媚中外交禍

日本 雑記

Vol.1-8.2-201  媚中外交禍

2020.08.2

李登輝元総統が逝った。

中国は当然の如く警戒心をあらわにした。李登輝氏の死によって「台湾独立」は袋小路に入ったといい、李元総統に対しては「台湾の民主主義に祖国分裂の根を植え付けた」と非難し「疑いなく中華民族の罪人だ」と罵った。

以前から中国は、香港のように、台湾に一国二制度を提案してきた。しかし、今回の『香港国家安全法』が中国の一方的法制の導入により、一国二制度は事実上崩壊した。

この現実を目の前で見せつけられては、蔡英文政権が受け入れられるはずもなく、中台関係は決定的になり、独立志向はさらに強くなったと思われる。

アメリカはこの機を逃さず、ポンペイオ国務長官は李登輝元総統の功績を讃え、今後はさらに「政治的・経済的価値観を共有する台湾との絆をさらに強めていきたい」と強調した。

すでに、IT企業のファーウェイ、更に検討しているのが中国製の短編動画アプリ「TikTok」の排除だ。どちらも安全保障上の問題としている。

トランプ政権は中国の覇権的行動を受けて台湾支援を強化する方針を打ち出しており、高位の政府関係者を葬儀に派遣し、台湾との連帯をアピールする可能性が大だ。

蔡英文総統も、世界にでるチャンスとみており、李氏の葬儀に関しては世界の要人を招いて、台湾の独立を徐々に既成事実化をしたいと言うところだろう。ただ、極端な行動による刺激は中国の暴発を誘発しかねないので、慎重に見極めながらということになろう。

そこで、腰が定まらないのが日本である。

徹底したアメリカの中国排除の動きが日本の対応の緩慢さが際立つ。

日本はどうすればいいのか。

安倍首相がいつも国際的に発する言葉が、「人権を重んじ、自由民主主義で動く社会」であるとすれば、その理念との整合性が取れない部分についてはNOと言わなければならないだろう。

しかし、理念だけを押し通して世界の中で生きていけるものではないことは百も承知だ。さらにアジア諸国の経済発展によって日本の存在感は低下している。

今回のコロナ禍で日本の製造業の中国依存はサプライチェーンの崩壊であからさまになった。

韓国との問題は何一つ解決せず、悪化の一方である。さらに北朝鮮も同様である。加えてロシアとも方向として悪化へ向かっている。

日本を取り巻く環境は最悪の状態である。

李登輝元総統が言ったように、すでに世界は一国で自国の安全保障は不可能である。国家として同盟できる相手と複数での安全保障を考えることが現実的である。

その意味において、日本の同盟国アメリカとは現状最も信頼できる相手であり、運命共同体と考えなければならない。

隣国中国・韓国・北朝鮮・ロシアの4か国が最悪といういわば、四面楚歌の中での決断はかなり厳しい選択をしなければならないのは間違いない。

しかし、李登輝氏が言っている。中国で遊覧船が放火され、台湾人24人が焼死した事件があった。当時総統であった李登輝氏は、中国側の人権無視の対応に「中国大陸は文明国家ではない。」「土匪と同じだ」と怒りの談話を発表した。周囲はあまりにも強い発言を心配した。

しかし、李総統は「中国に対し言うべきことはいわなければならない。」とし、結果的には中国は全面的に非を認め、中国は「犠牲者の遺族にお見舞いと哀悼の意を表する」と談話を発表するに至った。

日本の場合、言うべきことを言わない。いや、言えない国内事情だ。与党は一枚岩ではない。

以前もいったが、安倍政権に張り付く「媚中派」である。

海部―宮澤―金丸―小沢―二階幹事長の流れ。

天安門事件の後、宇野宗佑首相は「中国を孤立させるべきでなない」と天皇陛下の中国訪問で中国を救った。

その頃でも、大東亜戦争が中国と「特別な関係」とする思い。これは表立って口にはしなくても「侵略しご迷惑をおかけした」という東京裁判史観に縛られた議員の洗脳は今尚古い議員を中心に解かれていない。

政権が交代し、管直人内閣になっても、丹羽宇一郎中国大使の中国べったりの大使によって引き継がれた。

この、相当厚い壁はなかなか壊せない。ましてや、81歳の二階幹事長は続投の意思をしめしているという。なんという執念であろうか。「引退すれば中国が危ない」と思っておられるのかもしれない。日本の心配をしていただきたいが80年の人生観を変えることなど問うて無理であろう。

安倍総理ほどの国家感を持った政治家は見当たらない。

困難を極める日本の行く末。

コロナ禍であるが、最も難問は日本の媚中を一掃できない悲しい国家事情である。