銃社会の現実

世界 日本 雑記

Vol.1-10.30-290    銃社会の現実
2020.10.30

また、黒人男性が警察官に射殺される事件が起きた。

米ペンシルヴェニア州フィラデルフィアで26日、黒人男性が警官に射殺され、多数の市民が抗議行動を展開している。

26日午後4時ごろ、フィラデルフィア西部のコブス・クリーク地区に武器を持った男性がいるとの通報を受け、警官2人が急行した。

AP通信が警察の報道官の話として報じたところでは、後にウォルター・ウォレスさん(27)と判明する男性が、ナイフを手にしていた。警官らが手放すよう命令したところ、「警官らに向かって前進して来た」という。

警官2人は「数回」発砲し、ウォレスさんの肩と胸に命中した。警官の1人が病院に運んだが、死亡が確認された。

27日夜には市内の商店で略奪が発生。警察によると数百人が略奪に加わっているとしている。

アメリカで2019年の1年間で、警官による武力行使で殺された人の数は1,098人である。1日に3人は警察官に殺されているのだ。その内、黒人は23%。

たまたま今回は最初に報道された黒人男性の首を抑え殺された男性の衝撃映像が流されたことで一気に沸騰した。日本では考えられないことだが、この手の事件はアメリカの日常である。

今も、人種差別は歴然と残っているし、黒人の不満もある。だからと言って略奪が正当化されていいわけがない。

思い出すのが28年前の日本人学生が射殺された事件だ。

『1992年10月17日、米ルイジアナ州バトンルージュの高校に留学中だった名古屋市の高校2年、服部剛丈君(16)が、ハロウィーンの仮装パーティーに行く途中、訪問先を間違え別の住宅の玄関をノック。強盗と思った住民の男性が「フリーズ(動くな)」と呼び止め、動いた剛丈君に発砲して死なせた。』

特別な家庭ではない。ごく普通の一般的アメリカの家庭でのことだ。

この時応対した夫人は玄関先の2人を見つけるとすぐさまドアを閉め、夫に銃を持ってくるよう要求した。それに応じて夫は寝室からレーザースコープ付きのスミス&ウェッソン社製.44マグナム拳銃を持ち出し勝手口へと向かい、2人に向け構え「動くな」と警告し、応じなかった二人に発砲したのである。

これが、アメリカ銃社会の現実である。

今回、映像を見る限り、黒人男性は明らかにナイフを持っていた。「ナイフを捨てろ」の警告にも応じず警官に立ち向かっている。

ハロウィンの学生は仮装はしていたものの、凶器と言えるものは持っていない。ただ、つたない英語であったかもしれないが、「パーティーに来たんです (We’re here for the party.)」と告げている。にも拘わらず撃たれたのだ。

万が一仮装して銃を隠し持っているかもしれない。と家主は考えたとしても不思議はない。やらなければやられるかも、と思うのが銃社会の怖さである。

東バトンルージュ郡地方裁判所陪審員は12名(白人10名、黒人2名)は、全員一致で無罪の評決を下したという。この判決にも全く人種差別がなかったと、ジイは言い難いと思う。

日本のように、小学生が一人で電車通学できること、深夜女性が一人で帰宅できる国が日本である。純粋培養されたような人間が人種のるつぼのような複雑な社会を正確に理解するのは不可能である。

自由主義を標榜するアメリカであるが人種差別も偏見もある。事件の表面を見て一方に加担することは危険である。