中国の暴発を防げ

世界,日本,雑記

Vol.1-6.13-151  中国の暴発を防げ
2020.06.13

本震より前に発生する地震を前震という。
その前震のような動きが今年、新型コロナウイルスのはじまりだとすれば、震度3あたりだった。ところがその地震が収まるどころか世界中に広がりを見せ、震度5に達した感がある。

先日世界の感染者数が、730万人を超え、死者は40万人を超えた。
これをピークに収まるかに見えたが、一向に収まる気配はない。
ただ心配なのはこの震度5のままで続く中で大地震が起こりかねない様相を呈してきたのが気になる。

その兆候として、発生源である中国の暴発につながる問題が顕在化してきたのだ。

その一つが
アメリカ発のコロナ賠償金問題。中国武漢が発生源とする一般的な見方はほぼ世界的に定着している。
しかし、中国自身がそれを認めようとする気配はまったくないが、米・英・イタリア・ドイツ・インドなど、8か国から武漢ウイルスの拡散の責任を問われ、100兆ドルともいわれる損害賠償問題に直面している。

2つめが
中国国内問題だ。今回のコロナで中国は全人代において今年の成長率を示せなかった。
失業率は最初2%程度の発表であったが、中国の試算では1%100万人だと言うことだから、6%に修正した時点で600万人だ。しかし巷では20%を超えたという試算もある。2000万人ということは暴動が起きてもおかしくない。
中国がいち早く経済へシフトせざるを得なかった事情だ。

3つ目が、
インドとの国境問題である。その確執は、1962年10月から11月にかけての中印国境紛争にさかのぼる。この紛争で惨敗を喫したインド軍は、「打倒中国」のために核兵器開発に踏み切ったとされる。その後もインド軍と中国軍の間で偶発的な小競り合いが生じている。

最近、ネパールがインドとの領有権問題の火種となっている地域を領土に含む新しい地図の発表を決定したが、インド側は「中国の関与がある」として猛反発している。
或いは、中国チベット自治区を水源とするブラマプトラ川は、インドやバングラデシュの住民1億人以上に水を供給しているが、15年頃から中国が上流でダムを建設し、「水を抜き取っている」疑念が生じている。

さらに、モディ首相に近い法律家集団は4月中旬、中国当局のコロナウイルス感染拡大の責任を追及する訴えを国連人権理事会に提出した。インド政府は今のところ静観の構えだが、インド国内で中国への反発が急速に高まった。

新型コロナウイルスにより米海軍が活動を縮小せざるを得ない隙を突くかのように、中国は南シナ海の実効支配の既成事実を図るなど「火事場泥棒」的な動きを強めていることも懸念材料だ。
それらもろもろが重なり、インド国内で中国製品をボイコットする動きが出ている。中国製アプリをスマートフォンから削除する動きも拡大。
中国発新型コロナウイルスの流行に続く、カシミール地方の係争地域の再燃により沸騰した不信感は一触即発状態だ。

4つ目が
新型コロナウイルスで断絶された、サプライチェーン見直しの世界的広がりである。

5つ目は
香港の「国家安全法」導入方針を決定、世界から一国二制度の崩壊を懸念する声が殺到。香港有事も想定内に入った。

6つ目は
台湾問題。昨年夏に香港で反中デモが本格化して以降、危機感を抱いた香港人が台湾に移住した香港人は5千人を突破した。習近平政権は台湾を念頭に「国家統一法」を成立させ、台湾に強引な統一を仕掛ける可能性がある。

さらに、台湾と公式の外交関係がないチェコのビストルチル上院議長が秋に台湾を訪問し、蔡英文総統と会談する可能性がでてきた。準国家元首クラスである国会議長の訪問は前例がない。実現すれば他国も例に倣い、台湾との関係を推進する可能背がある。

近年、中国は台湾との外交関係を、金を使って断交させてきた。中国にとって面白くない台湾の独自外交だ。

7つ目は
オーストラリアだ。
モリソン首相が新型コロナウイルスの発生源に関する独立調査を呼び掛けたことに端を発し悪化している。
中国は豪州産牛肉の輸入を制限。豪州産大麦に追加関税を課したほか、豪州への留学を検討している中国人学生に対し、新型コロナの発生で中国人を含むアジア人を差別する動きが見られるとして慎重に判断するよう促した。新型コロナ感染を巡る人種差別と暴力を理由に豪州への渡航自粛も勧告している。

モリソン首相は「豪州は開かれた貿易国だが、どこかに強制されて自分たちの価値観を売り払うことはしない」と発言。
さらに、「Silent invasion」(目に見えぬ侵略)と題した、恐るべき中国のオーストラリア支配計画の全貌を解明した書籍の発売である。

以上もろもろの事象は、中国を暴発にさせるに十分である。

中国 VS アメリカの冷戦時代幕開けというレベルではない。

6月9日中国軍の戦闘機が台湾の西南空域に進入。その直後、沖縄発の米軍機が台湾の領空内を飛行。台湾上空内を舞台に米中台の軍用機が応酬を繰り広げている。

さらに中国は今夏、中国海軍が南シナ海で大規模な軍事演習を計画している。
実践訓練と見て間違いない。決してパフォーマンスと見くびってはいけない。

新型コロナウイルスに端を発した地球規模の地震は、ついに大暴発寸前のマグマとして成長した。

第二次大戦以来、大戦争はもう起らないと人類は安心している。
しかしこのまま放置すれば中国の暴発の可能性は極めて高い。
或いは自国内の暴発前に、敢えて対外暴発を誘発し自己正当化する可能性もある。

暴発を避ける大前提となるのが主要先進国の一致団結した強固な姿だ。

日本の安倍首相は遅ればせながら、G7で香港「一国二制度」をリードすると表明したが、この暴発を防ぐための結束をリードすることこそが最大の仕事ではないか。

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