軍歌 ~ 蛍の光 ~

日本,雑記

Vol.4-1.9-1091   軍歌 ~ 蛍の光 ~

2023.01.09

卒業の話題にはちと早いが、ご存知、 “ 蛍の光 ” と “ 仰げば尊し ” はジイの若き頃は卒業ソングの定番であった。「仰げば尊し」の2番あたりからすすり泣く声が聞こえ、多くの卒業生が涙を流しながら歌うのも定番であった。

最近の人気卒業ソングベスト5の中に、「蛍の光」も「仰げば尊し」も入ってはない。時代の流れと言えばそれまでだが、今となってはこの歌詞の難しい言い回しや意味を理解することも含め、卒業儀式のように引き継ぐ意味があるのではないかと思うのだが。

年寄りの勝手な思いではあるが。

ところで、この「蛍の光」月刊誌・正論2月号に軍歌として紹介されていた。

~ 蛍の光 ~

1、
蛍の光 窓の雪
書(ふみ)読む月日 重ねつつ
何時(いつ)しか年も すぎの戸を
開けてぞ今朝は 別れ行く

2、
止まるも行くも 限りとて
互(かたみ)に思ふ 千萬(ちよろず)の
心の端(はし)を 一言に
幸(さき)くと許(ばか)り 歌ふなり

3、
筑紫(つくし)の極み 陸(みち)の奥
海山遠く 隔(へだ)つとも
その真心は 隔て無く
一つに尽くせ 国の為

4、
千島(ちしま)の奥も 沖縄も
八洲(やしま)の内の 護(まも)りなり
至らん国に 勲(いさお)しく
努めよ我が兄(せ) 恙(つつが)なく

歌詞の意味・現代語訳(意訳)
1、
蛍の淡い光や 月光の雪明かりを窓から取り入れ
書物を読む日々を重ねていると
いつの間にか年月は過ぎ去っていき
今朝は杉の戸を開け 級友と別れていく

2.
故郷に残る者も 去り行く者も
今日限りなので 互いに思い合う無数の想いを
たった一言「幸あれ(どうかご無事で)」と歌うのだ

3.
九州の果てでも 東北(陸奥)でも
海や山で遠く隔てられても
真心は隔てられることはなく
ひたすらに力を尽くせ 国のため

4.
千島列島の奥も 沖縄も
日本国の護りの要(かなめ)
統治の及ばぬ異国には勇敢に
尽力せよ我が兄弟 無事であれ

ご存知のように『蛍の光』は、1881年(明治14年)に「小学唱歌集初編」で発表された日本の唱歌。卒業シーンに歌われる卒業ソングの定番曲。
原曲は、スコットランド民謡『オールド・ラング・ザイン』。日本語歌詞の作詞者は国学者・教育者の稲垣 千穎(いながき ちかい)。

民謡であるが故に、原詞のスコットランド語を整えたのは、スコットランドの国民的詩人といわれるロバート・バーンズとされる。ロバート・バーンズの詩は、美しいが荒涼としたスコットランドの大地で育まれた友情を歌ったものだが、稲垣の歌詞は、七世紀半ば頃成立した中国の歴史書『晋書』所収の「車胤(しゃいん)伝」に登場する故事が土台になっている。

その故事は、「車胤の家は貧しく、灯火のための油を買うことができなかったので、夏には絹の袋に十数匹の蛍を集め、その光で勉強に励んだ。同じ頃、孫康は、夜には窓の外に積もった雪に反射する月の光で勉強に励んだ」というもので、苦労して学問を修める「蛍雪の功」を強調する言い伝えになっている。

なお、正論コラム「ますらおの歌」によれば、

・・・歌詞第三連と第四連は、国を護る志を高らかに謳いあげたもので、そこだけに注目すれば、紛れもない軍歌である。

第三連の「筑紫の極み」は九州を指し、「陸の奥」は文字どおり「みちのく」(東北)を指している。国民一丸となって、国に尽くすことを求める歌詞だ。第四連は、領土の変更がある度に、文部省が文字を書き換えている。日清戦争後に台湾がわが国に割譲されると、「沖縄」は「台湾」に書き換えられ、日露戦争後にわが国が南樺太の領有権を得ると、「千島の奥も、台湾も」は「台湾の果ても樺太も」と書き換えられた。いうまでもなく、「八州」とは日本の異称である。

戦後になってから、歌詞第三連と第四連は禁歌のような扱いを受けており、「蛍の光」は、第一連と第二連の「二連構成」というのが常識になっている。しかしながら、それは明らかに事実に反している。「蛍の光」は四連構成であり、日本最古の軍歌であるという事実に目を背けてはならないと思う。

なお、店舗などが閉店のする時に流される「蛍の光」のほとんどは、戦後になって古関裕而が編曲して作った三拍子の『別れのワルツ』であり、厳密には「蛍の光」とは異なる。・・・(評論家・篠原章)

ジイは、軍歌は嫌いではない。母が子守唄のように聞かせてくれた。昨今は軍歌と聞くと忌避する傾向が強いが、ジイの若い頃、営業部はよく酒の席で歌ったものだ。戦後の極端な左傾思想とGHQ洗脳の残滓であろう。祝日に国旗さえ揚げない世界でも珍しい国となった。

アメリカの核に守られている現実をみないで、軍隊はダメ、自衛隊のままで、防衛費増額もダメ、憲法改正もダメ、ウクライナは降参して平和になろうと暴言を吐く。

日本が平和を真剣に考えるには、アフガニスタンのように日本からアメリカが撤退すればいい。
日本が覚醒できる最良の策だ。

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Posted by 秀木石