カーボンニュートラル
Vol.1-11.22-313 カーボンニュートラル
2020.11.22
菅義偉首相が10月30日、
官邸で開いた政府の地球温暖化対策推進本部で、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする目標に関し、「カーボンニュートラル(二酸化炭素排出量を実質ゼロとする)への挑戦は日本の新たな成長戦略」とした。
「この挑戦を産業構造や経済社会の発展につなげ、経済と環境の好循環を生み出していきたい」と述べ、目標実現に向けた取り組みを全閣僚に指示した。
その発表を待つかのように、各社がCO2の資源化プロジェクトが明らかになった。
近い将来そうなるであろうと企業は予測してすでに各社は研究をスタートしていたであろう。
早速に<CO2資源化の各社の技術開発プロジェクト>である
IHI : 独自の触媒で水素と反応させCO2からメタンを製造
国際石油開発・帝石・日立造船 :
天然ガス生産時に排出されたCO2からメタン製造
日本製鉄・JFEスチール : CO2からメタンを製造し、船舶用燃料として活用
日本製鉄・千代田加工建設 :
CO2から衣料用繊維やペットボトルの原料となるパラキシレンを製造
JFEスチール・太平洋セメント :
CO2をカルシウムなどの金属と反応させ、コンクリート原料の炭酸塩を製造
宇部興産・出光恒産 :
産業用廃棄物から抽出したカルシウムと反応させて炭酸塩を製造
三菱ケミカル・TOTO :
人工光合成によって化学品原料のメタノールを製造
住友化学・島根大 : 水素と反応させてメタノールを高効率に合成
地球温暖化の厄介者CO2が原料や燃料として再利用されるのである。
上記プロジェクトが実用化されれば、地球温暖化対策として排出削減に匹敵する効果が得られるという。
さらに、東南アジア諸国連合などが参加する東アジアサミットでは、梶山経済産業相がCO2を地中に貯留する技術の活用を提案した。
発電所などで大気中に排出されるCO2を回収して地中に封じ込めると言うのだ。ジイは初めて知ったが、そんなことが出来るのだと驚いた。
人間は何か問題が起きると世界の頭脳は知恵を絞って対応し、乗り越えたきた。凄いではないか。問題児が資源とし生かされるのである。素晴らしいことだ。
こんな人間の素晴らしい頭脳を思う時、何故、原子力から排出される放射性物質を安全にかつ迅速に処理できる方法が開発されないものであろうかと思ってしまう。
原子力発電はCO2を出さず、さらに原子炉で使用した後の使用済燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを混ぜた燃料を再度、原子力発電所(軽水炉)で使うプルサーマルは、ウラン資源の利用効率の高い画期的なエネルギーである。
このエネルギーが安全に使えればこれほどエネルギー効率の良い燃料はない。
この素晴らしいエネルギーを発見して置きながら、今は危険極まりないとそれこそ一部の人間は厄介者で危険分子と烙印を押す。
今日、地球上における最大のエネルギーである。この人間が生み出した核エネルギーを敬遠忌避するのではなく、安全運用できる画期的な方法を考える科学者はいないものであろうか。科学に疎いジイなどはそんな夢物語に希望を抱いてしまう。
子供の頃、雨に放射能が入っていると言って雨を恐れた記憶がある。
人間は己が作り出ししたものに恐れなければならないという矛盾を生んだ。そうだとすれば、その矛盾を解決する義務があるのではないか。