2022 ~惜別~

世界,日本,雑記

Vol.3-12.31-1082    2022 ~ 惜別 ~

2022.12.31

ああ、今年も今日で終わり、過ぎてみれば早い1年だった。

今年も多くの人が亡くなった。

  • 安倍晋三(元首相・67歳)
  • 石原慎太郎(元東京都知事・89歳)
  • 葛西敬之(JR東海名誉会長・81)
  • 出井伸之(元ソニー社長・84)
  • 水島新司(漫画家・82歳)
  • 石原慎太郎(作家・政治家・89歳)
  • 西郷輝彦(歌手・俳優75歳)
  • 西村京太郎さん(推理小説作家・91歳)
  • 宝田明さん(俳優・87歳)
  • 島田陽子(俳優・69歳)
  • 三遊亭円楽(落語家・72歳)
  • 仲本工事(タレント・81歳)
  • 森英恵(ファッションデザイナー・96歳)
  • 三宅一生(ファッションデザイナー・84歳)
  • 西村京太郎(作家・91歳)
  • 山本圭(俳優・81歳)
  • 川津祐介(俳優・86歳)

  • 志垣太郎(俳優・70歳)

  • ペレ(サッカー選手・82歳)
  • アイリーン・キャラ(俳優・63歳)
  • オリビア・ニュートン・ジョン(歌手・73歳)

  • イビチャ・オシム(サッカー元監督・80歳)

  • シドニー・ポワチエ(俳優・94歳)

  • ゴルバチョフ(元ソ連大統領・91歳)
    等々ジイが印象深い方だけでもこれだけの人数である。

いよいよ我が身はいつか?という歳になってきた。多くが同年代だということだ。同じ時代の空気を吸った人が亡くなるというのは今までと違った感覚がある。

会ったことがあるわけではない。しかし、わが思い出の中にその人が同年代として生きていた事実は、何らかの思い出での中に生きている。まるで同胞が亡くなったかのような寂しさを持つものだと最近特に感じる。

彼らが生きていた時代、俺はあの時、あの街で働いていた。その時代を共に生きたという思いが、その人の死で消え去っていく寂しさである。

◆ 中学生の時の西郷輝彦は初代御三家の中で一番好きだった。橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦は当時の10代の若者の人気を3人で分け合った感すらあった。西郷氏の死を知った時、青春の思い出が消えて行くような寂しさを感じた。

◆ サッカーのペレは強烈な印象がある。釜本、杉山の活躍した時代で王様の異名を持っていたが、神様のような存在だった。人柄、プレーも最高、日本で行われた「ペレ・サヨナラゲーム・イン・ジャパン」では、約6万5000人が東京・国立競技場に詰めかけた。日本屈指のストライカー・釜本邦茂氏の代表引退試合にも駆けつけ、2人はユニホームを交換し、出場選手たちに肩車されたエピソードを残した。Wカップ代表通算77得点は、今年のW杯カタール大会でネイマールに並ばれるまで単独首位で、通算1283ゴールもロナウドに抜かれるまでトップであった。

釜本氏が述懐していたが、精神的にも肉体的にも “ 格が違う選手 ” だった。

◆ 昭和43年、まだジイが政治に関心を持たない頃、石原裕次郎の兄で、作家で名が売れていた石原慎太郎が第8回参議院選挙で全国区に立候補、史上最高の301万票を集めて初当選した。田中角栄の金権政治を批判し、その後都知事に転身するも歯に衣着せぬ言論は変わることはなかった。

主に自主憲法の制定を強く訴え、現行憲法の前文は極めて醜い日本語で、歴史的正当性がなくアメリカが日本の解体統治のために一方的に速成したものだとして、衆議院本会議で質問に立った際に変更を促した。都議会でも、改憲手続きなどせずに衆議院で憲法破棄決議をすればよいと主張した。

その後も、尖閣諸島を中国が狙っていることを念頭に、「尖閣は東京都が買う」と言ったのには驚いた。思いもよらない発想をし、即行動に移すというのが凄い。賛同者から14億もの金が集まった。ジイは喝采した。

その石原慎太郎氏が政界を引退してからだ、当初、金権で批判した田中角栄を「天才」と讃える本を書くとは面白い。

◆ 最後は安倍晋三氏である。
過去の政治家にない政治眼をもった人間だった。保守精神をしっかり抱き、国家をこよなく愛し、戦後政治の歪みをいち早く是正しようと “ 戦後レジームからの脱却 ” を唱えた。持ち前の明るさ、気安さを存分に発揮されたのは、好き嫌いの激しい米トランプ大統領と、世界がうらやむほど親しくなったことだ。世界を俯瞰できる政治眼と持ち前の明るい性格がなさせる業であった。

安倍氏の外交の中でもG7や多くの外国の首脳が集まる場所での存在感は、今までの日本の首相にはないものだった。もうひと働きしてほしい時に惜しい人材を亡くした。ジイの中では今年最大のニュースである。惜別の念を禁じ得ない。

今日で終わる寅年、来年こそ、戦争が終結し卯年にふさわしい安堵の笑顔が戻ることを祈るばかりだ。

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