中国共産党独裁政権
Vol.1-9.5-235 中国共産党独裁政権
2020.09.5
「中国共産党独裁政権」と言われても、今さらという気がしないでもない。
ただ、つい最近日本語を母国語としない作家としてはじめて芥川賞を受賞した中国・ハルビン出身の「楊逸(ヤン・イー)」さんが発した言葉と聞けば、とても重い言葉になる。
楊逸さんは2008年、「時が滲む朝」で第139回芥川賞受賞、その後2012年に日本に帰化した中国人である。
「時が滲む朝」は天安門事件を題材にしている。
楊逸さんの話によれば、中国の場合、新しい王朝が始まる場合、前王朝を徹底的に否定すると事からはじまる。というが、よく聞く話である。
その言葉通り、文化大革命という名の元で過去が徹底して否定された。その流れが天安門事件につながるのであるが、当時、楊逸さんは5歳。文革の被害をまともに受ける側になったのだ。知識層と断定された楊逸さんの生活は一転したと言う。
1970年1月、何の前触れもなく、「お前たちは農村に行け」と共産党に命じられた。いわゆる「下放」という処分だ。徹底して洗脳教育受けながら農業に従事する。
下放された先は、電気、水道もなく、窓もドアも枠があるだけの家だった。
ハルビン北「蘭西県」という農村にはそもそもガラスそのものがない。廃屋のような家が与えられた。冬はマイナス30度の極寒。親子5人のサバイバル生活が始まったという。
まさに日本兵が強制的にシベリアへ送られ、極寒の中強制労働をさせられた実態と似ている。
ありったけの服やふとんを身体に巻きつて寝る。今思うと一家が生き延びられたことが不思議だと言う。3年の極貧生活に耐え、何とかハルビンに戻れる日がきたことは幸運だった。正に文化大革命をまともに受けた人間である。
1987年留学生として来日。皿洗いなどのアルバイトで学費を稼ぎながら「お茶の水女子大学文教育学部地理学専攻」を卒業、その後紆余曲折を経て小説を書きはじめることになる。
楊逸さんに言わせれば、今回のコロナウイルス。紛れもなく中国共産党政府の対応と隠ぺい体質にあり、中国共産党の失敗による「人災」であると断じた。さらに言えば、“ 失政 ”どころか、“ 意図的 ”なものだった可能性を示唆した。
その興味深い情報である。
『中国公安省の孫力軍次官が重大な規律違反と法律違反の疑いで逮捕される前、彼の元妻がオーストラリアに住んでいた。
孫氏は実験室からのウイルス流失と北京当局による疫病状況の隠ぺいと虚偽データ報告などに関する実質的な証拠を秘密ルートで手に入れ、元妻に送ったところ、オーストラリアの諜報機関に傍受され逮捕された』という事件の存在だ。
なんと、これが中国語のSNSで流されたのである。これが事実であれば凄い事である。
一時アメリカが武漢の研究所からのウイルス流失疑惑を指摘したが、こんなところから情報を掴んだのかもしれない。
楊逸さんは平和と自由を求めて日本にやってきたが、中国共産党独裁政権がある限り、この世に安心・安全に暮らせる場所などないという。
中国共産党政権は、悪辣でまるでマフィア組織みたいなもの「目に見えない侵略」でいつの間にか入り込んでくる。習近平は覇権主義を明言し、自分たちの野心を隠そうとしない。
大陸としての自信をつけ、一帯一路でアフリカを支配下に置いたと思いこむ中国覇権主義に対して、欧米諸国は対中戦略をより強固にしつつある。
ところが、日本はどこか対岸の火事のように見える。
そうではなく、日本はアジアのリーダーになる意思を強くもってほしい。と切望する。
まさしく楊逸さんの言う通りである。
東南アジアはもとより、中国を脱出した多くの知識人たちの切なる気持ちは日本のリーダーシップを期待しているのである。
明治維新で発揮したあの熱い日本は今いずこだ。
坂本龍馬、福沢諭吉などが活躍した明治のほとばしるような情熱はもう失くしたのか。
コロナを隠れ蓑に優柔不断な日本。いずれ中国の属国となり、東南アジア諸国にも見捨てられる日がくるのではないか。