型ドローンを「シャヘド」250機を新たに調達した。

どんなに迎撃しても撃墜できないミサイルが着弾し電力インフラを壊す。ウクライナ電力企業は19日、キーウ市民の20%しか電力供給を受けられていないことを明らかにした。

ゼレンスキー大統領はJEF首脳会合での演説で、16日のロシア軍の大規模ミサイル攻撃についても言及。「2千万人以上の国民が電力の供給を断たれ、1千万人以上が水と暖房の供給を失った。この恐怖を想像してほしい」と訴え、防空システムなどの供与拡大を求めた。

ロシアの内情はかなり厳しい状況だと思われる。
自らベラルーシを訪れ、ルカシェンコ大統領と会談。ロシアは核ミサイルを運用できるように改修したベラルーシ空軍機の乗員への訓練支援を続けると表明し、両国の経済統合を深めるとした背景には何が。

表向き「NATO圏との緊張が高まっている」としているが、内情は兵士が思うように集まらず、兵士の士気も上がらない。武器も枯渇気味、この先ロシア単独での戦争を続けるにはかなり厳しいと判断したと思われる。うまく口実をつけベラルーシを参戦せざるを得ない状況に追い込もうとしているのではないか。

ルカシェンコ大統領は、ロシアから核運用可能な弾頭ミサイルシステム「イスカンデルM」が供与され、実戦配備したと明らかにし、ロシアに寄り添う姿勢を見せた。

プーチンは、ゼレンスキー大統領とウクライナ国民の一分の隙も見せない団結力の強さは、想像もできなかったのだ。

Tシャツに身を包んだ、小さなコメディアンがどんなに強気の発言をしていても、いずれ弱音を吐くと読んでいたのではないか。

それどころか、ロシア侵略からスタイルは同じTシャツ一枚である。発言のトーンは1ミリも変わらない。ゼレンスキー大統領の冷静で筋金入りの精神に、国民は一切の信頼を置いたのだ。今じゃ一心同体、さらに強くなった感すらある。

そのゼレンスキーに圧倒されたのか、プーチンはなりふり構わず何でもありの戦いをせざるを得ないところまで追い込まれたように見える。関係国を何とか戦争に引きずり込み、あらゆる手段を排除せず、徹底的に継戦する覚悟を決めたのだろう。

プーチンが白旗を上げることはまず考えられない。本当に追い込まれれば、世界を道連れに破滅に追い込むこともいとわないだろう。最後、劣勢になった時が恐い。間違いなく、核を使うことをためらわない。とても危険な心情にあるとみる。

戦場は悲惨だ。ミサイル着弾現場で、子供を抱きかかえ泣き叫ぶ女性の悲惨な姿が映し出される。しかし、市民からゼレンスキーを非難する声は一切聞こえない。出る言葉は「私たちは必ず勝つ、あきらめない」この強い意志こそ、ウクライナの最大で最強の武器である。

この極寒のウクライナ、水も、火も電気もない真っ暗な夜、爆撃を隣で聞きながら、子供を抱いて朝を待つ。何という厳しい生活だろう。

どうすればいいのか、どう支援をすればいいのかニュースを見るたびに心が痛む。

「明けぬ夜はない」「春は必ず来る」「ウクライナは必ず勝利する」などの慰めの言葉で癒えるような厳しさを通り越している。

急遽、ゼレンスキー大統領がTシャツ1枚でアメリカバイデン大統領を訪れた。
バイデン大統領は即座に19億ドルの支援を決めた。

ウクライナには言葉でなく、この支援が必要なのだ。今、この時、戦え得る弾薬と武器と暖をとるガスと電気を必要としているのだ。

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Posted by 秀木石