今、論じるは学術会議にあらず

日本,雑記

Vol.1-Vol.1-10.9-269    今、論じるは学術会議にあらず
2020.10.9

結論からいえば、学術会議は解体し、民営化での再スタートするのがいい。今、この問題に浪費する時間はない。

とりあえず各社の論調を見てみる。
<学術会議、各社の社説>
(朝日新聞)
「学術会議人事 学問の自由 脅かす暴挙」
(毎日新聞)
「学術会議6氏任命せず 看過できない政治介入だ」
(日経新聞)
「なぜ学者6人を外したのか」
(東京新聞)
「学術会議人事 任命拒否の撤回求める」
(産経新聞)
「日本学術会議 人事を機に抜本改革せよ」)
(読売新聞)社説で取り上げず

産経新聞以外は批判の嵐である。

経済学者であり嘉悦大学の教授を務める高橋洋一氏の学術会議についてのご意見をかみ砕けば、国から独立した法人になることがベストとの結論にいきつく。

<見解の要約>
◆かつて会員は研究論文をもつ全ての研究者による公選制だったが、今では年長研究者が推薦される縁故的なものになった。

◆学術会議は、国内87万人の学者の代表、「学者の国会」とも言われるが、そもそも、身内推薦により会員が構成されているので、日本の学者の代表でもなく、学術会議が国会というわけではない。

◆20年ほど前日本学術会議は行革対象の議論があった。その時政府に批判的な提言をするためには、独立の法人格の団体のほうが望ましいという議論もあったが、日本学術会議の要望により、国の機関とされた。

◆ただし、本来は独立の法人格の団体のほうが望ましい。「設置形態については、欧米主要国のアカデミーの在り方は理想的方向と考えられ、日本学術会議についても、今後10年以内に改革の進捗状況を評価し、より適切な設置形態の在り方を検討していく。」としたが、「検討された形跡はない」。

◆欧米諸国のアカデミーは、ほとんどが独立の法人格の団体である。独自の財政基盤を持っており、政府からの独立性を維持している。

<果たして学術会議はどんな政策提言をしてきたのか>
(1)2017年3月「軍事的安全保障研究に関する声明」
軍事研究の禁し(過去の声明を継承)。「学問の自由」に反することを言い続けている。(自ら学問の自由を制限)

その一方で、日本学術会議は、中国の「外国人研究者ヘッドハンティングプラン」である「千人計画」には積極的に協力しているありさまだ。そのために、日本学術会議は、中国共産党軍と関係の深い中国科学技術協会と協覚書を結んでいる。
日本政府の軍事研究はダメと言いながら、中国政府の軍事研究はいいという国益に反する二枚舌。

(2)2011年4月「東日本大震災への第三次緊急提言」
復興財源として日銀引受を否定し、復興増税を勧めた。実際に、この提言は民主党政権で実行され、災害時に増税という経済理論にも反し古今東西見られない悪政が行われ、多くの人が今でも苦しんでいる。この意味で、日本学術会議の提言の責任は大きい。

日本学術会議会員の推薦要件として「優れた研究・業績」とあるが、こうした日本学術会議の体たらくを見ると、政府が漫然と日本学術会議会員を任命し税金投入するのは問題である。

◆ところで、一部野党と一部メディアは日本学術会議人事を「学問の自由が奪った」と問題にしている。
しかし87万人の学者から選ばれるのは210名。選ばれなかった86万人以上の学者は学問の自由を奪われたと言って文句を言ったとの話は聞いたことがない。会員でなくても、普通に研究ができるので、当たり前のことだが文句を言うなどありえない。

◆では、日本学術会議の推薦があるのに任命しなければいけないのか。裁量的人事をしないという国会答弁は、日本学術会議の行動が適切との前提での当面の法運用指針である。
条文を読めば、裁量的な任命権がある。しかも、日本学術会議の実態が不適切になれば、条文通りの任命権を行使しないとまずい。(上記政策提言2事例は不適切事例である)

◆もっとも、政府の人事である以上、任命しなかった理由を明らかにできない。これは、どのような組織であれ、人事であればその理由を明らかにできないのと同じだ。

◆この問題について、抜本的な解決を図ろうとすれば、日本学術会議を政府機関として置くことが適切でなくなる。

◆2003年に、日本学術会議の設置形態については「10年以内に欧米主要国のアカデミーの方向で再検討することになっている」から、この際、政府として検討したらいい。

◆それは、国から独立した法人格の団体。いわゆる「民営化」だ。日本学術会議が「民営化」すれば、今回のような問題はない。今の時代、国に提言するために、国の機関である必要はない。実際に、民間会社のシンクタンクは数多くある。

◆「国の機関でいたい、国に全額費用負担してほしい、国家公務員のままでいたい、しかし人事は自分達で勝手にやらせてほしい」というのが、今回の日本学術会議の主張であり、あまりに虫がよすぎる。

◆欧米主要国のアカデミーのように「民営化」すれば、人事は自分達に勝手にでき、国にとやかく言われることはないので、そうしたらいいのではないか。

以上のごとくまったくその通り。そうすればすべて丸く収まる。
“ めでたしめでたし ” で終わりにすべきだ。

立憲・枝野さん、真に日本を思う政治家であるなら、欧米と日本が中国という「異形の大国」と対峙し、且つ尖閣が危機に陥るかわからない大事な時に、国民の目をそらすような行為はやめようではないか。

今日の、国家危機において、国家防衛政策論で堂々と臨時国会での論戦に挑むことこそ野党第一党の果たすべき責任ではないか。

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Posted by 秀木石