2023すでに動き出した中国

世界,日本,雑記

Vol.3-12.23-1074  2023すでに動き出した中国

2022.12.23

中国出身の作家:石平氏が新聞のコラム(China Watch)で中国の2022年を回顧している。

誰もが注目したのが、習近平総書記の党大会で異例の3期目をどう乗り切るかに年初から注目されたことだった。

周到に計画されたのだろう、中国共産党大会は、習近平氏が慣例を破って総書記の座を射止め続投を果たした。党大会の席上で、胡錦濤前総書記を退席させるという残酷な粛清もやって見せ、絶対的権力を掌握したことを知らしめた。

ワンマン独裁体制の構築に成功し、「毛沢東時代」を彷彿される「習近平時代」の始まりを印象づけた演出だった。

それから1ヶ月あまり、政権の「ゼロコロナ」政策に対する抗議運動が全国で発生するという予想だにしない展開が待っていた。

あっという間に反習近平、反体制の「白色革命」へエスカレートし、「習近平退陣」という前代未聞のスローガンも叫ばれた。

抗議運動起因の1つは習政権の「ゼロコロナ」政策に対する不平不満だが、どうもそれだけがきっかけとは思えない。SNSで広がるウクライナが独裁国家・ロシアに自由を奪われる恐怖に敢然と立ち向かう姿を、「ゼロコロナ」でロックダウンが続き、国民の基本的人権と自由が奪われ、経済も人々の生活も破壊されつつあったことが重ね合わされたではないか。

民衆は何も書かない「白い紙」を掲げる抗議に出た。政権批判の証拠を押さえられることを回避するという意味合いと、何を書いても聞き入れられることない、「中国共産党」への批判を込めたものである。

この抗議活動に押され、ゼロコロナ政策を見直したのは実質的に民衆の力に屈したことになる。外出が緩和されたのはいい、しかしその結果かどうか、大量の死者が出ることになった。結果的に民衆はほとんど外出を控えることになるのだが、その現実を見て、日本のワイドショーのコメンテーターが、「ゼロコロナ政策は正しかったのでは」というような中国政府擁護ともいえるバカな発言をしていたが、見当違いも甚だしい。

ロックダウンで強制的に外出を止められるのと、自発的外出を控えるのとは大きな違いである。ましてやロックダウンの発令がなければ、自衛措置を講じて外出もできる環境は天と地ほど違う。

中国がロックダウンせざるを得ないのは、自国生産の効き目の悪いワクチンしか保有せず、外国からの輸入をメンツなのか、手当てせず、劣悪なコロナ対策が原因である。それを糊塗するために強制的にロックダウンせざるを得ないだけだ。杜撰なコロナ対策を強権で押さえこもうとしただけである。

習近平時代が幕開けとなったが、石平氏ではないが、多事多難の時代になるに違いない。

さらに、石氏は今後の習主席の動きで警戒するのは、今年10月の党大会後に行われた、共産党政治局員人事に注目した。

大会前に共産党中央委員の候補にすらなっていなかった何衛東氏という人民解放軍の将軍が2段跳びで政治局員に大抜擢され、共産党中央軍事委員会の副主席に昇進したことだ。

それは一体何のためなのか。

実は何氏は今年9月までの約3年間、解放軍東部戦区の司令官を務めた人物である。東部戦区は台湾海峡に接する浙江省や福建省を管轄下に置く、まさに中国軍の対台湾軍事の最前線。つまり、習主席が断行した何氏の大抜擢人事は「対台湾有事」を強く意識した人事としか思えない。と石氏はいう。

習主席はすでに、台湾併合戦争の発動のための戦時体制作りに着手した。というのだ。

そして、12月12、13日、中国軍の爆撃機が過去最多の18機で台湾の防空識別圏に進入して今年の年末を “ 飾る ” ということをやってのけたのだ。まさに事前訓練である。

先週だったか、ロシア全大統領のメドベージェフが突然中国を訪れ、満面の笑みで習主席に握手と求める映像が流れた。中国との親密度をアピールしていた。ウクライナ戦争続行への同意を求める意味あいもあったのだろうが、そこは習近平氏、「話し合いで解決を」と言ったそうだ。来年にも台湾侵略を企てようという人間が、よくもしゃあしゃあと言えたもんだ。台湾侵略をカムフラージュするための口実でしかないのは明らかである。

ひょっとしたら、台湾侵攻の打ち合わせであったかもしれない。

2023年すでに台湾侵略の序奏が始まったとみて臨戦態勢での警戒をしなければならない。

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