テレワークは定着するか
Vol.4-1.10-1092 テレワークは定着するか
2023.01.10
ジイの友人もコロナになってからテレワークが増えた。
一例を上げれば
◆ AM 7:00起床、家族と朝食をとる
AM 9:00 パソコンを立上げ、オンラインミーティング。
1日の業務や課題を確認し、キーボードをたたく
AM 12:00 昼食休憩に入る
PM 01:00 パソコンに向かう
PM 05:00 1日の進捗状況を報告し、業務終了
まわりに気を使うことなく、いつも家族に囲まれて仕事ができる。情緒が安定し効率が上がるような気もする。逆に、同僚との雑談がなくコミュニケーション欠如による問題が起きないか気になる。
しかし、パソコンだけで済む仕事ならオフィスにいた時とほぼ同じで業務に支障がないようにはみえる。
大手IT企業の富士通などは、以前からテレワーク環境を整備してきた。結果、遠隔勤務の標準化に成功している。
国内約8万人の従業員の中でテレワークをしている人の割合は、1日営業日あたりの平均で8割を達成した。余った時間は「学び」に振り向け生産性の向上にもつながるという。
今後は社員それぞれが自由な場所を定め、必要に応じて出社する「ハイブリッドワーク」をより推進していく。以前の働き方に戻ることはないという。それが大手企業の目指しているところだ。
確かに遠隔地勤務が可能となれば、子育て世代にはうってつけである。緑豊かな郊外、もしくは風光明媚な田舎暮らしも可能である。
終末は遠くに出かけることもなく、田舎の広い庭に子供たちとのびのびとした生活に、子育てにも励むことができる。物価も地価も安く経済的なメリットもある。東京一極集中の解消にも大いに貢献できる。
兵庫県の丹波篠山市は、日本の原風景を思わせる里山の景観が美しい街で、移住者の人気スポットのようだ。
同市の移住相談窓口によると、令和3年度の移住者は過去最多の77世帯206人に上り、世帯主は40代22人、30代17人と子育て世代が半数を占める。
総務省によれば、令和3年度に全国の自治体に寄せられた地方移住に関する相談件数は約32万4千件。前年より約3万3千件増え、過去最多となった。
この在宅勤務の変化は経済にも影響を与えているようで、東京税関によると、回転いすの輸入が急増しているそうだ。
令和3年の輸入量は619万8千脚、金額は330億5千万円で、昭和63年以降で過去最大を更新したという。
自宅で長時間仕事に集中できるようにという理由もあるが、腰痛防止の意味もあり機能的で高価格帯の輸入も高い水準で推移しているのだ。
問題点があるとすれば、ソフト面である。
オフィスの生産性に詳しい関西学院大教授の古川靖洋氏はハード面ではなく、労使関係というソフト面に懸念を示す。
テレワークを基本的な勤務形態とした場合の「日々の労務管理や勤務評価の態勢が多くの企業で整っていない」という問題点を指摘する。確かに社会生活の大きな転換となれば問題なくスムーズにはなかなかいかない。
かといって、面倒だから従来のやり方に戻すというのも少々安易な考え方である。
テレワークには、人口減少社会にあって子育てや介護が可能な側面を持つ。新型コロナウイルスで、仕方なくテレワークを導入した企業も多いが、なかなかできなかった遠隔地勤務を含めたテレワークはコロナがきっかけであったとしても、この流れを生かす時ではないか。子育て環境改善から少子化の解消に、あるいは都心一極集中の解消、在宅介護等の問題解決に生かせる可能性を秘めている。
官民一体となってテレワークの共存社会を考えるチャンスととらえなくてはならないのではないか。
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