国際機関

世界 日本 雑記

Vol.1-10.27-285   国際機関
2020.10.27

国際機関というのは50件以上あるそうだが、経済大国3位の日本がトップを務める機関は皆無である。

昨年末現在で912人の日本人が専門職職員として世界各国にある国連関係機関で活躍しているが重要ポストで活躍する職員はいない。日本人の国際機関での存在価値は年々落ちているのが現実である。

過去にトップを務めた松浦晃一郎・ユネスコ事務局長や天野之弥・国際原子力機関事務局長と言われてもすぐにピンとくる人は決して多くない。

まだ、国連難民高等弁務官だった緒方貞子氏や、国連事務総長特別代表としてカンボジア和平に尽力した明石康氏のほうがたびたびテレビなどで見る機会も多くなじみ深い。

これに対し、日本を抜き世界第2の経済大国となった中国は、国連食糧農業機関(FAO)など四つの国連専門機関のトップを占めると言うから凄い。

日本人は遠慮深いのかバカなのか金は出すがポストは求めない。お人好しの典型である。その昔、エコノミックアニマルと言われた働き虫は、勤勉、真面目でがむしゃらに働く人間ではあったが、国際機関を利用するという発想はなかったと思われる。

世界戦略上、利用できるものは徹底して利用するという中国の姿勢とは全く正反対である。中国は凄まじい、ポスト獲得に手段は選ばない。例えばアフリカなどの発展途上国に対し、まず資金を提供し援助外交を展開する。相手に恩を売って選挙での多数派工作を図り勝ち取っていく。

国際シンクタンクのリチャード・ゴーワン氏によると、10年ほど前には国際機関にあまり関心を示さなかったが、ここ10年大半の場面で国際機関を乗っ取ろうとしているという。

その目的は、国連安全保障理事会の決議や国連文書に、中国が企てている、巨大経済圏構想「一帯一路」の理念を盛り込もうとしているというのだ。

中国に限らず、米国もフランスも、ポストを獲得するということは、「自国の利益に如何に結びつけるか」と言うことでは変わりない。

トランプ大統領が、WHOの離脱を表明した。このポストを中国が押さえれば、武漢ウイルスを中国の良いように処理されてしまう可能性が高い。トランプ大統領の強引で強気の姿勢は時にはいいが、このような国際機関軽視は、逆にWHOポストをとられリスクが高まる可能性がある。

WHOを中国寄りだといって非難しボイコットするよりも、逆にトップとなって中国を思うように料理すればいいと思うが。中国から発した武漢ウイルスの徹底的解明もできるではないか。トランプ大統領はそんな知恵が回らなかったのか不思議である。

お隣、韓国は今、WTOの事務局長の椅子を狙っている。

日本政府は、世界貿易機関(WTO)の事務局長選で、ナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相を支持し、韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長を支持しない方針を固めたようだ。

韓国は、日本によるホワイト国除外に腹を立てWTOに提訴している。韓国候補が当選した場合、紛争解決手続きが韓国の思惑で公平性が損なわれる可能が高いと判断したのだろう。

WTOは11月上旬までに、次期事務局長を選ぶ予定である。
日本は昨年7月、大量破壊兵器に転用可能な戦略物資について、韓国の輸出管理に疑わしい事案が続出したため、半導体材料などの輸出管理を厳格化した。

それに対し、今回事務局長に立候補した “ 兪氏 ”はいわゆる「元徴用工」問題に絡んだ「政治的な動機」で行われたと反発し、韓国のWTO提訴に関わった人物である。

日本としてはこの兪氏が事務局長になると、ホワイト国問題を自国の都合良いようにやられる可能性が高い。従って当選させたくないというのが本音である。

いずれにしても、中国、韓国は共に国際機関のトップを仕留めようと積極的に動いている。
日本も、もう少し地球規模での動きを加速させたほうが良い。良い人ぶっていては国際機関を使われて間接的に攻撃を受けることになる。

もう少しダイナミックかつ巧妙に動かなければ、足元をすくわれかねない。
今後は影響力の高い国際機関、あるいは日本の将来に影響を及ぼすと思われる機関に的を絞り、トップ獲得に向けた行動を起こすべきである。