写真集
Vol.1-5.8-115 写真集
2020.05.08
出版不況が叫ばれて久しい。
最近はわざわざ書店に行くのも面倒くさくなったり、古いものになると「お取り寄せ」などとなると何日か待たなくてはならない。
ところが便利になったものんだ、パソコンで書名を検索すればアマゾンをはじめ多くのサイトから書籍の注文ができる。早い物は翌日配達ということも可能である。
便利になっていいのだが、宅配業者の忙しさもさることながら、末端で配達する人の大変さをつい思ってしまう。
そう言えば、最近は本を検索するとKindle(キンドル)などの文字が出てきて、単行本とKindleと選べるようになっている。このKindleなるものは「電子書籍」ということだが、単行本より若干安い。
ただジイなどはどうも馴染めない。若い人は電車の中でもどこでも読めるという便利さやいろんな方式があって映像も一緒に楽しめるなど紙にはない楽しさがあるらしい。もうついていけないという感じだ。
その出版不況の中で、最近ヒットしているのが女性タレントの「写真集」らしい。
ジイなどが考えるちょっといやらしい写真集ではない。ジイなどの世代は何と言っても宮沢りえちゃんの「サンタフェ」にはじまる男性目線での写真集が思い浮かぶ。
平成の初期、埼玉のある飲み屋さんに行くと当時話題になった写真集はもちろんのこと、ほとんどすべての時代の写真集が取り揃えてあった。かなり古い竹下景子などもあったから凄い店だった。
昭和の終わりごろにはヘアーヌードなどは当たり前に「プレーボーイ・日本語版」などにはあった。
ところが、最近の「写真集」は昔のイメージとはかなり違うようだ。
購買層は当然男性が中心のようだが、女性の読者をも意識したものになっているという。
特に、最近発売された「藤田ニコル写真集 好きになるよ?」は何と6割が女性読者だというから驚きだ。ただ、藤田女史はジイの偏見からすれば、女性が購買層だろうとは予測がつく。
ところでその「写真集」最近の売り上げベスト4がこれだ。
※(1)田中みな実1st写真集・・・60万部
※(2)白石麻衣写真集 パスポート・・・50万部
※(3)生田絵梨花写真集 インターミッション・・・30万部
※(4)乃木坂46 与田祐希2nd写真集 無口な時間・・・20万部
という立派な売り上げ部数である。
果たして女性読者の目線はどこにあるのか。
出版科学研究所の久保田雅暖研究員によると「ファッションやメーク、生活スタイルの¨お手本¨とするために購入する女性が多い。」ということだ。
う~ん、なるほどね、藤田ニコル君の写真集が売れるわけが分かった。
まあ、ベスト1の田中みな実くんのは男性中心だと思うが、内容を見てみないと何とも言えない。ジイなど買う気もないが、買ったものなら赤鬼に首をしめられるのがオチだ。
秋葉原を歩けば、ジイの年代では理解できないような漫画チックなスタイルの女の子がいる。アイドルが自分の身近な存在になりつつあるのかもしれない。
男のいやらしい目線から離れ、若い女の子がスマホで自撮りし加工した自分を、写真集に重ねて楽しむ。自分が求める美がそこにあるという訳だ。ちょっとセクシーなティーンエイジャー向けの「美・ファッション誌」という新しい部類と想像する。
世の中は変わった。というより仕事、遊び、ファッションを含め時代を牽引する若い世代が作り出す価値観の変化と受け止めるのが最も妥当な見方のような気がする。
ジイのような団塊の世代、今たどり着いた場所から次世代の景色を見るように¨フン¨と言ってただ傍観するだけだ。