歯止めがかからない日本国の劣化

世界,日本,,雑記

Vol.4-6.24.1126  歯止めがかからない日本国の劣化

2023-06-24

国会が閉幕した。

「今国会は非常に日程的にはきつい国会だったが、重要な法案を成立(61本のうち59本)させることができた」。21日の閉会後、国会内で記者団の取材に応じた自民党の高木毅国対委員長はこう振り返った。

しかし、どんな法律が通ったのか国民はほとんど知らないか関心もない。唯一記憶にあるのはエマニュエル駐米大使にせっつかれ “ NO ” と言えず、マッカーサーも驚く一週間の議論で成立したLGBT法案程度しか記憶に残ってないのではないか。

今から34年も前の1989年(昭和64)に石原慎太郎、盛田昭夫 共著の『「NO」と言える日本』という随筆がおもい浮かぶが、未だ日本は独自の道を歩けないことを実感する。

世界と日本の環境を鑑みればまず第一にやるべきことは “ 憲法改正 ” である。台湾有事は待ったなし、最近の中国の言動をみれば尖閣諸島は台湾同様 “ 中国の核心的利益 ” と言いかねない状況である。何人の国会議員が危機意識を共有しているのか。当事者である沖縄玉城 デニー知事は関心すら抱く様子がない。

野党第一党の立憲民主は今こそ、有事法制を牽引してこそ政権奪還への道が開けるのに相も変わらず目先のあら探しに血眼になる。かつての大物議員がごろごろいるだけで何の役にも立たない。2大政党の夢は維新の躍進にかけるよりないのか。

国会の劣化は日本の劣化である。

つい先日(15日)も中国籍の研究員による研究情報漏えい事件が明らかになった。不正競争防止法違反容疑で警視庁公安部に逮捕されたが、国立研究開発法人『産業技術総合研究所』という日本最大級の研究機関に中国人民解放軍と関係があり、かつ北京理工大でも勤務している中国人、その人間が日本最高の研究施設の上級主任研究員とは驚くしかない。

国家防衛意識は皆無?どこまで能天気な日本の中枢であろうか。スパイ天国と言われる所以である。

一方中国では、訳も分からなくスパイ行為を働いたとして北京市でアステラス製薬の現地法人幹部の日本人男性が拘束された。そんなケースでの拘束が2015年以降17人に上っている。スパイ天国と言われて久しいがLGBT法案が一週間で成立するなら、先ずやるべきは『スパイ防止法』である。

憲法審議会も一向に進まず、スパイ防止法もその気がない。

“ こんな国会に誰がした ” と言いたくもなる。

国会議員の堕落が日本国家の劣化につながっているのではないか。国会議員だけではないが、国民が選んだとすれば国会議員は象徴的である。

昨今の国会を見てみれば、

① 2022年7月に行われた参議院議員選挙の比例代表でNHK党から出馬した「ガーシー」こと東谷義和参議院議員。動画投稿サイト「ユーチューブ」での発信が話題を集め、選挙期間中は、SNSを使ったり、録音した音声を街頭で流したりして投票を呼びかけ当選した。

いかなる人物かと思いきや2022.8月の臨時国会が召集されても出席せず、ドバイに滞在、議員在職中は一度も帰国せず登院することはなかった。そのため参議院から「公開議場における陳謝」の懲罰を受けたがこれにも応じなかった。当然だが「除名」処分を受け、この日限りで参議院議員を失職した

経歴を見ればメチャクチャだ。こんな男を立候補させ、さらに擁護までするNHK党とはもう語るにあたらない。

② 国会の会期末が迫る中、入管法改正案の採決が行われた8日、法案の採決を妨害しようと法務委員会で委員長に飛びかかろうとして議員ら複数人にケガをさせたれいわ新選組の山本太郎代表に対して懲罰動議が提出された。

ところが一転、「本人が反省している」として懲罰を見送った。やる方もやる方だが、国会を『良識の府』として断固とし守る意志も持たない国会。品性も良識も欠いた人間が堂々と国会議事堂で暴れる。こんな党が簡単に国会に出られる日本とは、劣化と言わず何という。

③ マイナンバーに至っては留まるところを知らないトラブルの連続。まるで夢を追いかけるドンキ・ホーてのようにデジタル社会だのIT社会だの言うことは最先端を走る夢の未来。“ 笛吹けど踊らず ” 的発想で一刀両断するのではなく、“ もの ” 個人情報の最高機密凝縮版である。最新の注意と厳格な管理と余裕をもった工程で進めるのが本来の姿である。何が何でも “ 急げ ” は危険な未来を呼ぶ。笑ってはいられない。全情報を間違っても中国のサーバーに保管することのないようお願いしたい。

④ 公共放送NHKは戦時中の『端島炭鉱(軍艦島)』のドキュメンタリーに、戦後他の炭鉱で撮られた映像を利用したことを今になって認めた。いかにも劣悪な環境で働かせられたようにみえる映像は韓国公営放送に提供され、結果的に韓国は「朝鮮人強制連行」を裏付けるものとして利用、日本糾弾に利用した。今頃になってその事実を認めるとはまさに国賊的放送局である。

こう見ただけでも国家は劣化しつつある。

自民党内もガタガタ、自民党上川陽子幹事長は『憲法改正』を巡り総裁任期となる「来年9月を想定したものでなない」と発言。

ところがインタビューを受けた総理は「来年には憲法改正」が目標だという。気が入っていない “ 憲法改正 ” 、自民党がこの体たらくでは、日本にとって最重要課題である憲法改正など出来るはずもない。必要なものへの覚悟が全くみえない。ああ、、世も末か・・・。

巷では今話題のW不倫で週刊誌、バラエティー番組やネット上を賑わせている広末涼子。そのラブレターが曝露され、その中に『きもちくしてくれて』という表現が出てくる。

最近の若者言葉で聞く『ちがくない』に似ている。「幼稚な文言」というコメントがあったが、日本語として通用するのか?と疑問を抱く。影響が大きいメディアに登場する有名人がこれに似たような言葉を拡散する。

方言の無くなるのは寂しいが、訳の分からない日本語が一人歩き?というよりテレビやメディアに頻繁にでる芸能人からもこの類の言葉を聞くと、海外在住の長いJAZZトランペッター・日野皓正氏ではないが “ 日本は子供社会 ” というのも理解できる。

すべてが、子供中心の世界になってきた。注意しない、矯正しない大人が子供に迎合する。

昔、小学校の教頭に聞いたことがある。
左手で書く生徒に右手で書くよう指導するんですか?

教頭先生は「個人の自由に任せてます」これを個性尊重というのだろうか。今でいう多様性なのか。

今、世界の国で右から左へ書くような国語はあるのだろうか。万年筆で書くことなどまず不可能、曲芸のような書き方になるだろう。たしかオバマ大統領も左手で書いていたと思うが決して美しい書き姿には見えなかった。

ともかく、日本には日本の生き方がある。誰にも迷惑をかけず、どこの国にも迷惑をかけない、協調すれど迎合しない独自の生き方というものがあるはずだ。

1996年にアメリカ合衆国の政治学者サミュエル・P・ハンチントンは「文明の衝突と21世紀の日本」の中で、
『世界には8つの文明があるが、日本は固有の独特の文明があり、その日本文明は、他の文明とは異なり、この一つの国に特有のものだ。したがって、日本は他の国々にたいしておのずと文化的な親近感や敵意を抱くことがなく、それゆえに日本が望むならば、自国の力の強化と物質的な繁栄だけを目指して、外交政策を遂行できるのである』

ハンチントンが示してくれたこの独特の文化を日本人自身が認識しなくなったのは戦後のGHQによる洗脳政策によるところが大きい。過去の日本を断罪、歴史と文化の抹殺である。

考えても見よ、世界一古い文学「源氏物語」や万葉集に古事記など、紀元後の世界文学を見てみると圧倒的に日本文学が占めているのは驚くほどだ。この素晴らしい日本の歴史をどれだけの日本人が理解し、誇りにし、大事に後世に伝える努力をしているだろうか。今の日本をみると悲しい現実に落ち込む。

奈良時代の風土記
7世紀・・・万葉集
712年・・・古事記
720年・・・日本書紀
752年・・・懐風藻(漢詩集)
822年・・・日本霊異記(説話集)
平安時代・・・竹取物語・伊勢物語
900年・・・菅家文草(漢詩文集)
913年・・・古今和歌集
935年・・・土佐日記
957年・・・後撰和歌集
959年・・・平中物語
975年・・・蜻蛉日記
1001年・・・枕草子
1008年・・・源氏物語

多くて書ききれない。この時代これほど多くの文学が書かれた国は世界にない。世界文学年表を見ていただきたい。驚くばかりだ。

今もよく読まれている平家物語に方丈記や徒然草。我々日本人はもっと日本の豊かな文明に歴史、文学、国語に自信と誇りを持ち、もっと大切にしなければならない。

ハンチントンが言うように日本は独特の文明を持つが故に、他国文化に親近感を持たない分敵意もない。しかし、いつからか西洋かぶれになった。他の歴史に敬意をはらい学ぶ姿勢は大切である。しかし、自らの国の豊かな歴史に精通せずして日本が誇りある日本であり続けることができるのか。

日本を真に理解していれば、LGBT法案はなかった。今の日本を見ると日本の過去(歴史)に目が向けられることは少ない。全てが未来志向。未来志向も大切であるが、2000年近くも読み継がれる文学の国をもっと愛し、理解し、誇りがにじみ出るような日本人になってこそ世界の中の日本として異彩を放ち続けることができるのではないか。

あのスティーブ・ジョブスは日本の美術、職人の技術に魅了され生涯日本に憧れを持ち続けたという。多くのアップル製品にその技術を取り入れたことをみても我々は自国民が培ってきた多くのものを注意深く、かつ敬意をもって今一度見直し、自信と誇りをもって明日に向かった方が良いと思うが。

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