中学校歴史教科書

日本,雑記

Vol.1-9.14-244  中学校歴史教科書

2020.09.14

今年の春、育鵬社版の「新しい歴史教科書」が文科省の審査で405カ所の欠陥を指摘され一発で不合格にされたのは記憶に新しい。

「新しい歴史教科書」、文科省によると、2008年、2010年、2014年年度の検定に合格していた教科書である。

つくる会によると、昨年11月、文科省から405カ所に「欠陥箇所」があると指摘された。174カ所について反論書を提出したが、全て認められず、昨年12月に不合格が確定。
藤岡信勝副会長は「検定は結論ありきの異常なもの」と批判した。

過去3回の検定に合格していたものが急に405カ所も指摘を受けるのは藤岡副会長でなくとも、異常と思える。
まるで中国共産党が下した香港の法律施行のようだ。

以前はいったん不合格となっても指摘された点を修正し、再申請すればほぼ合格していたが、16年3月、欠陥箇所が1ページあたり1・2カ所以上あると再申請できない「一発不合格」の新制度ができたのだ。

文科省の左翼集団が、育鵬社版を狙い撃ちするため制度を改定し、満を持して今回この制度で「一発不合格」を狙ったのは明らかであろう。

その結果、来年から使用される歴史・公民教科書の採択で、育鵬社版を使っている全国23市町村のうち、14市町村が他者版に切り替えたというのである。

その実態は、
①育鵬社版教科書反対派の激しい不採択活動に教育委員会が負けた。
②「育鵬社版」は「戦争賛美」などと事実無根のレッテルを貼り、徹底した不採択運動が功を奏した。
③「反対意見が多い教科書を選ばなくていい」という、客観的判断を放棄し圧力に迎合した教育委員が増えた。
④「教員が使いやすい教科書を選ぶべきだ」とし、教科書の内容や子供の将来に適した教科書を選ぶという原点を度外視、教員の意のままになった。教員とはもちろん日教組の教師である。
⑤「日本の歴史への愛情を育むこと」を目的とした育鵬社の教科書を推進しようとする人たちの情熱の喪失。

それにしても何という情けない大人たちだろう。自分の命を預けている日本に対する希薄さはどこから来るのか。すべて戦後の歴史のせいにしていいのか、最近疑問を抱く。

日教組や共産党など反日組織は常に情熱的であり、強い意志と継続性において尊敬に値する。このパワーが健全な愛国心に向けられたとしたら日本は盤石になる。しかしそうはいかないのが人間社会の難しさだ。

10年前、横浜市は全国に先駆けて、自虐史観を排する目的で作られた「新しい歴史教科書をつくる会」の「歴史教科書」を採択した。その流れは少しずつ全国に広がった。

当時の横浜市長曰く、「『子供たちが自立した日本人になるための教育を』という視点で、首長が教育委員にふさわしい人選をした。その方々がすべての教科書を読み比べ、客観的に選んだら、おのずとそうなった」というのだ。

教科書採択はいかに首長が、見識と情熱のある人を探し出し、教育委員に任命するかにかかっていると指摘した。

今は、また教育委員が現場の意向を追認する傾向が強くなったという。強く、たくましく、優しい人間をつくるには自国の歴史に愛情と誇りを抱かなければ、力強い情熱など生まれはしない。

自虐史観に彩られた今までの歴史教科書、やっと少しは正しい方向に向かったと思いきや、また元の木阿弥に戻ろうとしている。

たかが歴史教科書というなかれ。日本の歴史を子供に教えようとする教科書である。その教科書によって我々の血が歴史が引き継がれるのだ。大人たちが真剣に日本の誇り高き姿を伝えずしてどうする。今生きる大人たちの責任は重大である。

日本に愛情と情熱をなくした大人たちによって書かれた歴史教科などあって毒である。子供たちの多くはまた、自虐史観に戻るのかと思うと、暗澹たる気持ちだ。

それにしても思う。どうして日本を愛せない人の多きことよ。考えても考えても理解できない。何故だ、何故だと自問自答する。時に頭が爆発するほどだ。

鉄の女と言われたマーガレット・サッチャー元イギリス首相。自虐史観に彩られた歴史教科書を自ら指揮し、大胆に変えたことを思い出す。

安倍首相ですらできなかったこの改革、日本の将来に希望は見いだせない。
経済大国でなくていい、小さくても世界の中で凛とした国家として輝く日本でありたいと願うだけだ。

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Posted by 秀木石