沖縄の行方
Vol.1-6.27-165 沖縄の行方
2020.06.27
戦後75年が経った。
沖縄戦没者追悼式が行われた。
安倍総理は「基地負担の軽減に向け、一つ一つ確実に結果を出していく決意だ。できることはすべて行う。との方針の下、基地負担軽減に全力を尽くす。」と式辞を述べた。
一方、玉城知事は「戦後75年の現在も国土面積の約0.6%に米軍専用施設の約70.3%が集中し、米軍人らによる事件・事故や航空機騒音は県民生活に多大な影響を及ぼしている。」とし、基地負担の窮状を訴えた。さらに、「中村哲医師が、昨年アフガニスタンで凶弾に倒れた。私たちは中村先生の「非暴力と無私の奉仕」に共鳴し、平和にいきることとは何かを学んだ。」と述べた。
中村医師は憲法9条を信奉し、日頃から「私は9条に守られているから襲われない」といいながら銃弾に倒れた。そこに共鳴したということは、例え中国が侵攻してきても非暴力で無私をつらぬき、どうぞと国を明け渡すと理解できる。中国を信奉する彼なら考えられないこともない。
確かに、基地に関しては沖縄に米軍基地が集中し、沖縄に大きな負担をかけていることは事実だ。日本人のほとんどが知っている。「沖縄=米軍基地」という認識は国民が共有している。米軍兵士の事件の時も大きな悲しみとともに怒りもあった。
ただ、そのことだけを持って米軍出ていけ、基地はいらない。というにはあまりにも短絡すぎるのではないか。
「自動車が人をひき殺した。だから、車はいらない。」という事にはならないだろう。
一年前の県民投票で「辺野古に基地はいらない」という県民の意志が72.2%、賛成が19.1%、8.8%どちらでもない。という結果であった。
圧倒的多数で県民の意志が示されたと玉城デニー知事は胸を張った。
しかし、棄権が48%に上ったことへの言及はなかった。これほど重要な問題において半分近くの県民が棄権票とはどういう事か。
それでは沖縄が基地反対を叫ぶ理由はなにか。
1、米兵の犯罪で被害を受ける。
2、綺麗な海を失うから。
3、ヘリの騒音がうるさいから。
4、基地から汚染物質が流失するかもしれないから。
5、米軍専用施設の7割が沖縄に集中するのは不公平。
6、日米同盟に反対だから。
7、軍隊は平和を脅かすから。
8、基地がなければ土地を経済活性化に利用できるから。
というのが主な理由だ。
騒音や基地負担の大きさは理解できるが、しかし、(1)の犯罪だが、米兵以外の犯罪はないのであろうか。(4)は何を想定しているのか。「武漢ウイルス」でささやかれている生物兵器のことをさすのであろうか。(7)命をかけて守ろうとする米軍のこと?
この沖縄の問題意識の中に中国の脅威は一切ない。
玉城知事の式辞の中にも、中国が連日領海近辺を航行し、日本への威圧的行為、あるいは漁船追尾の脅威は沖縄にとって米兵の犯罪以下の問題なのだろうか。
ちなみに昨年の沖縄県内の犯罪だ。
※6,514件(内風俗関連87):人口比犯罪率0.44%
※米兵関係31件(内風俗関連0)):人口比犯罪率0.05%
基地反対派の座り込みは組織的で24時間体制。工事車両が停車を余儀なくされているため、国道では大渋滞が発生している。その迷惑は放置されたままだ。
反対派を応援する地元2大紙「琉球新報社」「沖縄タイムス」のが沖縄県をほぼ制圧。不都合は報道されない。保守系とし新参者「八重山日報社」の存在は無いに等しい。
沖縄の特異な政治状況が浮かぶ。
国際関係の研究者北野幸伯氏は中国の脅威を指摘する。
◆一番目は、中国自身が、「日本に沖縄の領有権はない!」と主張していること。
◆もう一つは、「米軍が去った国で、中国は何をしたか?」だとし、ベトナムとフィリピンの例をあげている。
<中国対ベトナム>
『南シナ海西沙諸島は、34の小島からなります。そして、中国、ベトナム、台湾が領有権を主張している。1970年代初めまで、中国が西沙諸島の北半分を、南ベトナムが南半分を支配していました。
アメリカは、共産主義の拡張を食い止めるため、60年代を通じて南ベトナムを支援していた。しかし、73年に力尽き撤退しています(ベトナム戦争)。
天敵(アメリカ)がこの地域から消えたのを見届けた中国。1974年1月、南ベトナムが実効支配する西沙諸島に侵攻し、占領。中国はその後、西沙諸島「永興島」に滑走路や通信施設を建設。軍隊を常駐させている。』
<中国対フィリピン>
『1992年、アメリカ軍は、フィリピンのスービック海軍基地、クラーク空軍基地から撤退します。
中国は1995年1月、フィリピンが実効支配する南沙諸島ミスチーフ環礁に軍事監視施設を建設。同年2月、フィリピンは中国に艦艇の撤収を要求します。中国側は「建造物は軍事施設ではなく、漁船の避難施設である」とし、撤収も拒否しました。
・・・・・中国はその後も同環礁にいすわりつづけ、98年には軍事施設を拡充。フィリピン政府は抗議しましたが、中国は無視しています。
どうでしょうか?中国は、いまよりも全然弱かった70年代、90年代でも、米軍が去った場所を侵略しています。今、中国は、GDPも軍事費も世界2位になりました。誰がどう見ても、アメリカに次ぐ大国です。米軍が去れば、遠慮なく沖縄に侵攻してくる可能性が高いのです。』
<沖縄の基地問題>
『もっとも欠けているのは、「中国をどうするの?」という視点です。
政府は、この点について説得力ある資料を作り、「米軍が去れば、人民解放軍が来る可能性が高いですよ」という情報を、広く知らせるべきだと思います。なぜなら、それは本当のことだからです。』
というように警鐘をならしている。
玉城デニー知事は本当に沖縄のことを考えているのだろうか。
玉城知事の考え方の方向性がわかる事例を辿ってみると
◆彼は、中国の一帯一路に関して「日本の出入り口」として沖縄を活用することを自ら提案している。(日本政府は慎重姿勢)
◆八重山漁船が中国公船に追尾された件を「中国公船がパトロールしていることもあるので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」と発言。石垣市議会は、6月17日、玉城に対する抗議決議書を可決した。この中で、「日本の領海内で漁労することがなぜ中国を刺激するのか」「玉城知事にとって尖閣諸島周辺海域は日本の領海ではないとの認識なのか」と非難している。
◆選択的夫婦別姓制度導入
◆憲法9条の改訂反対
◆集団的自衛権の行使容認に反対。
◆原発反対
◆県LGBT宣言
一般的に言うバリバリの左翼思考である。
中国は沖縄を自国領としてすでにロシアと共同作戦をしている。
玉城知事はその一翼を担おうというのか。
2020年度沖縄県への補助金3668億円は破格である。
中国の一帯一路には大賛成し、金だけもらってすべて反対。そんなに日本政府は悪なのか。
政府と一体になって沖縄の明日を一緒になって何故考えられないのか。
基地も大分変換され開発された。
辺野古移転で普天間が返り、市街地の棄権が除去できればまずは一歩前進ではないか。
もし、中国資本がすでに浸食しているとすれば悪夢である。
知事、新聞を中心とするマスコミ及び基地反対派プロ活動家の扇動によってあらぬ方向に向かう気配を感じる。
昨年の住民投票で無言をつらぬいた48%の県民。
言論封鎖ガスがまるで生物兵器のように沖縄全体を漂っているとすれば危険な姿である。